第三十回『テーマを決めてみよう』
さん
にぃ
いち
面「こんにちは、講師の面沢銀です」
サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。なんとなくプロットの作り方はわかりました。あとは書き始める前に決めておいた事はありますか?」
面「以前のサヴァ子なら『さぁ、あとは書くだけだな! うおおお!!』ってなりそうな物なのだけど成長したね」
サ「さすがに一筋縄ではいかないって事はわかりましたんで。楽しむのが一番とはいえ、せっかく書くなら少しでもクゥオリティーの高い物にしたいですから」
面「それじゃ、基本中の基本の最後のステップ。テーマを考えようか」
サ「プロットの作成の一つにテーマに沿ったとか言ってましたね。テーマっていうならジャンプでいう『友情・努力・勝利』(※1)みたいなもんですか?」
面「そうだね、その作品を通じて何を伝えたいのか。これがハッキリしている作品はレベルがグッっとあがるね」
サ「でも、娯楽作品なら頭をカラッポにして楽しめる作品の方がいいんじゃないですか?」
面「おっと、僕の言葉が悪かったね。小説だろうが漫画だろうが、映画だろうが、そういう作品に関してはレベルが高い=面白いってわけではないよ」
サ「じゃあ、テーマのある意味は?」
面「面白いかはともかく、レベルが高い=評価が高いは間違い無いよ。例えば同じアクション映画で家族愛をテーマにしてるダイハード(※2)とコマンドー(※3)がある」
サ「この解説にはコマンドーがちょくちょく出てきますね……」
面「僕が好きなのだからしょうがない。テーマは同じでもダイハードは夫婦の確執や復縁という要素が盛り込まれている、コマンドーは単純に娘を取り返すだけだからね」
サ「そもそも、それだけの要素で家族愛がテーマかも怪しいですしね……」
面「まさにその通りだね、加えてダイハードでは黒人刑事のトラウマの払拭といったサブストーリーも秀逸だし、その黒人刑事と主人公の友情も見所の一つ。たった一人で満身創痍で戦う主人公に対しての観客の同情など魅せるテーマや要素が多く、それが高いレベルでまとまっている。だからこそ評価が高いし、普遍的な要素が散りばめられているから今見ても楽しめる」
サ「そうやって分析してみると、コマンドーはシュワちゃんが暴れるだけですからね」
面「単純に楽しめるという意味ではコマンドーも負けじと面白いからね。面白けど、映像などの要素を無視した作品のレベルとしてはダイハードの方が高いというのがわかる」
サ「なるほど……。確かにレベルが高いからといって面白さは関係ないですね」
面「逆にアカデミー賞(※4)をとるような作品は面白さよりもレベルの高さを優先する場合もある。作品の方向性っていうのはそういうものさ」
サ「なるほど、わかりました。よっし、テーマも考えてみます! それでもサヴァ子は娯楽作品の方向性で考えてみます!」
面「そうだね、それとテーマだって難しいものにする必要はないからね」
サ「肩の力を抜いてですね! サヴァ子はご主人に教わったように、これまでのご主人のように楽しさを重視してやりますよ!」
面「…………」
サ「じゃあ、改めて作品を書いてみますね! さて、これまで触れませんでしたけど。文章を書く上でのルールなどありますか? せっかく書くならそういうところも注意していきたいと思うのですよ。次回からそういった所を教えていただけますか?」
面「…………そう……だね」
サ「楽しみにしてますね!!」
サ「それでは次回までゆっくりしていってね!!」
サ「さ、今日も頑張りますよー! よろしくお願いしま……あれ!? どこにいるんです? ご主人? ご主人ーーーー!!!」
サ「ご、ご主人がいなくなっちゃった!!」
※1 ジャンプの有名な雑誌のテーマ。しかし、最近は萌えとホモォ……が混ざってきた模様。
※2 世界一不幸な男、ジョン・マックレーンが主人公のアクション映画。主演のブルース・ウィリスの出世作である。なお、ブルースは以後、何回も世界を救う模様。
※3 娘を助けに行くはずなのに、ラストシーンの爆破は娘の無事を確認せずに行うという矛盾。シナリオとしては矛盾なのだが、細けぇ事はいいんだよ!なノリの映画なので致し方なし。
※4 娯楽作品よりも高尚な文化的作品がとる賞。その年の流行りや世論も大きく影響する。




