第6話 わたしはヤッてない!
「わたしはヤッてない! 信じてくれよぉ……」
涙ながらに訴えるわたしの隣にもう一柱。
「彼女は本心からそう申しています。どうか許してください」
法衣に身を包んだ被告人の女神、妹緒許が土下座する。
どんな罪を背負おうと寄り添ってくれる許ちゃんに頼み込み、共にやって来た天界文旬編集部で、わたしたちは絵画で描かれてもおかしくない土下座をキメていた。
「……そう言われましても、担当部署が違いますので」
「そこをなんとか!」
「アポはないのか。」「担当が不在で。」「部署が違う。」散々たらい回しにされた果てに通された小さな部屋。なおも担当部署が違うと言う相手に、わたしたちは食い下がる。
「あのね、ほら。もしだったらわたしのグラビア写真とか、ね。載せてもらってもいいし」
「……。すみません。こちらではお答えしかねるのですが。……そもそも、既に配信された記事はネットに拡散されていますので、私どもが差止めしたところで手遅れと言いますか……」
「どぉしてだよぉ! これが女神のやることかよっ!」
「掲載記事へのご意見感想はこちらのアンケートフォームで受け付けておりますので」
「申し訳ありません。ご無礼をどうかお許しください」
わたしの、天界文旬記事配信停止泣き落とし作戦はあえなく失敗した。
ぐぬぬ。諦めてなるものか。
許に引き摺られ、わたしは天界文旬編集部を後にした――。




