12#地下迷宮 攻略
中二病 5人組 強さ ランキング。
一位 ブライアン
二位 マーニャ
三位 ユリウス
四位 シャルロット
五位 真
【異世界生活 8日目】
ブライアン視点
オレ達は地下迷宮の入口まで来ていた。
地下迷宮に入るに渡り、松明係2名 マッピング係1名 を確保した。
松明係 後衛のシャル。
松明係 前衛はオレ 。
マッピング係 後衛のマーニャ 。
索敵係 前衛のユリウス。
といった布陣にした。
地下迷宮は真っ暗ではないが、かなり暗いと聞いたので、松明係を2名用意してみた。
間違ってないよね?
地下迷宮一階は まるっきりの迷路だった。
これ 創ったやつ意地悪だなあ。
モンスターは『肉食ラット』『ジャイアントバット』『野犬』の三種類だ。
肉食ラットと野犬については 数が多いだけで全く問題の無い雑魚だったが、ジャイアントバットは 苦戦した。
オレとシャルの 攻撃が全く当たらなかった。
ユリウスの弓矢なら仕留める事が出来るのだが、狙うのに時間がかかるようだ。
マーニャの攻撃魔法も命中するが、地下迷宮で火系統の魔法を 連発するのは、気が引ける。
マーニャに 控え目にと合図したら、オレの言いたい事が判ったのか、「そうだね」と簡単に納得してくれた。
一応 空気は流れている様なので、心配いらないとは思うが、一酸化炭素中毒が気になるからね。
地下二階へ降りれる 階段を見つけた。
初日だし、ここまでにしよう。
俺達は 地下迷宮を脱出して、明日に備えた。
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村に戻った。
特に収穫は無いと、 村長やアーデルに伝えた。
その後はシャルが、「私、松明持ってただけだよ」
と 自分の影の薄さを 面白可笑しく説明していた。
仲が良いな。
何度も言うが オレは毎日が充実している。
シャルはまだわからないが、 ユリウスとマーニャも この世界に来て 幸せとか 言っていた。
日本にも 未練が全く無いようだ。
今度、シャルや アーデルにでも聞いてみよう。
こうして異世界8日目は終わった。
【異世界生活 9日目】
迷路の道さえわかっていれば、地下二階に続く階段まで、一時間もかからない。
マッピングの大切さを思い知るオレ。
地下二階は 『スケルトン』『ゾンビ』のアンデットモンスターの 巣窟だった。
マーニャとシャルが 嫌な顔をしてる。
今度はユリウスの弓矢が 役に立たない、スケルトンには、ほとんど当てる場所が無いし、 ゾンビも 命中はするが、効いている気配が無い。
ユリウスには松明を持ってもらい、オレがスケルトンとゾンビを バッタバッタと壊しまくる。
数が多すぎて、手こずる事もあるが、オイシイところで、マーニャの魔法のサポートが来る。
アンデットモンスターもこの程度だと、シャルの出番は無いな、 アーデルに土産話を作れなくてゴメンな。
時間はだいぶ経過したが、地下三階に続く階段を見つけた。
時間はまだ余裕がある。
地下三階を少し調べて、帰るとしようか。
地下三階は、巨大昆虫の巣窟だった。
『ジャイアントアント』『ジャイアントスパイダー』
『ジャイアントクローラー』が主な相手だ。
今回 初めてオレとユリウスが軽い怪我をしたが、シャルの『小回復』があるので 問題ない。
今日はここまでにしよう。
村に帰ると 村長ね家に おばば がいた。
おばば と話をしていたら、ジャイアントクローラーは、金属や貴重品等を食べて 腹に溜める性質が有ると聞いた。
もっと早く話して欲しかったよ……。
シャルとアーデルが話している、アーデルが羨ましそうに、シャルの話を聞いていた。
やはり、アーデルも冒険に行きたいのだろう、しかしこの村の水不足は 深刻だ。
アーデルのお陰で何とかなっているみたいだ。
アーデルも毎日 魔力が枯渇するまで頑張っている。
水門の開放又は、大雨でも降るとかしないと、アーデルの仕事は、続くだろう。
地下迷宮 攻略は 俺達に任せろ アーデル。
【異世界生活 10日目】
地下迷宮も 三階までは粗方 調べて終わった。
おばば の言った通り、クローラーからは、銀や銅、稀に金まで 出てきた。
ついでに、地下四階へ続く階段も見つけた。
このままジャイアントクローラー狩りをするか、地下四階に降りるか 迷ったが、 金属集めをする事に決めた。
暫くジャイアントクローラーを 狩り続け、金属を回収してから 村に戻った。
村長の 家に着き、初の収穫にオレ達は湧いた。
もっといっぱい集めるね、 とシャルもマーニャも 意気込みをみせていた。
この頃になってようやく、オレ達5人は 元通りになってきた気がした。
このまま 貴重品を集めて、アーデルに暇が出来たら、街にでも行って皆で色々買い物をするのも良いな。
オレ達の未来は明るい気がする。
アーデルも 『散水』が40回以上出せるようになったと 本人から聞いた。
アーデルも、どうやら吹っ切れたようだ。
明日は地下四階でも 探検しようと1人 意気込む。
こうして 夜が更けていき、 運命の11日目を迎える事になる。
【異世界生活 11日目】
今日は何故か、アーデルが村の出入口まで、見送りに来てくれた。
「ブライが強いのは 判ったけど、気をつけて」
マーニャも「ブライは私が見てるから大丈夫、お宝も山分けだから心配しないの」
と言っている。
あんなに「真は、真は」とバカにしてたのに、態度が変わってきた。
昨晩は、桶をまるごと ああためてもらい、体を拭けたからだろうか?
アーデルの大切さを実感したに違いない。
道行くモンスターを薙ぎ倒し、 地下四階に降りる階段までたどり着いた。
地下四階は明るかった。まぶしい訳では無いが、
何故ここまで明るいか 説明出来ない。
ここのモンスターは 武装した『スケルトン』
三階のとは 明らかに違う『ジャイアントスパイダー』の混成部隊だ。
まず、ジャイアントスパイダーが後ろから
粘着性の糸を 吐き飛ばす、動きが鈍くなった所で、スケルトンが攻撃、このコンビネーションには、随分 手こずった。
しかし戦いに少し慣れ、マーニャが『火盾』で糸を防ぎ、その隙間からユリウスが弓でジャイアントスパイダーを倒せる様になってからは、戦いが楽になっていった。
糸の援護さえ無ければ、ちょっと強いスケルトン……
2対1でも倒せる。
武装したスケルトンの近くには、必ず小箱がおいてあった。
中には 価値はあんまり解らないが、高価そうな装飾品、コイン 、宝石まであった。
このまま、1日中狩り続ければ、2~3日位で お金持ちになれそうだ。
アーデルの土産話が出来た事に喜ぶオレ。
ふと、アーデルの「気を付けて」の言葉が頭に浮かぶ。
そうだ、まだ浮かれてる場合じゃない。
気を引き締めて進もう。
いくつかの部屋を探索したオレ達に
いつもより頑丈そうな、扉を見付けた。
ドキドキしながら扉を開ける。
そこには2mを超えた、武装スケルトンが2体立ちはだかっていた。
ユリウスが「でかい」とだけ言う。
今までとは違うかもしれない。
マーニャが部屋の奥にある、ある物に気付く。
あれ……宝箱?
今まで見付けていた小箱とは違う。
大きさは 倍くらい 造りも金で出来ていている様だ。
「皆、気を引き締めて 確実に倒そう。オレは右、皆は左のスケルトンを頼む」
と言って スケルトンに駆け込む。
戦闘開始だ。
マーニャは『火弾』を撃った。
スケルトンは『ファイヤースケルトン』になり、マーニャに襲いかかった。
この先も気になるが、そんな余裕は無い。
スケルトンと剣を打ち合う。
強い…… 今までのスケルトンとは力が違う。
まるで森にいた熊に、剣を持たせたようだ。
一撃が重過ぎて反撃が出来ない。
しかし、スケルトンの攻撃が単調である事に気付き、形勢が変わった。
三回攻撃を受けきり、一回攻撃を与える。
そんな動作を10回ほど繰り返した時、スケルトンは崩れ落ちていった。
ユリウス達は……
相変わらずスケルトンが燃え盛り、ユリウス、マーニャに攻撃を仕掛けている。
たまに攻撃がかすってる様だが、シャルが上手く回復
してあげてるみたいだ。
スケルトンの動きが鈍い……マーニャの『火弾』は効いているのかもしれない。
とうとう ユリウスの弓矢がスケルトンの頭に突き刺さり、頭が割れて、崩れ落ちた。
マーニャが「やったぁ!」
ユリウスも「よし!スケルトン初撃破!」
とかなり喜んでいる。
そして、金の宝箱の前に皆集まった。
「何が入っているか、緊張するね」ユリウスが呟く。
「う、うん」シャルが相づちを打つ。
「はやく、早く中見ようよ」
急かすのはマーニャ。
箱を開けるユリウス、箱の中が光っている。
中には、量はすくないが、金塊、宝石が入っていた。
「うわ~ すご~い」マーニャがうっとりしてる。
しかし、宝箱の中身も外側も光っているなんて凄な…………えっ? 外側?!
宝箱自体が光ってるのか?あれっ?
なんか 床も 光っていないか?
辺りを見回す。確かに床も光っているが、床の光は文字や記号の形をして円形に広がっている。
魔方陣だ……
オレはあわてて「皆、何かおかしい!」
オレの声で、皆も気付いたようだ。
「なに?これ?」シャルが少し恐がってる。
光が急に部屋全体に広がっていく。
オレは目が眩んだ。
光が消え失せ、目が見えるようになってきたが、先程の部屋では無く、オレ達は 大広間の真ん中にいた。
空間の広さは 測っていないが、縦と横100m位で、高さは10mほど在ろうかという巨大空間だった。
マーニャが「転移の魔方陣ね、罠だったの?」
ユリウスが「まだ解らないよ、宝箱もあるし」
シャルか「ねぇ、見て……」と脅えている。
そう、いつの間にかオレ達は 10体もの武装スケルトンに囲まれていた。
しかも 今度は大きさも 3mはあるだろう 巨大なスケルトンだった。
2m級 2体で、あんなに手こずったのに、
3m級 が10体…… オレは戦慄が走った。




