赤の君
声がした先にいたのは…
真っ赤なワンピースを着た少女だった
目に焼きつくような、鮮やかな赤
目が離せなくなる
夕日のような赤、朝焼けのような赤
真っ直ぐな瞳は、まるでルビーのようだ
「…ちょっと、何か言ったらどうなの?」
彼女は顔をしかめてそう言った
「あ、ごめん…」
僕は少し遅れて返事をした
レーヴはまだ隣で寝息を立てている
彼女はそんなレーヴを見て、首を傾げた
「…何?この動物…」
「獏だよ」
「ばく?」
彼女はレーヴをじっと見た
「…変な顔、豚みたい」
「…それ、レーヴが聞いたら凄く怒ると思うよ」
「ふぅん、この子レーヴって言うんだ」
小さく笑う彼女
周りの花がフワリと揺れた
「…ねえ、アンタはなんて言うの?」
「僕は、ドリィ」
「そう、アタシはローラ」
彼女はスクッと立った
「ねえ、アンタどうしてここにいるの?」
彼女は僕に疑問を投げかける
「僕はレーヴと一緒に旅をしてるんだ」
「旅?」
「そう、旅」
彼女は不思議そうにした
「そういう君は?どうしてここにいるの?」
「私?」
「うん」
「私は…」
ザワッ…
強い風、花々の香り…
揺れる彼女の髪…
「…わからない」
次の瞬間僕が見た彼女は…
今にも泣き出しそうだった
亀更新ですね、ハイ
これからもちまちま頑張ります