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ゆっくり達の基礎から始める小説講座!  作者: 面沢銀
最終章 小説家達にサヨナラを
57/63

第五十七回『ゆっくり達の基礎から始めた小説講座(前編)』

※今更ですが、この作品はフィクションですので実在の団体とか人物などとは関係ありません。

面「ご無沙汰してます」


?「久しぶりだね面沢君、最近はどうしてるの?」


面「今から小説を書こうとしている人にいろいろと教えたりしてます」


?「あの面沢君がねぇ。フフッ、人って変わるものね」


面「そうですよ、ですから……」


?「ダメよ面沢君。何を言われても私はもう筆を取る気はないわ。前にも言ったけどね、私は疲れちゃったの」


面「――――――」


?「面沢君?」


面「――――それでも僕は。……俺は」













 さん



 にぃ



 いち








挿絵(By みてみん)






サ「いや、アッシュさん。ちょっと空気を読んでくださいよ、前回の引きもそうですけど、サヴァ子の電波が今までにないくらいシリアスな始まり方をしたって感じ取ってたんですから」


ア「あ!?」(威圧)


サ「屈しないですからね!」


ア「おっwwwおっwwwなかなか強いな、だが無意味だ(※1)」


サ「草(※2)を生やさないでください、何がどうなっているんですか今。ご主人が楽しめてないってどういう事ですか?」


ア「ちなみに小説を書くうえで草を生やしたり(威圧)とか(笑)とかは基本的に使わない。それを使うくらいなら、その様子をちゃんと描写できるように努力しような」


サ「いや、何を唐突に講座が始まってるんですか?」


ア「別に講座で回を使って触れるほどの内容でもないし、ここでな。っていうか草とか()表記って何なんだろうな? 別に普通の文章でも草は読みにくいし、うぜぇし。()表記もわからん。(笑)ってあれは自分が笑ってるって事なのか? それを伝えてどうしようってんだ、それともここで笑ってくれって事なのか? まぁ、そうだとしたら親切だよな、総じてそういう表現使ってる文章なんてクソ面白くもねぇもん」


サ「話を聞け、殴られないとわからないのか!!」


ア「わかったわかった、小説講座なんだから講座っぽい事を挟もうとしただけだよ。どうせ、もうあとは茶番回になるんだからいいじゃねぇかよ」


サ「ならはやく説明してください」




―――――◆◆◆◆―――――




ク「おあつらえ向きだな」


面「クロウリー、どうしてここに!」


ク「別に、ビジネスだよ。お前に振られたのだから、次の人をヘッドハンティングするだけだ。相手は俺達の先生(・・・・・・・・)だ。さすがに使いを出す気も、観光がてらに遊びに来いともいえないからな」


?「クロウリー君も元気そうね、アッシュちゃんから話は聞いてたけど実際に顔が見れてよかったわ。でも、話はお仕事の話なんでしょう?」


ク「そうですね、まずはビジネスの話をしましょうか」


面「クロウリー、君は!! 先生がどうして今みたいになったか知っていて!!」


ク「お前が言うなよ、昔のお前は今の俺よりもよっぽどエゲツない事してたし。俺も共犯と認めるが、先生を追い詰めたのは(・・・・・・・・・・)お前だろ(・・・・)?」




―――――◆◆◆◆―――――



サ「ええっ、昔のご主人ってこんな作品書いてたんですか!? 『俺の妹が異世界で魔王をしているんだが』『幼なじみがエロすぎて俺の学園生活がヤバイ』『最強の俺の築いた異世界ハーレム帝国』どれもこれも、なんというかその……アレですね。えっ、でもマジで!?」


ア「若気の至りってか何ていうかね。まぁ、ウチの兄貴も大概だけどさ。評価至上主義というか、商業的ってか、読んでくれる絶対数が多ければ良しって考えだったのよ」


サ「にわかには信じられませんが現物を見せられるとどうにも信じるしかありませんからね。で、それと今回の話がどう関係あるんですか?」


ア「君の先生がアイツであるように私達にも先生がいるのよæ–‡å—å先生って言うんだけどね。その先生の考え方が今のアイツに近かったのよ」


サ「よく聞き取れませんでしたけど、名前なんてどうでも良いですね。それで先生に触発されて今のご主人になったのですか?」


ア「半分ハズレで半分正解。最初は読まれなくても良い作品を書くっていう先生のスタンスにアイツは反発してたよ。『例え良くたって読まれない作品に意味なんてないし、価値だってない』ってね」


サ「今のご主人では考えられない発言ですね……」


ア「そんな時に事件が起きたのよ、先生が仕事でやっていた連載が盗作だって騒ぎになってしまってね」


サ「ありゃりゃ、でも実際は違うんですよね」


ア「そう、違う。先生は盗作なんてしてない。でもね、先生はその事を違うと否定しなかった(・・・・・・・・・・)


サ「そんな!? どうしてですか!!」




―――――◆◆◆◆―――――




?「ごめんネ、クロウリー君。せっかくだけど、以前と返事は変わらないし。あの時に言った通りよ。私は疲れてしまったの(・・・・・・・・・・)。好きな登場人物を描いて、好きにお話を創って、好きに世界を紡いでいく。でもね、それだけを続ける事はできないと知ってしまった。人の目が気になって、人の評価が気になって、人の感想に心を痛めて。可笑しいわよね、好きで始めた事なのにね。書く側が自由なように(・・・・・・・・・・)、受け取る側も自由(・・・・・・・・・)。その当然の不文律に疲れてしまったのよ」


面「だからって……あれは作品の方向性も流行りの展開で書いてと言われたから先生は書いたのに。誰も庇ってくれなくて……」


?「作品はね商品になる事もあるけれど、それ以前に書いた人がお腹を痛めた。いえ、頭を痛めた子なのよ。理由はどうあれ、その子がそういう風に評価されてしまったら。責任は作者がとらないと」


面「でも、あれはどう考えたって盗作なんかじゃ!」


?「さっきも言ったでしょう。受け取る側も自由なのよ。そう取られてしまったのなら、アレやコレやと言い訳をしても意味がないでしょう。そう取られてしまう作品を産んじゃったって事なんだから。産んだ作品を否定しちゃったらそれこそ作者失格よ」


ク「だけど、先生の作品はそういうようにも目が止まるほど幅広い読者を掴んだ。だとしたらその功績も評価されるべきでしょう」


?「クロウリー君、そういうのも全部含めて。私はね、疲れちゃったのよ」


ク「割り切って書くって事もできないんですか、趣味と仕事をわけるって事も可能でしょう?」


?「いいのよ、私にはあなた達に伝えた。基礎から始めたあなた(・・・・・・・・・・)()がここまで成長してくれたのだから」





―――――◆◆◆◆―――――




サ「………………」


ア「ん、どうしたサヴァ子?」


サ「ア゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ィィィィ!!!!」


ア「どうしちゃったんですか、サヴァ子さん!?」


サ「アッシュさん、その先生とやらの所へ案内してください! サヴァ子がブン殴ってやる!!」


ア「そんな精神常体の人を連れていけるか!」


サ「いいから!!」


ア「ひっ!?」


サ「い゛い゛がら゛!!!」


ア「は、はい」






続く!!

※1 仮面ライダーディケイドで使われた決め台詞。汎用性が高いのであちこちで見かける。オリジナルは「感動的だな、だが無意味だ」


※2 文章にwを連続して入力する事。一つだけだと(笑)の略称として使われるが、多い場合は嘲笑などに用いられる。筆者はこの表現が好きではない。

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