第十二回『さぁ、小説を書こう!』
さん
にぃ
いち
面「こんにちは、講師の面沢銀です」
サ「こんにちは、助手というか生徒のサヴァ子です。勉強もバッチリだ! じゃあ書くよ!」
面「よし、頑張れ!」
サ「…………?」
面「どうした?」
サ「ご主人、小説ってどう書き出せばばいいんです?」
面「知っているのか雷電!!(※1)」
書き出し躓きとは……。
小説を書く事を志す者が誰もは一度は陥る状況。
言葉の由来は古代中国の清王朝の書生、書妻板の行いに由来する。
時の皇帝が民に対して演説を行っていたおり、民達はその言葉を一語一句書き記そうとしていた中で、書は何もしなかった。
その不敬な振る舞いを快く思わなかった時の皇帝は後日、書を呼び出すと、書に自分が何を語ったのか書き出せと告げた。
皇帝のが話していた要点と結論は覚えていた書だったが、その冒頭を思い出す事ができず、話の内容を覚えていたにも関わらずなかなか書き出す事ができなかった。
一昼夜をかけて何とか皇帝の話を書き上げた書だったが、その極限の緊張感と疲労から書は立ち上がった際に体制を崩してしまう。
その時に周囲の者が『つぁいた!』と叫んだ、この話が日本に伝り長い時間を経て『つぁいた』が『つまずいた』と変化していき。躓いたという言葉になったという事は説明するまでもないだろう。
民名書房刊『そーだったのか!面白日本語講座』より抜粋。(※2)
サ「当然のように嘘解説しないでください!」
面「それはともかく、最初の書き出しをどうしたら良いかというのは初心者はよく悩むと思います。テクニックとしてはあまり良くはありませんが、書き出せない場合はまず最初に世界観を説明してしまうというものがあります」
サ「サヴァ子の場合はよくわからん敵が攻めてきたという話だから、その敵が攻めてきて、それをコマンドー・桜庭が戦っているという事を書いてしまえばいいんですね。それならなんとか書けそうです」
面「ちなみにどうして説明を書き出しに使いたくないかという理由はわかるかい?」
サ「おさらいですね! 世界観の解説ばかりが最初にきてしまうと物語に没入感が薄くなってしまうんですよね!」
面「よし、よく覚えていたね。書き出し一つで読む側の印象が変わってしまう大事な部分。頑張るんだ!」
サ「頑張ります! サヴァ子は昇り始めたばかりだからよ! この小説坂を!」
面「いや、終わりじゃないからね」
サ「そらそうよ。今の台詞だって次回に続くっぽいし」
面「続くっていうか、打ち切りエンドみたいな台詞だけどな(※3)まぁ、終わりといえば終わりだけど」
サ「え、マジで!?」
面「いうなら第一部がね、次からはちょっとレベルがあがるよ」
面サ「「それじゃ、また次回までゆっくりしていってね!」
※1 魁!男塾に登場する解説担当キャラ。どういうわけか一子相伝レベルの事まで何でも知っている。その割に解説担当のくせに本人はあまり解説はしない。
※2 実際には存在しない書店。前述の男塾が初出だが、知名度が高すぎて他の作品にもしばしば名前を出す。最近ではHUNTER×HUNTERにその名前を登場させた。
基本的に嘘解説だが小さい頃は思わず信じてしまう内容が多い、面沢も中学生の頃までは信じていた。
余談だがゴルフの嘘解説の時に編集部に抗議の手紙がいったらしい、世の中には漫画を読む才能が足りない人もいるようだ。
※3 男坂という漫画の最後のページの台詞。見開きのページに描かれた『未完』の文字が哀愁を誘った。
文庫版では見開きのラストカットに未完の文字は無く、ページをめくると改めてページの全てが黒バックという暴挙とさらにそこに大きな未完の文字。未練がましいにもほどがある。




