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ゆっくり達の基礎から始める小説講座!  作者: 面沢銀
最終章 小説家達にサヨナラを
59/63

最終回『君が受け取るありがとう、君が伝えるありがとう』


面「サヴァ子、お前はいったい何をやってるんだ!!」


サ「うるせぇ!! むしろお前は一体今ま(・・・・・・・・・・)で何をやってたんだ(・・・・・・・・・)!!」


面「何を言ってるんだ、とうとうイカれたのか!」


サ「とりあえず殴った事はあやまります、皆さんごめんなさい」


ク「聞いてた以上にロックだな、むしろ聞いてたより異常か……」


サ「とりあえず事情はわかってます、それで全員に言いたいんですけど。アンタ達は馬鹿ですか!!」


面ク?「えっ?」


サ「まずはご主人ですよ。私が受けた授業はその先生からの受け売りなんですね。それはいいです、素晴らしい考えだと思いますし、サヴァ子はご主人から最初に『楽しむ』って事を教われて本当によかったと思ってます。でも、それって書く事だけの楽しむ(・・・・・・・・・)ですよね? サヴァ子は今までそこに読む事(・・・)も入っていると思いました」


面「…………」


サ「次にクロウリーさん。どうもこんにちは、初めましてサヴァ子です」


ク「え? あ? これはご丁寧にどうも。……何か腑に落ちん」


サ「さすがアッシュさんのお兄さんだけあって挨拶がちゃんとしてますね。意地になって流行りの物しか書かない読まない集めないって何ですか!? いや、ただの一ファンなら何も言わないですけど、過去の出来事を言い訳にしてその事を正当化してるだけじゃないですか。不況のせいで働けないっていってるニートと変わらない理屈ですよ。出来ないなら出来ない、しないならしないでいいですけど、いちいち屁理屈こねて正当化しないでくださいよ! 周りが重く感じるんですよ、それで自分はダークヒーロー気取りでっしょうちゃんちゃらおかしいですよ、可哀想とでも思ってほしいんですかあなたは!」


ク「…………」


サ「それと最後に先生ですよ。そりゃ長く続ければ疲れる事もあるでしょう。責任に押しつぶされる事もあるでしょう。でも、それで受け取る方も自由だからって。それで全部受け止めるとか阿呆ですか? 受ける自由とやらで書く自由を尊重しないでどうするんですか。そんなの責任の取り方じゃないです、逃げ口上を正当化させてるだけ。いいえ、正当化したと勝手に思い込んでるだけです!!」


面「サヴァ子お前!!」


?「面沢君、いいのよ。もっともだと思うから。それでサヴァ子ちゃんは何が言いたいの?」


サ「はぁつ!? そんなの決まってるじゃないですか。元はあなたが言い出したんでしょう。『楽しめ(・・・)』って」


?「そうね。でも、サヴァ子ちゃん。私は疲れちゃったのよ。書く事と、それを取り巻く環境に。書くって事は、書く事だけじゃなく、何かを一から産み出すって事は疲れるの。まだ、あなたはわからないでしょうけどね」


サ「そうでしょう、サヴァ子なんて書く前から疲労困憊ですよ」


ア「それもどうなの!?」


サ「でも、ご主人が言ってましたよ。でも、完成させたその先があるって。それを味わいたいからやれるんだって、だったら疲れるのは当然じゃないですか」


ア(わぁ……前から思ってたけど……この子は馬鹿なんだ……。……でも)


?「そうね、それも知ってるわ。でも、その結果があの事件よ。それさえも私」


サ「先生の意見は聞いちゃいないんですよ、ご主人はどうなんですか、クロウリーさんは、アッシュさんは?」


面クア「「「えっ?」」」


サ「先生の考えだとか、責任だとか何だとか。証明するとかしないとか、そんな事なんてクソほどどうでもいいんですよ。そりゃ当時はごちゃごちゃしてて大変だったでしょうけどさ。勝手にスネて、勝手に意地張って、そんな事よりも、アンタ達はこうなる前に先生に言うべき事があったんじゃないですか!?」


面クア「…………」


?「あのねサヴァ子ちゃん、そういうのじゃなくってね」


面「僕は……俺は……俺は先生の作品が好きです、だから先生みたいに書いてみたいと思って先生に教わって。書く事は楽しいです。それで反応がいい奴をってあの時は思ってたけど、でも根本は先生の独創的な作品が好きだったんです。先生の作品を読むのが楽しかったんです。俺、先生の作品がまた読みたいです」


ク「俺もです……今はこういう時代の流れだから前みたいにおかしく言われる事もないからって、打算的に話てたけど。俺だって単純に先生の作品が読みたいです。書く場所を用意して、だからずっと待ってて」


ア「私もです。書くって事がわからなくてずっと読んでばかりでしたけど……。文章は読むのも楽しいですけど、やっぱりり書くのも楽しい。この前、そこのサヴァ子に教えててそう思いました。書いて、読んでもらえる。それが一つのセットになって小説だと思うんです。それで完成です。私も先生の作品をまた完成させたいです」


?「…………」


サ「流行りの作品でもニッチな作品でもいいじゃないですか、どんな評価でもいいじゃないですか。書いて楽しい、読んで楽しい。しかも、自分の作品を待ってくれてる人がいる。これ以上に書く理由なんてないじゃないですか。『楽しむ』でしょ。それもあなたが教えた事じゃないですか」


?「……そうだったわね。あなたは教え子である以前に私の読者だったのだものね」


サ「本当ですよ、教えた人が、書いた人が忘れてたんだから世話がないです。ご主人達もご主人達ですよ。読者が最初に言うべき事は事実の有無だとか責任とか考え方とかじゃなくて、また読みたいっていう素直の気持ちだったでしょうに」


?「すぐにはできないかもしれないけど、また書いてみるわ。あなた達が楽しめるような物を……勿論……私も楽しんで」


面ク「「先生!! ありがとうございます!!」」


?「こちらこそ……読んでくれて、読者でいてくれてありがとう」


サ「書くだけじゃない、読むだけじゃない。これが書いた先にある事なんですね。……サヴァ子もいつか味わってみたいものです」


ア(この子は馬鹿だけど……すごく純粋なんだ……いつからかな、余計な事を考えてこういう剥き出しの感情を忘れちゃったのは……)


サ「雨降って地固まるですね。雨が長すぎましたよ、結果として最後の豪雨になったサヴァ子が言うのもアレですがね」


ア「サヴァ子」


サ「あ、アッシュさん。さっき言った通り、ブッ飛ばすのでちょっとこっちに来てください」


ア「純粋すぎやしねぇかオイ!?」






 ――――それから




 クロウリーさんは本国に帰り、自社の出版事業を続けているそうです。

 売れ筋だけでなく、新人の意欲的な作品も積極的に拾っては取り上げているとか。



 アッシュさんはクロウリーさんの出版事業で編集として働く傍ら、自分でも作品を書き出したそうです。

 ブランクもある事ですし、まずはアッシュさんのレベルをサヴァ子は目指せばよいのかと密かなライバル心を勝手にいだいてます。

 アッシュさんが知ったら「調子にのるな」と怒られそうですが。

 

 

 先生は桃野書子とペンネームを改めて作品を書いているそうです。

 ただ、やはり心理的にまだ少し負担があるという事で、書いた物は英訳されてまずクロウリーさん経由で海外で発表されるそうです。

 こっちでは変な噂が残ってるかもと考えると、その方がいいのかもしれません。

 クロウリーさんはそれを踏まえてという事なのでしょうか、いやはや流石です。



 サヴァ子はというと、教わった事を集約させて『ワイルド・ワイルド・ガールズ』という作品に取り掛かっています。

 両親を探す女の子、記憶を探す女の子、それに振り回される女の子という三人の何でも屋が繰り広げる宇宙冒険活劇です。

 しかし、やはり前途は多難ですね。長編というものがこんなに大変だったとは……まだまだサヴァ子にはわからない事が多いです。




 ご主人はというと……。

















 さん



 にぃ



 いち







挿絵(By みてみん)





面「こんにちは、講師の面沢銀です」


サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。前回はタイトルの付け方でしたが今回は何ですか?」


面「今回は似た性格のキャラクターの書き分け方の話をしようと思う」


サ「あ、語尾を特徴的にするんですね。『~~食塩水』みたいな」


面「え、食塩水が語尾なの!? そんなキャラは嫌すぎるだろ!!」





 そんなに変わっていません。


 でも、変わらず『続ける』事が『楽しむ』の次に大事だと言ってました。


 変わらないという事もまた難しい事なのかもしれませんね。



 それでは、サヴァ子は授業がありますので!!











 ゆっくり達の基礎から始める小説講座!





      THE END

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