表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女兄貴と往く異世界マンション攻略配信! ~頭を下げてお断りからの逆転成り上がり~  作者: ラボアジA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/24

21部屋目 カラオケ、行こ!

 ピン、ポン、パン、ポーン。


「オ~ホホホ! 本日は、『シィポン&ミルニャン』主催のフェスへようこそ~!」

「ええ、ようこそ~」



※:令嬢&聖女!

※:いやーカラオケ部屋は大穴やったわ

※:捧げよ清音! 今宵は享楽の宴なり!



「オホホッ! ではでは早速ゲストをご紹介! 1人目はこちら、薫子ちゃ~ん!」

「あ、どうも」



※:青ずきんちゃんやーん!

※:薫子様をおいしくいただこうとする肉食令嬢の図



「ふぇっ!? た、食べないわよ!?」


 慌てて肉球の手を振る千桜さんは、赤い狼の着ぐるみだ。それを「ふふっ」と微笑ましく見守る猪尾さんは、白い猟師の衣装である。


「オ、オーホホホ! さーてさて、他2名はQくんとジニーちゃんよ~! カラオケルームの入り口から順に登場ね~!」



※:おk、ナメクジからか

※:どーせ腹に詰める石のコスやろ(名推理)



「へっ、甘いぜ」


 のっそりと来たQ次郎は、紫のネグリジェを着ていた。


「ひょっひょっひょ……。どうなされた旅のお人」



※:ゲェッ、紫BBA!(ジャーンジャーン

※:お前のようなBBAがいるかwww

※:(姿が)いてえよ~!!



「欲しいのは水かい? それとも……アタシかい? ひょっひょっひょ……、とんだ好き者だねぇ~」



※:カメラのそばに近寄るなああ―――――――ッ

※:目がぁ、目がぁ!!

※:ジニーさーん!!!! はやくきてくれ――っ!!!!



「あちょ、ワシのキック!」

「へっ、あべしひでぶ。悪は退散するぜ」



※:キャー! ジニーサーン!

※:……って、あるぇー?

※:茶色じゃない!?(意外



 白スーツに白帽子で固めたジニーは、遠くを見たままじっと直立していた。



※:ここまで赤ずきんの合わせだったのに、自由すぎひん?w

※:つか待てこの衣装

※:あぁ……コレってまさか……(ゴクリ



「POW!」



※:言っちゃったよw

※:マイコーやん!!www

※:歌えへんやろアンタ!!!

※:「よんさい、じゃから……!」(迫真)



「オ~ホホホ! で〜はでは僭越ながら、あたくしの歌からスタートよ~!」



※:VRカラオケでヘッポコがメッチャやる気草

※:おっと、イントロ流れ出した

※:10年以上縛りか……最初の曲は、何だァ~!?



『メラメラ!/緑黄色ソサイエティ』



※:キターッ!

※:10年!? そんな……ウソだよな?(ドキドキ)

※:今年は2030年、この曲は2020年4月リリースだからキッカリ10年だ

※:この姿ってPVも意識しとるやろw





※:はえー、ええ曲やったわ

※:ナイスクリアb

※:薫子様もしっかり【強大防御】使てたし

※:これを繰り返してマスターすればOKよ~



「じゃ、次は僕たちだね」

「うっし、行くぜ相棒」



※:おっ、薫子様!!(&オマケ)

※:男の娘の歌唱やから正座全裸で聞くぜ!

※:↑すんなw

※:おーっと! この、特徴的なイントロは……!?



『夏色/ゆず』



※:はい名曲ぅ!

※:キタキタキター!



 マイクを構えた僕は、緊張しながらもしっかりと歌いだした。





※:いやー薫子様の美声を堪能したわ

※:こんなにうれしいことはない(泣)

※:歌わんかったのは人類の損失

※:えがったえがった



「はい、次はミルニャンちゃんだね」

「薫子様、ありがとうございます」


 僕とQ次郎は一礼したのち、ミルニャンに場所を譲った。



※:お次は聖女様()のターンか

※:・・・おや!? 夏ステージのようすが・・・!

※:雪化粧に大きくチェンジ、ってことは――!?



『ロマンスの神様/広瀬香美』



※:冬の女王ォオオッ!!

※:めっちゃキー高いけど大丈夫か!?

※:そもそも声量は足りるのん?



「あぁ……。わたくしの声の張りでは、難しいかもしれませんね」



※:え~っ……ほなアカンか?

※:ムリムリ

※:(ブーイング用意しとこ・・)



 胸に手を当てて、すーっ、はーっと深呼吸するミルニャン。


「ダメだったら、皆様にゴメンナサイしますね」


 僕以上に不安げだ。



※:これは早々に謝る姿が見えるぞ、俺は賢いんだ

※:残念弾幕ステンバ~イ……

※:みんな、「うぼぁー」は持ったか!?



 そして、イントロが終わるや。



※:サン、ハイ! さーせんw

※:サーセンサーセン

※:くっっそウメエエエーーーッ!(土下座)

※:負けだ……… 完全、敗北だ………



 開始前まで落としといて、直後に謝罪の嵐がミルニャンカラオケのお約束らしい。



※:ほ、ほあー!? べしゃりの声と全然ちゃうやん!w

※:聖女ビギナーか? 力抜けよ

※:典型的なカラオケ星人やから

※:ヘッポコ()との219動画がいっぱいあるんだよなぁ……



 その後、気持ちよいミルニャンの歌唱が続くものの、サビ前で突如画面が切り替わる。



※:あれ? 令嬢とジニーさんが映っとるぞ?

※:バグった?

※:――ぶふぉっ!w

※:クビ振りダンス!w



「あのさ、ジニー……なにしてんの?」

「見て分からぬか薫? 首振りダンスじゃ!」

「動作じゃなくて、その意味は?」

「楽しいじゃろが!」

「オホホ! そうよお、薫子ちゃーん!」



※:たーのしー!

※:めっちゃ首揺らしてんなァ!w

※:汐音はダンスやってるからな(後方腕組首振面)

※:息ピッタリすぎてユキノシタ生える





「ふぅ……無事歌えましたわ」



※:88888888

※:スンゲー高音をものともせんな

※:聖女の歌唱は万能だぞ? 当然、キーの上昇もできる

※:話題はクビ振りが急上昇だったけどな!w



 謎な盛り上がりが終わり、歌唱1周目のラストはジニーだった。帽子のツバを持って格好つけるなか、ド派手なピアノイントロから入る。


『勝手にしやがれ/沢田研二』



※:ジュリィィィイイーッ!

※:衣装はこっちか!

※:マイコーを意識させといて歌はジュリー!

※:ふっ、やりおる(謎目線



 歌い出しからノリノリのジニー。色気たっぷりに、しかしマジメな歌唱をしていく。サビに入ると、帽子を脱ぐや胸元で構える。



※:おーっと、ついに!

※:やるんだな!? 今…! ここで!



 不敵に笑う幼女は、シュバッと放った。



※:投げたぁーっ!!

※:戻ったーッ!?w

※:ファッ!?

※:ゴムひもあるやん!!!www



 やったやった。昔やってたよ。

 本当、兄貴に染まってるなあ……。








「ぬっふっふ……。ではここいらで、ワシらの衣装チェンジタイムじゃ。しばし待つがよい」



※:はーい

※:長丁場だし休み休みでいいッスよー >ジニーさんたち

※:みんな歌詞間違えへんとかスゴいよな

※:ぼくにはとてもできない



「あ、僕もよく知らなかったんですけど。ホログラム設定を『自分だけ』にしたら、コッソリ歌詞カードが見えるみたいです」



※:そか、今日は薫子様の歌目当てでご新規さんも多そうやね

※:「新人は大切にしてマンション沼に沈めねえとなァ!」

※:みんなのノドが心配やけど、大丈夫なん?



「オホホ、だーいじょーぶ! エレベーターの先は霊体なのよ~」

「ゆえにワシらは、ずっと歌えるんじゃなあ」


 ピローン。


「んむ? ――ほっほ~お。どうやらワシらの元に、最強のゲストが参戦じゃて」



※:えー誰やろ

※:そんな……! オレ招集かよ(ガタッ

※:↑お前じゃねえ座ってろ

※:おぉっと、エレベーター出現



「フン、ジニーさんも人が悪い。〈大パンチ最強〉のあなたがいる状態で、『最強』とは」



※:うおおーっ、ヒョードルチームやーん!!(大歓喜

※:あれっ? 711の探索は?!

※:丸3日経ったから帰りに寄ったんやろ

※:↑コンビニかよw



「ワンワン~。とってもこじゃんと歌ウマのウチらが、ちょっとちっくと腕を見せちゃるきンね~!」



※:好きピ()と歌える大舞台にノリノリのワンコである

※:早速チームでステージにイクゾ!

※:1曲だ、落ち着いて1曲行こう

※:さあ……何でくる!?



『由々しくて/ゴールデンバーボン』



※:キター! チームの十八番!

※:歌はヒョードルで他はバックダンサーか

※:ワンコもダンスやってるからな!

※:めっちゃ仕上げてきてて草








「オーホホホ! 紳士淑女の皆様、あたくしたちのカラオケ大会を長時間ご視聴頂き、恐悦至極よ~!」

「はい。僕の【強大防御マイティガード】が、今のクリアでマスターしました」



※:おめ! いや〜、あっという間だったわ〜

※:(6時間ほど経ってる事実をおまいらに教える)

※:ハハハそんなまさか……ホンマや!

※:アンコール! アンコール!



「んむ。では追加の曲で、ワシが締めくくろうぞ。空気読めるからの」



※:え?(空耳

※:何か言ったかこのデムパ幼女

※:脱線しまくったよなジニーさん?(疑いの目)

※:大丈夫? 暴走しない?



 白いワンピースの幼女がステージに立ち、VRが草原へと変わった。そして始まる、爽やかなイントロ。



『風になる/つじあやの』



※:っしゃあ! ジブリ!!(ガッツポーズ

※:猫の恩返しやーん!(俺得)



「ラストは清楚な曲でイメージ回復じゃ。のお、薫?」

「途中スゴイぶっ飛んでたよね」

「くふ、終わりよければ全てヨシじゃて」



※:このフェスは無駄ではなかったよ(しみじみ)

※:↑――本当に?

※:いや結構ムダなことしたな(確信

※:これはもうウイニングランですわ





「んむ。以上でワシらのフェスは終了じゃ!」

「オーホホホッ! 改めてみんなに感謝よ~!」



※:こちらこそやでー!

※:「ありがとう、ジョニーさん」… それしか言う言葉がみつからない…

※:↑だからオメーは誰なんだと(ry

※:完全復活お待ちしとります~



 人生初のカラオケ大会は、こうして大好評のうちに幕を閉じた。





「弟よ」


 エレベーターで帰還する前、兵藤くんに呼び止められた。


「マトモなクリアも難しい813だが、仮にできても地獄が見えている。それでも行くのか」

「うん」

「ならば、俺たちも含めてパーティー編成しろ。1%でも救助率を高めるんだ」


 目を瞬いた僕は、クスッとほほえんだ。


「ありがとう、兵藤くん。もうベストメンバーだけど、他のことで手伝ってもらおうかな。ね、ジニー?」

「じゃな、薫」


 ジニーは兵藤くんに駆け寄った。


「しゃがめぃ、面白き奴よ。ワシが元気になる活を入れてやろうぞ」

「……? わかりました、ジニーさん」


 少し疑問顔の兵藤くんだったが、とくに聞き返すことなく片膝をついてみせた。ムフーと満足げなジニーは、兵藤くんの額スレスレに手の平を構えたあと、バッと大きく振りかぶり。



 ――チュッ。



「ん?」


 兵藤くんの顔が、みるみるうちに赤く染まる。


「はああああ!? ジ、ジニーさん!?」

「くふっ、黒づくめのクセに青い奴じゃのお」


 幼女はペロッと舌を出した。


「これでお主とも、魔力補充の契約を結べたぞい」

「契約……? あっ! ま、まさかお前・・は……うぐっ!?」


 ジニーの指が彼の口をギュッと押す。


ワシ・・のサルベージの手伝いご苦労。そうじゃの、デコペチ?」

「――あ、ああ。成功を願っている」


 幼女精霊が飄々とエレベーターに戻ってきたので、僕らは別れの挨拶をして現実へと帰還した。


「兵藤くんにも了承してもらえたね、ジニー」

「んむ。明日の挑戦は高層階じゃったからのぉ。パーティーの魔力がカツカツじゃったわ。デコチュッチュと契約できたんで、朝から行けるぞい」


 僕らは軽くファイブタッチした。


「しかしアヤツめ、ワシが軽~くやったキッスでイチコロとはの。ん~む、大人の魅力が滲み出てしもうたか」

「へっ、幼女が何か言ってるぜ」

「違うわよ。ジニーちゃんは、騙し討ちが魅力って言ったのよね?」

「おQとくるみ……お主ら、【ウィンドカッター】をくれちゃろか!」


 笑いに包まれるなか、決意を新たにした。

 いよいよ明日は813。兄貴のサルベージである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ