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ゆっくり達の基礎から始める小説講座!  作者: 面沢銀
第一章 基礎の基礎からとりあえず書いてみるまで
8/63

第八回『主人公を考えよう パターン編』

 さん



 にぃ



 いち







挿絵(By みてみん)





面「こんにちは、講師の面沢銀です」


サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。さぁ、今回は主人公を作っちゃうよ!」


面「SFロボット物だったら、どんな主人公でも大丈夫だと思うけど。サヴァ子はどんな主人公にするつもりなんだい?」


サ「『敵はどこだ! 俺がぶっ殺してやる!』みたいな事を口走る主人公がいいです」


面「なんかザコっぽいなぁ……。さて、極端な分け方ではありますが主人公には二つのパターンがあります。一つはサヴァ子の言ったような『能動型』。もう一つは周りの意見を受け止める『受動型』ですね」


サ「つまるところ自分から動くタイプと、周りに流されて動くタイプという事ですかね。周りに流されるタイプが主人公とか読んでてイライラしそうですけど」


面「だけどサヴァ子、実は近年は『受動型』の主人公の方が多いんだ。むしろ『能動型』の主人公の方が少ない傾向にある」


サ「そうなんですか?」


面「時代の流行というのもあるから仕方がないんだけどね。例えば女の子がいっぱい出てきて優柔不断だったり、尋常じゃない鈍さの男が主人公だったとする。これはいわゆる受動型になるわけだ」


サ「なんつーか、心当たりがありすぎて複雑な気持ちになります」


面「これが自分から行動を起こす『能動型』だと、とんだヤリチン野郎(※1)が爆誕するケースが出てくるかもしれない」


サ「世のオタク達が死んじゃうじゃないですか!」


面「最近はそうでもない気がするけど(※2)そこらは僕の専門外だからノーコメント。ちなみに一昔前は『能動型』の主人公が多かった」


サ「それはどうしてですか?」


面「読者層の変化、というより読者層は変わっていな(・・・・・・・・・・)いけど読者層の質が変(・・・・・・・・・・)化した(・・・)と言った方がいいかな」


サ「なんだか難しい話になってきました」


面「ストレートに言うとオタクの質が変化したんだよ。今はネットがあるから家にいながら情報も物も手に入る。でも、昔は自分から行動しないと何も手に入らなかった。地方の人間はアニメ雑誌の文通で知り合った友達にハイポジのビデオテープと『シスプリ(※3)のダビングを頼む』みたいな手紙を送りつけていたんだ。好意的に解釈すれば自分で道を開拓していくというスタンスをアニメの熱血ヒーローや往年のジャンプ主人公に重ねていたんだね。だからそういった主人公の方が自己投影できて面白く感じていたんだ」


サ「なんとも罪作りな話だという気がしますね……。確かに今はバンダナに皮手袋といった剛の者は見ないかわりに小じゃれた人が多い気がします。自己投影という形では確かに『受動型』主人公じみた方が多いように見受けます」


面「つまりはそういう事だね。ちなみに小説の初心者は流行りは関係なくこの『受動型』の主人公の方が書き易いよ。その理由はまたいずれ説明します」


サ「あいかわらず小出しというか、引っ張る講座ですね」


面「人間が苦無く読める一つの項目の文章量は三千文字まで。だからいっぺんに長々と説明はしないよ。ちなみに今のマメな(※4)」


サ「ともかくサヴァ子は『能動型』の主人公にしようと思います」


面「余談が過ぎたけど、最初は難しく考えずに楽しく書いた方がいい。サヴァ子の性格を考えれば『能動型』の方が絶対にいいしね。それでは名前と年齢を決めようか」


サ「んー。じゃあ『コマンドー・桜庭』にします。年齢は二十五歳です」


面「なんだか『せっかくだから赤の扉を選びそうな名前』(※5)だな。まぁ、いいや。はい! 完成!」


サ「ええっ、もう!? これからコマンドー・桜庭についていろいろと考えていくんじゃないの!?」


面「そうだよ、だけどそれはコマンドー・桜庭だけに限ったことじゃないんだ」


サ「おおっ、どういう事だ!? そしてこの流れはッ!?」


面「そう、ご名答だね」



面サ「「次回までゆっくりしていってね!!」」


※1 性交渉にばかり頭がいき、複数の女性と関係を持つ事に対しての抵抗意識が欠如している人を指す。最近では柔道の元金メダリストが有名。フル勃起では無かった、だから何?


※2 自分の好きな女性やキャラクターに男性経験があると拒絶反応を起こす人は少なからずいます。過去の行いもその女性を形作った一部なんだから男としては受け入れる度量を持ってほしいところ。

ただ、アイドルが男性問題をスッパ抜かれるのは、夢を売るプロとしては問題だなと思う。


※3 突如として十人以上の妹の兄となるという頭のネジがぶっとんだ設定のゲーム。この発想が十年も前に産まれていたのだから日本は始まりすぎである。


※4 マメ知識の略。一回、使ってみたかった言葉。


※5 伝説のクソゲー、デスクリムゾンの主人公『コンバット・越前』の名台詞。ちなみに赤の扉を選ぶと言っているが、ゲーム画面の二つの扉はどちらも赤である。

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