第十八回『視覚情報の重要性 前編』
さん
にぃ
いち
面「こんにちは、講師の面沢銀です」
サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。今回は資格情報の話ですね」
面「資格はユーキャン!」
サ「ご主人は販売士を取りましたよね」
面「職業経験がある方なら三級はすぐに、二級も少し勉強すれば取れるのでオススメ……ってちがーう!」
サ「これに簿記をとっておけば販売業なら鬼に金棒!」
面「うちは転職相談は取り扱っていません、今回は視覚情報です」
サ「そうは言いますけどご主人、視覚情報っていっても小説にそこまで関係があるんですか?」
面「それが大アリだよ。変な話、文章力なんて二の次と言って良いほど重要だ!! 文章なんていらんかったんや!!」
サ「小説の書き方講座でその言い草はどうなの!?」
面「とはいえ、本当にそうだから困る。通年で数多の数がでるライトノベルだけど、実はこれら一巻の購入動機の実に五割強がジャケ買いなんだ!(※1)」
面サ「「お引き取りください」」
サ「まったく……あの連中はどこにでも湧いてきますね」
面「MMR(※2)の文庫コミック化。待ってます! ちなみに人類はともかくライトノベルという業界は絶滅というか、危険な状況にはなっている」
サ「んにゃ? どういう事ですか??」
面「じゃあ、次々回にコラムとしてそこらを話そうか」
サ「次回ではないのですね。にしても半分とかたまげた数字ですね。でも、あとの半分はお話なんですね」
面「ノン、ありえません(※3)」
サ「おっと、他に何があるんですか?」
面「そこから実に三割強が作品タイトルと帯のアオリで購入しているというのが現実です」
サ「作品なんて関係ねぇじゃねぇか!」
面「さらに細分化するならアニメ化した原作作品だからという例もありますが、ノンタイトルのライトノベルの購入者はそんな感じですね。二割にみたない数字が内容買いというか、何というかというのが現実です」
サ「物語を書く身としては寂しい話ですね……。それだけ視覚情報、つまり絵が重要という事なのでしょうか」
面「絵、以外にも目を引きやすいタイトルという物もあるね。最近だと妹がどうだったりとか何かしたりとか多いだろう。インパクトも勿論あるけど、それ以上に内容がわかり易いからなんだ。あとの話は次回の話にも関わってくるのだけど」
サ「で、でもご主人、そうは言いますけど。やはり内容が面白ければ評価されるものですよね? 救いは無いんですか!」
面「内容で評価されれば、別なメディアが取り上げるさ。これは商売のサイクルみたいなもんだ。ここら辺も次々回のコラムの内容かな。次回は文における視覚情報のお話です」
サ「うーん、最初に目に付くタイトルや絵がそこまで重要だったとは……他に目から入る情報にどんな効果があるのでしょう」
面サ「「それでは次回までゆっくりしていってね!」」
※1 表紙の絵を見て、内容を確認しないままその場の勢いで購入に踏み切る事。表紙買いともいう。いやらしい漫画をこの購買方法で買い、そして後悔するという儀式を踏まえて男は一人前になる。
※2 マガジンミステリー調査班の略称であり、二十世紀後半に少年マガジンで不定期に連載されていた。この世の不思議はだいたい宇宙人か旧ドイツのせいであり、大半がノストラダムスの予言に関係しており、そしおおよそ。それらに関連した原因で地球が滅びるという結論にいたる、その割には前向きに考えようといった感じで締めくくられる。
面沢は直撃世代だったので、信じそうになった事もある。
余談というか噂話だが、二十一世紀になっても人類は滅亡しなかったので、その事をマガジン編集部に電話で問いただしたところ主人公のモデルとなったキバヤシが「良かったね」と言ってくれたらしい。
※3 漫画ヘルシングに登場する執事の台詞。物語をつくるという視点で考えると、このウォルターの後半の行動は、配役と役回りを考えると実に理に叶っている。ちなみに「小便は済ませたか?……」のくだりはウォルターの方が有名だが、ウォルターが進んで言ったのではなく、敵のヤン・バレンタインが発した挑発をオウム返ししているだけである。
面白いし、かっこいい。この漫画が面沢は大好きである。




