リナリアとアイナメ
…と愚痴はここまで。
すいれんてなんかやってると思ってたけど柔道かー。
「それでお前は?」
「うーんどうしようかな」
おじいちゃんにしごかれてたから運動神経には自信がある。
身長がハンデにならないスポーツなら…
あぁ、身長の心配する自分が嫌だ。
でも早く身長伸びないかなあ。
でも今まで縁のなかった文化部もいいかもしれない。
手先は器用なほうだし、山に籠って自給自足してたら料理屋らお裁縫までできるようになってしまった…。
まぁ、嫌いじゃないからいいんだけど。
う~ん。
なんか、何をやってもそれなりにこなせそうな気がする。
僕って昔から要領がいいんだ。
ただ、これといったものがないんだよね。
あんた器用貧乏だからね~とかお姉ちゃんに言われたことがあるし。
「何か気になったところはなかったのか?」
「うーん…今日の部活説明会のこと?」
どのクラブも趣向を凝らしてたから見てて面白かったんだ。
………そういえば
「一つ気になってるとこあるんだけど」
「どこだ?」
「……芍薬ミステリー研究会」
「……」
「…いやその僕って、特異体質というかなんというか。
だから不思議なことに興味があったり」
「………」
すいれんの細い目が僕をじーっと見つめている。
なんか心の奥まで覗き込んでるようで…僕は正直に白状した。
「………ごめん、あの先輩が気になってます」