おまけ回『The Times They Are A-Changin'』
さん
にぃ
いち
「オッスオッスお前ら、待たせたなアッシュだ。
今回はおまけとして公募で集めた質問に答えようと思う。
ちなみに集まった質問は四通だ、面沢の交友関係の狭さが伺えるな。それでは早速一通目のお便りから。
比喩表現全般が上手くなるような方法はありますか?
最初に比喩表現についての説明だな、比喩表現ってのは単純に説明するなら「まるで~~のようだ」というような感じの表現だな。これは表現だから実際にそうじゃなくて例えだからなという事だ。
単純なところで例をあげるなら「まるで熊のような大男だった」みたいな感じ、熊じゃなくて熊みたいにデカイ人間って事が表現されてるな。
上手くなる方法ってなると、日常的に既存の物を別な物を使って表現するとかならある。
例えばドーナツを「浮き輪を小さくした砂糖の塊みたいなパン」ってな感じだな、表現もそうだが、言い回しでキャラクターの性格を描写できるようになると上手い使い方って感じになるのか?
上手い下手はよくわからんが、慣れてくれば『~~のようだ』とか使わなくても表現できるようになる。
例:鏡で自分の顔を見て吸血鬼にでもなったのではと錯覚する、白い肌に痩けた頬、そして酷く充血した目。日が昇る前に出社して、日が沈んでから帰るような生活をしていたら、例え夜に寝れたとしてもそんな見た目になる。
こう表現すればいちいち例えである的な表記をしなくても、主人公が酷い勤怠状況で激務をこなしている事がわかるな。
使いこなせれば上手な文章に見えるし、表現力が豊富なのは高い実力の証明でもあるけど、使いすぎると文章がクドくなってしまうから注意して使おうな。
では次のお便り「最近はわりとルビが自由なのですがどう使えばいいのか」だな。
こればっかりは人によってしまうし、作風やセンスにもよるな。
最近のはやりだと「黒死蝶」みたいに「この漢字表記からどうしてこの横文字?」ってのも少なくないからな。
良くも悪くも、時代が変わってきたのだろうと思うし。矛盾してるようだけど、昔と変わらないなとも思う。
個人的には最初から横文字でいいじゃないか、と思うけどな。
堕天軍の将校、血風のイグゼ・バイデオス
こんな事するくらいなら読み難いから、最初から横文字にして欲しいと感じる、でも最近はわりとあるから困る。
難しい漢字を使ったときや、あまり使わない表現を使用したときは勿論、あった方が親切だな。
「鏖」みたいな馴染みのない漢字はそもそも使うなよとも思うけど、これも演出で必要になったりするから臨機応変でよいと思うが。
あとは読み方が複数あるような人名や、特殊な読みの名前には当然あった方がいいと思ってるぞ。
次のお便りにいくぞ「三人称視点のときにキャラクターの心情を書きたい場合ってどうすればいいの?」
これは質問が難しいな……。別に普通に表現すればいいんじゃないかな?
太郎の視界に不意に花子が入り、途端に太郎の体温は上昇し、心臓の鼓動は高まった。
これまでは普通に花子と接していたはずなのにどうしてなのだと、太郎の頭にもやがかかるように疑問符が立ち上がり、すぐにその解答として恋ではないのかと浮かんだが。
その霞かかった考えを払うようにブンブンと大げさに首を振り、自身の感情から目を背けるかのよう隣の席に座る武の方を向いて花子が目に映らないようにした。
こういうので良いのだよね?
こういうので良いのだったら、太郎という一人称は既に出ているのだから例文のように主語の太郎はできるだけ少なくした方が良いよ。
太郎は~~、太郎は~~って表現が続くと「知ってるから!」ってなるからね。
それでは名残惜しいが最後の質問だ「~は言った。みたいな感じに書いてしまうのですが、これは書き方としては大丈夫なのでしょうか?」と「接続詞の正しい使い方」だな。
別に悪くはないけれど、これが続くのは少し印象がよろしくない。
とはいえ、高等技術においてずっと「言った」とあえて使い続けて「証言した」と嘘をついているときだけ表現を変えて読者に推理のヒントを提示する推理小説もあったりする。
これは文章だからこそできる特有の遊び心だな。
どうしても気になるのなら「言う」を類語辞書で引いてみて、状況によって使い分ける事から始めるといいんじゃないかな。
慣れてくればテンポにもよるけど。
彼女は「おうどん食べたい」と言い「それも良いな」と返した。
と、一文の中で会話を完結させたり、わざわざ会話の文章にしなくても。
おうどん食べたいというのが彼女の提案で、異論を挟む必要もないので頷いた。
とそもそも言うという表現を使わなくても会話話を進める事ができます。
文末の表現に関しては五十回、五十一回を見直してくれると嬉しいです。
接続詞の話だけど、上手く使うという意識を持ちすぎるとかえって使うのに混乱するかもしれません。
太宰治とかあの辺の古典文学を読んでみると、あの辺りはそれらを丁寧に描写しているので例として参考になるかと思います。
投げやりで申し訳ないですが四十一回とあわせて読んでいただけると、おぼろげに形がみえてくるかと思います。
さて、この辺かな六十回もつきあってくれてサンキューな!
それじゃ、アバヨ。縁があったらまたな!!
THE END
某墓所
面「久しぶりだね、最近少し良い事があったよ」
面「……また来る」
THE END ?
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