第四十八回『キャラクターの名前の重要性』
さん
にぃ
いち
面「こんにちは、講師の面沢銀です」
サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。今回は……あれ、赤ちゃんの名前の付け方辞典の話じゃないんですか?」
面「まぁ、それに並行してという話なんだけどね。サヴァ子は自分の名前の由来は知ってるかい?」
サ「興味のある事柄に対しては類まれない才能を発揮するというサヴァン症候群(※1)から取ってサヴァ子という名前です」
面「うん、非常にわかりやすいね。これを読んでいる皆さんにも自分の名前に何らかの由来があると思います」
サ「最近は語感とかで決めたりする親も多いらしいですけどね。変に漢字をあてがって読めない(※2)名前とか、これは実際にサヴァ子の友人の保育士から聞いた話なのですが『光宙』と書いてピカチュウと読むそうです。由来は一応あるようで、皆の人気者になるように願いがこめられたとか」
面「まぁ……実際の名付けに関しては時代の移ろいもあるから、僕の意見は控えさせておくけどね。話を戻すけどどんな名前にも意味がある。小説を書くにしても、もちろんそれは適応される。だから、類語辞書と違って必携というほどではないけど、名前の意味や方向性が書かれている赤ちゃん名付け辞典は重宝するんだ。さて、サヴァ子。こういった名前には何が付属するか覚えているかい?」
サ「ん? 覚えているかと聞くからには、教わった内容なわけですよね? あれ、何だろう。皆さんは覚えてます? ちょっと一緒に考えてみましょう」
面「思い出せたかい?」
サ「思い出しました! 視覚効果です! 名前の持つ印象がその物の印象に繋がるって話でした!」
面「その通り。例えば日本屈指の名財閥という設定のキャラクターとかなら「我修院」とか「九重坂」とか凄そうな苗字の方が説得力があるだろう。そういう事なんだ。得てして現実とは違ってフィクションである小説は主人公やヒロインといった役割にあわせて派手な名前を考えてあげる方が効果的なんだ」
サ「なるほど。個性的な名前であれば、名前を出されたタイミングで「ああ、あの作品のキャラね」ってなりますからね」
面「これには別の側面もあって、有名作品なんかの悪いキャラとかと名前が被ってしまうと現実に虐めにあってしまうかもしれないという問題も発生してしまう。こういった配慮も創作をする人間としては考えなければいけない事だよ。ちなみにギャルゲーなどの女の子に変わった名前が多いのは、例えばヒロインが「恵子」とかわりと聞く名前だった場合、ユーザーの母親とかと名前が被る可能性が高くなってちょっとアレだろ?」
サ「た、確かに……。メーカーさんはそういう細かい配慮もしてるんですね」
面「視覚効果もあるし、一挙両得だからね。でも、話を少し戻すけど以前に流行って映画やアニメにもなった『ぶっ殺し帳面』ってあっただろう」
サ「どの作品を意味するのかはわかりますが、その訳はどうなの?」
面「あの主人公は悪役だから、作家としては子供に影響が及ばぬように、わざと名前が被らないような当て字まで使ってキャラクターを考案したというのに、後追いで親がその名前と読みでつけたりする。なんとも首をかしげる話なんだよね」
サ「うーん、ご主人が言ったように世相を考える話ですね。悪い事とまでは言いませんが。ところでご主人の名前の由来は何なんですか?」
面「ああ、下の名前。両親がとある漫画の主人公からとったんだよ」
サ「お前も似たようなもんじゃねぇか!」
面「だから悪いとまでは言ってない」
サ「うーん、難しい話ですね。それだけ大事なファクターなのですね! ……その割にはご主人の書く作品には変わった名前のキャラって多くないですよね? 『U・N・オーエンの告白』の主人公の一人なんて田中大介って、なんかポピュラーな感じですし」
面「あれは現実感を出そうと思ってわざとやってる。概ね不評だよ」
サ「お前って奴は……」
面サ「「それでは次回までゆっくりしていってね!」」
※1 本文中に書いた通りの事、映画では「レインマン」などが有名。
※2 キラキラネーム、俗語ではDQNネームと呼ばれる。基準は曖昧だが、一般的な読み方では読めない物は間違いなくそういう。別に個人的には自分の子供でもないし、関係ないのでアルフレットだのランスロットだのつけようがどうでも良いのだが、別にカタカナでよくないか?と思う。




