第六回『世界観を考えよう』
さん
にぃ
いち
面「こんにちは、講師の面沢銀です」
サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。今回はいよいよ世界観を作るんですね! やってやんよ!」
面「頑張るのはいいけど、そのテンションだと今まで説明したような事態になりかねない。設定や世界観を考えるときはその場の勢いで決めるとろくな事にならないんだ」
サ「でも、思い立ったが吉日それ以外は全て凶日ともいいますよ?」
面「そうだね、もちろん勢いも大切だと思う。でも初心者は激流に身を身を任せても同化できずに『どうかしている!』って事になりかねない。(※1)
サ「グロロロー! じゃあどうしたらいいんですか!」
面「まずは大まかな事、例えば物語の背景であったり、主人公の設定だけを考えるといいよ。たとえば199X年に核の炎に包まれているとか、主人公は胸に七つの傷を持っているとかくらい」
サ「それだけでいいんですか? サヴァ子はもっといけるぜ、その設定なら特にな。主人公は三人の兄がいて、長男は人を呼ぶときに『うぬ』とか言っちゃう」
面「ほら、サヴァ子。設定が加速してきただろう? それをやりすぎるとどうなるんだっけ?」
サ「エターナる。ありゃ、いつのまに!」
面「おそらく何かに憧れるとなると長編作品という事が多いと思うんだ。でもそれは大多数の作品が初期の設定から増える事になる。つまり新しい設定が加わる余裕が必要になるんだ」
サ「なるほど、前々から設定が固まっていたらあの主人公が『何本目に死ぬかな~?』とか言われながら七つの傷をつけられるという情け無い展開じゃなくて、もっとドラマチックな理由だったでしょうしね!」
面「だから熱を持っている時はアイデアだけを書き出しておいて、落ち着いてからその書き出した物を捨拾選択するといいよ」
サ「でも、せっかくのアイディアを捨てるのも勿体無いです」
面「別に寝かせておいてもいいし、計画を持って話の進みから拾っていってもいい。でも、初心者は最初はそこまで考えて書かなければならない長編は避けて短編にするといい。一回でもエターナると『才能が無い』『小説を書くのは難しい』と思いかねないからね。初心者はまず短くてもいいから完成させるという事を重点的に考えよう」
サ「なるほど、確かに完成しないのは寂しいですからね」
面「完成にばかり気をとられてもいけないのだけどね、とにかく肩の力を抜いて大まかなアイディアを出していこう。ほら、サヴァ子。リラックスして」
サ「すごくりらっくすしたー」
面「溶けてるじゃないか!」
サ「おおあいでぃあどんどんでてくる……」
面「アイディア以外のものも出てそうだけど、大丈夫か?」
サ「だいじょぶだいじょぶー、じかいはごしゅじんさヴぁこのあいでぃあをまとめるのてつだってくださいー」
面「わ、わかった。それまでにシャキッとしてくれよ」
面サ「それでは、次回までゆっくりしていってね!」
※1 「激流に身を任せ同化するのだ」かの有名な北斗の拳の登場人物、トキの台詞。格闘ゲームではこの台詞をつぶやきながら病人とは思えない動きで対戦者をバスケする。命は投げ捨てるもの、テーレッテー。