5#エピローグ (カーズとアーサー)
1章 に行く前に 閑話をまぜました
ランディと香織が、奮闘している同じくらいの時間帯。
ある部屋の一室での出来事。
一人の男がパソコンに向かい、何か作業をしていた。
その男の名前は『カーズ』ランディの弟である。
容姿はランディに似ているが、 髪型がランディよりかなり短く切ってある……スポーツ刈りより少々長い程度だ。
そのカーズに身長2メートルを軽く超える大男が歩み寄ってきた。
彼の名は『アーサー』見た目だけで物凄く強いと想像出来る感じだ 、ハンサムではない。
そのアーサーがカーズに話しかける。
「ガル は?」
アーサーが質問する。
「纏まった現金が手に入ったから、100円ショップに行って、それからホームセンターに行くって」
とカーズ は答える。
「ランディ は?」
アーサーが度々質問する。
「融合体を捜すついでに、オレオレ詐欺の元締めの『○○組』ってのを潰すって 」
「そうか カーズ 準備は?」
カーズがアーサーを見て
「もうすぐ出来る」
と口許がつり上がる。
カーズが 画面のひとつを拡大した そこには……
『差出人 ╋ラララ支援倶楽部╋
貴方はこのメールを受け取った時点で 10万ポイント入手 確定となっております。つきましては 正会員に昇格手続きをしていただく メールを送らせていだだきました。なお 1ポイント 10円に換金が可能と成っております』
カーズはこれに 『正会員のための振り込み完了』とメールを送ったようだ。
カーズは どうやらこのメールの返信を待っているようだったが……
『ポーン』メールが来たようだ。
カーズはメールの中身を開いてみた。
『カーズ様 当方の厳正な審査により カーズ様は、当方『ラララ支援倶楽部』の正会員とは認められませんでした』
この時、カーズとアーサーに、ねばつくような悪寒が走った。
悪寒の種類を感じ取ったアーサーが、カーズに話しかける。
「カーズ……」
カーズも、状況は理解している。
「うん、判ってる このタイプの悪寒は時空間移動だね」
「この世界 後 1時間 」
アーサーは、
「最後 派手にする よいか?」
と聞いてきた。
カーズは迷わず、
「アーサーにお任せでいいよ」
カーズは 『ラララ支援倶楽部』サポート係に電話をかけた ○○○‐○○××‐××▲▲
「はい『ラララ支援倶楽部』サポート係です
」
「私はカーズと言いますが、正会員の為の登録料金払ったのに 会員になれないと言うことはどういう事でしょう?」
電話の相手は手慣れた感じで、
「それは、当方独自の査定基準がありまして、お客様はそれを満たさなかったからだと思います」
カーズは続いて アーサーに目配せして
「それはどういった基準でしょうか?」
と聞いているときに アーサーがカーズの右肩に手を掛けた。
電話対応係は
「それは当社の機密事項に当てはまりますので、お答え出来かねます」
カーズはニヤリと笑ながら、
「もういい……第5レベル呪文……テレコムテレポート」
カーズとアーサーは、この部屋から消えてしまった。
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幾つかの 詐欺サイトを運営している オフィスの一室
オペレーターが、
「もしもし?お客さま もしもし?」
「はぁい 呼びましたか?」
「俺 呼んだ?」
とオペレーターの真後ろで、二人の声がした。
オペレーター数人と柄の悪そうな人が数人、明らかに何か格闘技を修めていそうな人が一人、それが一斉に立ち上がる。
そこでアーサーは一言発した。
『全員 しゃがめ!』
結果、この部屋で立っているのは、アーサーとカーズの二人だけになってしまった。
此が後に説明する アーサーの特技の一つ
『威圧レベル3』である。
その後 しゃがんだまま動けない事を 次々に罵倒を繰り返す人々。
数えると九人ほどいた 。
アーサーは、
「人数 減らす」
と口ずさみ、
『全員起立! 気をつけ!』と叫びんだ。
すると、びしっと全員が、直立の姿勢になった。
いや、1人アーサーの威圧にあがらえそうな男がいた。
アーサーは「ほう」と楽しそうに、
「なら これは 耐えられ るか?」
と言い、
「第3レベル呪文……リバース」
そしてアーサーの威圧に抵抗し始めた屈強そうな男に触れ、
「シリアスダメージ」
と唱えた瞬間、全身から血を吹き出し絶命した。
この部屋最強の男が、触れられただけで、血だらけになって死んでしまっているのに、倒れる事も逃げる事も出来ずに、直立不動を強制されている8人にアーサーが、
「もう少し 減らす 第1レベル呪文……マジックミサイル」と唱えた。
するとアーサーの周囲に、光の玉が四つ現れた。
「GO!」
との合図を皮切りに、光の玉が四人の人間に命中した。
結果、三人の人間が絶命した。
アーサーは呆れ顔で、
「『マジックミサイル』一発で 死ぬ 弱すぎ カーズ 呪いの 数は?」
カーズは答えた。
「今日は3発」
そしてそのまま 生き残りの5人組に話しかけた。
「このまま聞いてくれ! 私は『詐欺サイト撲滅部隊』のカーズである。 君達は悪質サイト運営の罪により 死刑になりました。ではアーサー隊員!」
アーサーが頷き『動いてよし!』と命令を解除した 。
すると1人が、動けると理解した途端、ドアに向かって逃げだした。
これに対して、カーズは予想でもしたように、落ち着いて『ダガー』と言う大型ナイフを投げた。
ダガーは逃げようとした男の後頭部に、吸い込まれるように刺さった。
説明するまでもなく、男はビクンッビクンッと痙攣して絶命した。
カーズは話を続ける。
「しかし 全員死刑も可哀想なので、救済処置をさずけます。助かりたい人は挙手!」
この短い間のやり取りで、この2人組には、抵抗する術が無いことを、悟りきったようだ。
残りの4人は助かりたい為に 、一斉に手を挙げた。
ほとんど同時に手を挙げたはずだが、カーズは手を挙げた順番を記憶していた。
「はい、では1番挙手が遅かった君!」
マジックミサイルで辛うじて生き残った 男だ。
カーズはこの男に向かって呪文を唱えた。
「第4レベル呪文……呪いの指」
と言ったカーズは、男の体に、カーズの黒く変色した指を突き刺した。
「ぎゃっ!」
男は軽い悲鳴をあげた。
カーズはそのままの姿勢で、呪文の効果を言葉で入力する。
「貴方は、嘘を付いてはいけない呪いを授けます。嘘をつく度に、指が一本づつ破裂して、21回目に心臓が破裂します。なお十年経過したら呪いが解けます。 以上」と言って指を引き抜いた。
「続いて2番目に遅かった君!」
カーズに近寄られた男は、
「助けて助けて!」
と言い続けている 。
「第4レベル呪文……呪いの指」
カーズの人差し指が黒く変色した、そして指を突き刺す 。
「貴方は此れから毎年100組のカップルを出会い系 サイトで成立させなさい。見事10年で1000組 成立させれば呪いは解けます。失敗は死です」
と言って指を引き抜いた。
「3番目に遅かった君!」
と男に近寄る、男は顔面蒼白でガタガタ震えている
「第4レベル呪文 ……呪いの指」
人差し指を突き刺す。
「貴方は今までに、ポイントを差し上げるとメールし全員に、ボイントの現金を払いなさい。ノルマは一ヶ月に10人です。 ノルマ未達成時は体中に激痛がはしりますので、気を付けるように。払い終われば呪いが解けます」
と指を引き抜いた。
男は、
「そんなの無理だっ!いったい何万人にメールを送ったと思ってるんだ?」と 自分の立場も忘れて猛抗議。
カーズは
「じゃ メールしなきゃ 良かったよね?」
と 軽くあしらう。
「そして挙手が1番速かった君!」
「君には呪いは掛けません!」
男がほっと安堵をしている 。
その時 カーズとアーサーに再び 悪寒が走った。
カーズはアーサーを見て、
「ただし、私達と一分間 手を繋ぐ事、それだけです」
その間 指の破裂の呪いを受けた男が、
「絶対に許さないと」
ぶつぶつ呟いていた。
アーサーは 「何か 言ったか?」と聞いた。
男はあわてて 「いや、何も喋って無い」と発言した
すると 男の左の小指が破裂した。
「ぎゃぁぁぁ」
「早速 指 一本 無くなった」
「新しい世界はどんなか? 楽しみだね」
「ああ 日本 便利 でも 強いの いない 次に 期待」
と言いながら、巻き込まれた一名を含め、異世界に旅立っていった。
皆様 悪質サイトに気をつけてくださいね