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異世界コラボ 2#教頭の受難

 教頭視点



 僕は今、予想もしない出来事に直面している。


 ガ「だからぁ、あの生徒達が持ってる『アレ』をくれ」


 教「いや、あれはそう易々と渡せる代物ではないのだよ」



 ガ「生徒達、全員に配ってるんだろ? 俺達3人に ほいって気持ちで渡せば良いんだよ」


 教「だから生徒達は特別な生徒であって……」


 ガ「よし!わかった 俺達も生徒になる!」


 ラ「おおっ!それは良い! 僕も学生気分を味わいたいなぁって思ってたんだ」


 教「いや、だから、そんな簡単に……」


 ガ「そこにいるランディが居なかったら、生徒達6人は四獣の食事になってたんだよなぁ」


 ラ「エッヘン! 教頭先生は偉い ちょっと頼めばそれくらい余裕」


 教「うっ」


 駄目だ押しきられる……生徒達を助けてくれたのは聞いた。

しかし、何なのだ? 彼等の存在感は……まるで理事長が2人になって 僕を問いつめてる様だ。



 そうだ、よく考えたら、そんな簡単に 可念盤との適性が合うはず無い。

 もし適性あっても、予算が無くて、余分な資金が無いと言う事にして……


 教「わかりました、それでは君達に、適性が有るかどうか見てみましょう。適性が無くても、恨まないで下さいよ。……ところで……真君と里美さんとは知り合いかね?」


 ラ「はい、彼等も僕達の仲間です」


 膝から崩れる僕、 彼等は悪魔の使いか? ……何で校長や学年主任が1人も居ない時に……はっ!そうなのか、校長や主任達が居ない時に、あの酒を1人で飲もうとした罰が下ったと言うのか…… どうせなら 飲んでから罰が当たって欲しかった……


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 結局、適性検査は2名追加で、5人分を検査するはめに……


 男「教頭先生、1人香織と言う女性が適性検査に適合しました」


 教「なんだと!?」

 いや落ち着け、まだ策は2つもある。

先ずは彼等の所に行って話をしよう。





 教「ん、んー 皆さん、残念ながら、皆さんは適性検査に受からなかったようです……」


 ラ「うそー? 僕、駄目だったの? 嘘だよね?」


 教「残念ながら……」


 ガ「ちょっと待って……」


 ガルと言う青年が、何やらバックからガサガサ何かを探している……取り出したのは、大きな唇の形をした……ステッカー?


 教「な、何だねそれは……って何故 私の胸にくっつける……」


 ガ「まぁまぁ……で、適性検査はなんでしたっけ?」


 教「だから、先程も言った……」

 唇「香織って女性が1名 可念盤を扱えるんだけど、嘘付いちゃったよー」


 教「な、何を……」

 唇「この唇私が思ってる事、勝手に喋ってる~?!」


 焦り、思わず手で、上の口を押さえる教頭。


 ガ「で、可念盤 香織ちゃんが使えるの?」


 唇「びっくりしたよ~まさか適性検査パスするなんて……だけど、カスタマイズには 多額の費用が掛かるんだよなぁ」

 教「と言うわけで、諦めてくれないか?」

 唇「まさか、お金が有るなんて言わないよな?ってこの喋る唇は いったいなんなんだぁ!」


 ガ「これは、カーズが作った『おしゃべり心臓』というマジックアイテムだ、便利だろ?」


 教「…………」

 唇「使う側は良いかも知れんが、僕には使うなぁ!」

 

 ガ「これだけあれば充分か?」

 5キロの金の棒を出すガル……


 唇「なんで都合よく、そんな大金持ってるんだぁ! そうか、これは偽物だな?」

 ペタペタと触り引っ掻く。

 唇「これは、本物だな……これだけ有ればカスタマイズも余裕だ。だけど唇よ余計な事は言わないでくれ~! なんでこんな唇が剥がせないんだぁ」

 先程から教頭は唇のステッカーを かきむしっいるが全く剥がれない。


 ガ「これ以上は可哀想だな」


 ラ「剥がすとしますか」


 唇のステッカーを剥がすランディ。


「わかりました、君達を二年次のCクラスに、特別編入を認める……だから……だからもう、あれは止めてくれ……」


 さすがに教頭先生が 可哀想だと思った、香織であった。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 男「出来ましたよ、これが貴女専用の可念盤です」


 香「これが、私の可念盤……」


 男「スペックは今から説明しますが、使いこなせるかどうかは、貴女次第です」


 香「うん、頑張る」


 男「これは、第二世代形可念盤

 名を〈ミセリコルデ〉

 特殊能力 "闇衣" 自分の姿、気配、音を消せるようです、暗殺者向きですね。

 超特殊能力 "スペルストッカー" どなたかの魔法を最大6個分ストック出来るようですが、魔法なんて都合よく有るんですかね?」


 ガルと香織が ランディを見る。


 ガ「いや、まさかな、マジックユーザーの呪文と違って クレリックの呪文はストックが難しいんだよ」


 ラ「まっ試してみようよ ガル」


 10cm×5cm サイズの水晶板を握りしめ、香織が喋り出す。

 香「発動(インヴォーク) 顕現(けんげん)せよ"スペルストッカー"!」


 香織の可念盤の上に 数字の書いてある 5cm四方の6個のキューブが出現した。


 1と2のキューブば白色で、3~6のキューブは灰色である。


 ガ「ランディ」


 ラ「ああっ」「第1レベル呪文……マジックストーン」と唱え 1のキューブに触れる……

 すると、呪文は発動せずに、キューブの色が赤色に、変わった。


 ガ「ま、まさか……ら、ランディ……もう1個 もいこう」


 ガルは珍しく狼狽えているが、オヤジギャグは忘れない。


 ラ「第1レベル呪文……リカバー」2のキューブに触れる……


 色は変わらない……


 ラ「第2レベル呪文……ストライキング」2のキューブに触れる……


 色が赤色に変色した。

 ガルは「ちょっとマジックストーン出せるかい?」


 少し考えて香織は頷く。

「開放 ボックス1」

 ゴトゴト、ゴトゴト。



 ガルが驚愕する。

 ガ「完全に俺達の世界魔法専用じゃないか?

 しかも今みた限り、最大で第6レベル呪文まで入るってことだぞ。それより、ランディの魔法が劣化していないだと?! 有り得ない! もし、この可念盤が誰にでも扱えるならば…………500万ゴールドはするぞ……」


 香「500万ゴールドって?」

 香織はガルに質問する


 ガ「日本円で5000億円くらいだ……」


 香「ごっ えっ……ごっ?」

 可念盤を落としそうになる。


 ガ「まぁ香織ちゃん専用みたいだし価値は100分の1くらいだよ……それにしても、教頭にはしっかりとした御礼をしなければならないな…………そこの、さっきからおとなしい里美だっけ?教頭にエッチな奉仕でもしてあげて」


 真「だめです」

 里「嫌です」


 ガ「じゃ 香織ちゃんお願い」


 ラ「駄目……」

 香「嫌よ……」


 ガ「なに?なんか二組ほどカップル成立してないか? お前達リア充? ……仕方ないランディ、俺たちで考えるぞ……何かエロ以外で教頭の好きそうな物をさがせ」


 真「教頭先生はお酒が好きだと思います。僕達それを台無しにしちゃって……」


 ガ「よし、わかった。先ずはその線で行こう」



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 再び教頭視点


 僕の所に異世界5人衆が やってきた、なんだなんだ? 今度はどんな無茶ぶりをしてくるのだ?

 ついつい構えてしまう。


 ガ「教頭、あの可念盤は 想像以上の物だった。

 色々礼がいたいのだが、先ず1つ目 受け取ってくれるか?」


 なんだか急に気持ち悪いが、話は聞いてみよう……

 教「な、なんだね、1つ目とは?」


 ガルと言う一番厄介な男が、袋から何か取り出す…………こ、これは……


 私が持っていた最高級のお酒……その超希少バージョンじゃないか……その名も『ナポレオン21世 L・O・V・E』ではないか……


 ガルは続いて話し出す「これを受け取ってくれるか」


 教「い、良いのか? 本当に、良いのか?こんな貴重な品を私にくれると言うのか?」

 僕は興奮している、まるで藁しべ長者みたいだ。


 ガ「次、真!」


 真「はいっ! 散水」


 トクトクトク……

 大きめのボトルに注がれる水


 ガ「教頭、味見を……」


 教「ん?あぁ コクコク…… な、なんと……こんな、おいしい水は初めだ」


 ガ「次、ランディ!」


 ラ「おう!」


 最高級の酒に、最高の水、さらに次があるだと? き、期待してしまうじゃないか……


 ランディと言う男は 巨大な水槽を持ってきた。

「いったいどこでそんなものを。」


「学院に有ったので、コピーさせて貰いました」


「……はあ?」

 いや、もう、彼等に対して驚くな……寿命が縮んでしまう。


 そこで、香織は心の中で、ランディに突っ込みを入れた(簡単にコピーって言ったけど、見つけた水槽いきなり 破壊して、修復して、第3レベルの『クリエイトアイテム』使ったのよね……失敗したらどうするつもりだったのかしら……)



「ランディ、出来るのか?」


「ああ、たぶんね……」

「第1レベル呪文……クリエイトウォーター」


 水槽いっぱいに水が出現した。

 なんだ、水ではないか……

 僕は、少なからず落胆してしまった。

 だが、彼は楽しそうに語る。


「この水は -10℃で出来ています……」


 そんな馬鹿な……そんな事があるものかっ!


 ランディは続けて語る「この水は氷になるきっかけを貰えませんでした。

 さあ教頭先生、ここに、一本の串が有ります

 貴方がきっかけを与えて下さい、さあ!」


 ランディから串を1本貰う……水槽の水に串を刺す……


 ピキピキピキピキ…………串を中心に水が どんどん氷に成っていく…… そんな事があるのか……


 呆然と見ている僕に、ランディ君が なにかを私に差し出した。

 これは、アイスピックだ。


 ラ「さあ、氷の量だけ異常に多いけど、一杯やって下さい」


 教「あぁ、ありがとう ガル君、真君、ランディ君」


 大きな不幸の後に、もっと大きな幸せが舞い降りた気分だ……

 

 美味しく頂くとしようじゃないか、僕は水槽にアイスピックを突き立てた。


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