ぬぐえぬ恐怖のぬぐい方③
「あかんな……。このままやと……」
日に日に張りつめていく海咲の様子をみながら、ナギがつぶやいた。
幸いなことに、海咲のクラスメイト達は、ツンツンとした海咲の態度を『そういうキャラなんだ』と受け入れはじめていた。しかし、あのキャラは、あの子の素ではない。
どんなに周りが海咲を受けいれても、海咲が周囲を受けいれられなければ、海咲に友人ができることはないだろう。
そして、海咲が張りつめている原因は自分にある。それが気になってしかたがなかった。
今日の放課後もどこかに遊びにでかけようか。
ナギの動向を注意深くさぐっている海咲は、おそらくついて来るだろう。
異世界召喚の問題さえ片付けば、ナギは海咲の前から消えてもいい。
しかし、現状海咲を放りだすことはできなかった。
危機はまだ去っていない。
あくる日の放課後のことだった。
海咲の表情は暗い。夜もあまり眠れていないのか、目の周りはクマで黒ずんでいた。
海咲はもう限界なのだろう。
何とかしなければと思うナギに対し、先に動いたのは海咲だった。
終業と同時に、海咲がナギの机の前にたち、言いはなった。
「一緒に来てもらえる?」
ナギがうなずくと、無言で海咲が先導した。
大人しく、ナギはその背中についていく。
ナギよりも一回り低い位置に頭がある。小さな背中だった。
階段をあがって、誰も来ない屋上へと向かう。踊り場で海咲の動きがとまった。
海咲は手元に視線を落としている。屋上につながる勝手口を閉鎖する、鎖と南京錠が新しいものに変わっていた。以前、使われていた古い南京錠であれば、板状のものを鍵穴に差しこめば、簡単に開錠することができたらしい。しかし、新しい南京錠は、鍵としてちゃんとしたつくりをしているのだろう。
「鍵がないな? どうする?」
「……」
海咲が無言で聖剣を召喚した。そして、南京錠のかかった鎖を叩ききった。
ガキンッ、という激しい音と共に、鎖が弾けとんだ。
「おまっ……。無茶苦茶するやん」
驚いて目をむくナギをよそに、海咲は屋上につながる勝手口の戸をひらいた。
屋上へとすすんでいく。ナギはその後ろをついて行った。
そして、ナギが屋上の戸を閉めると、海咲がナギの方をふりかえった。
二人の視線が交差する。
「風の精霊よ、重力の楔から我を解き放ち、一時の神速を与えよ――『脚力強化』、簡易詠唱――『神経加速』、簡易詠唱――『呪術無効』、簡易詠唱――『空気ノ鎧』」
ナギから目を離さないまま、海咲が魔法の詠唱をはじめた。
様々なバフ効果を持つ魔法が、海咲に重ねがけされる。
ナギは、静かにその様子を眺めていた。
「魔法詠唱中に襲ってこなかったのは、余裕の現れ? それとも、何かたくらんでる?」
海咲が、聖剣をふりあげた。白銀に煌めいた剣の切っ先を、ナギの眉間に突きつけて、海咲は低くうなるような声で、詰問した。
「あなたはわたしの、敵だね……?」
突きつけられた刃のむこうで、海咲の瞳がナギを観察していた。
ひりつくような緊張感が背筋をはった。ナギがわずかでも、不審な動きをみせれば、海咲はためらわずに聖剣を振るうのだろう。
「……動揺、しないのんだね」
「いや、びっくりはしとるよ」
「でも、おびえてはいないでしょ?」
「そやね」
「……」
海咲の雰囲気が鋭さをました。
ナギは荒事に慣れている。刃物を突きつけられても、動揺などしない。
ナギに対する警戒を強めるには、十分すぎる理由だったのだろう。
(わざと怯えたふりをすることはできた――でも)
偽りでは、海咲の信用はえられない。
ならば、真正面から海咲の言葉を受けとめて、説得する必要があった。
「正直にいう。わたしはあなたが恐ろしい。このままわたしの前から消えて」
「ええよ。……って、言ってあげたいんやけどな。今は無理や」
「どうして?」
「異世界召喚が海咲を狙っとる可能性がある。この問題が解決するまで、僕は海咲のそばを離れるつもりはない」
「わたしには、あなたが手引きをして、異世界召喚しようとしているようにみえてる」
「違う。……って、言えば、信じてくれるか?」
「……」
海咲は返答しなかった。
聖剣をにぎる海咲の手に、力がこもる。少女の手には、あまりにも無骨な刃物だった。
「これ以上の会話は、時間の無駄だね……」
口にすると同時に
――一閃。
海咲が聖剣をふるった。銀色にきらめく刃が、ナギの目の前を横切った。剣圧にまつげが揺れ、切られた前髪が数本、宙をまった。
「これは脅しじゃない。わたしの前から消えなければ、斬る」
静かに、海咲がつげた。
「さっきも説明した通りや。海咲が異世界に狙われとるってわかった以上、僕は海咲をおいてはいかれん。問題が解決するまでは、海咲のそばを離れんよ」
ナギの言葉を、静かに海咲がうけとめる。そして、海咲は戦う覚悟を決めたのだろう。凄まじい殺気が、ナギにむけてはなたれた。動じることなく、ナギが言葉を続ける。
「やけんな、斬ってええで」
「は……?」
海咲が目を丸くした。
「いつでも斬りかかっておいで。不意討ち闇討ちだまし討ち、オールオッケーや。僕はそのことを一切とがめん。斬られても文句は言わん」
ナギが淡々とつげた。
「ああ、でも、人前ではやめときや。銃刀法とかあるし。……そやな。斬りたくなったら、今日みたいに人気のないところに呼び出してくれたら、付きあうわ。それで……」
「ふざけないで!」
海咲が感情を爆発させた。
気丈な目が鋭さをまし、射抜くような目つきでナギをにらむ。
「できないとでも思っているの!? 異世界の凄惨さを知っているなら、わたしがどんな目にあったかぐらいわかるでしょう! 今さら、人ひとり斬るぐらいどうってこと……!」
「どうってことないはずないやろ。少なくとも、人は殺したことないはずやで。海咲の目は、人殺しの目にはなってへん」
「……」
見透かしたようなナギの言葉に、海咲が顔を赤くした。
人を殺したことはないというのは、平和に生きる上での最低条件だと、ナギは思う。それは決して恥じるような経歴ではないのだが、今の海咲にとって、ナギに弱みを見せることは、何よりも恐ろしいことだったのだろう。
海咲が聖剣を腰の位置にひいて、体勢を低くした。これが海咲の構えなのだろう。
「丸腰のままでいいの?」
「かめへんよ」
姿勢を変えないまま、ナギが答えた。海咲が聖剣の刃に触れて、まぶたを閉じる。「フッ」と短く息をついて、まぶたを開いた。
それと同時に、海咲がとびだした。
横薙ぎに、聖剣がふりぬかれる。ナギの胴体を狙った一撃。
ナギは即座に後方へとんだ。
先手をとられた丸腰のナギは、回避に徹するしかない。――そのことを、海咲は予想していたのだろう。聖剣の太刀筋が一瞬にして軌道を変え、横薙ぎから突きに変化する。
「おっ。やるやん」
太刀筋の急激な変化に、ナギが目をみはった。
海咲の聖剣の切っ先が、ナギの学ランのすそをかすめた。
「ほっ――」
ナギのひざ蹴りが、聖剣の側面を叩きつけた。
跳ねあげられた聖剣に引っ張られて、わずかに海咲がよろめく。
一瞬、生じたすきに、海咲の表情がこわばらせた。
ナギは追撃する姿勢をみせなかった。しかし、海咲はナギからの攻撃を警戒したのか、あえて体勢をたて直さずに、そのまま地面をころがった。
受け身をとり、海咲が立ちあがる。両者の立ち位置がひらき、戦う前の間合いにもどった。ナギが左にゆっくりと動いた。
それに呼応して、海咲が構えを変える。ナギは視線を落として、その動きみていた。
「ええ足運びやね。誰かに習ったんか?」
「……」
答える義理はない。と、いわんばかりに、海咲が斬りかかってきた。
ナギは太刀筋の変化を警戒して、先刻よりも大きな挙動で聖剣をかわした。
海咲がさらに前にでて、聖剣をふるう。
ナギは、右へ左へ身をひるがえし、海咲の追撃をかわした。
「なんで反撃しない!?」
海咲が声を張りあげた。
「僕は守るためにここにおるんや。海咲を傷つけるわけないやろ」
海咲が足運びを速めた。身軽なフットワークで、常に立ち位置を変えながら、ナギに斬撃をはなってくる。ナギはすべての攻撃をかわした。
らちが明かないと感じたのか、海咲が地を強くけった。高くとびあがり、太陽を背にする。まぶしい光に、わずかにナギが目をほそめた。
――その一瞬のすきをついて、海咲が正面に手を突き出した。
「簡易詠唱――『氷牙一閃』」
海咲が魔法を詠唱した。
海咲の手から巨大な氷柱が出現し、槍のようにナギを追撃した。
「おっ。術も使うんか」
予想外の攻撃。しかし、氷柱の発生速度は目で追えないほどのものではなかった。
後ろに倒れて、氷柱をかわした。重力に引かれた氷柱が、ナギの上にのしかかってくる。
「はああああああああっ!」
気合いの掛け声とともに、飛び上がった海咲が聖剣を振りかぶった。
体勢を崩したナギを氷柱ごと、ぶった斬る――――聖剣がふりぬかれた。
「そんなっ……バカな……」
驚愕に海咲が声をふるわせた。両断された氷柱が、地面にころがった。
氷柱と同じように、ナギも聖剣によって切り裂かれた――はずだった。
氷柱を縦に両断した聖剣の刃を、ナギの両手が側面から挟みこみ、止めていた。
「白刃取りなんてっ……? 実戦で、そんな真似っ……!」
海咲が聖剣に体重をのせた。わずかにでも押し負ければ、ナギの脳天に聖剣の刃がつき刺さる。しかし、ナギの両手に挟まれた刃は、ピクリとも動かなかった。
「さすがやね。今のは少し危なかったわ」
余裕の表情で、ナギが上半身をおこした。
聖剣をつかまれた海咲は、ナギの動きにおされて、半歩後ろによろけた。
海咲は、ナギの反撃を警戒したのか、聖剣から手を離し、後ろにさがった。
間髪入れずに、ナギが立ち上がり、距離を詰める。海咲は反射的に、身を縮めてガードをかためた。勿論のこと、ナギに反撃の意図などない。
「ほら、返すで」
聖剣の柄を海咲に差しだした。
「っ!?」
ナギの行動に、海咲は凍りついた。みるみる表情が恐怖に引きつっていく。そして、ぺたん――と、腰を抜かしてその場に座りこんでしまった。
「あれ……?」
海咲が、意外そうに声をあげた。
はっと我に返り、ナギを睨んで、立ち上がろうと足に力を込める。
しかし、思うように足が動かないのか、海咲は立ち上がりかけて、体勢を崩した。
「おっと。大丈夫か?」
とっさに、ナギが海咲の手を掴んで、転倒しかけた海咲をささえた。
「ひっ……!」
海咲がナギの手をふりはらった。そして、ささえを失って、地面に尻もちをついた。
ナギを見上げて、海咲の表情がさらにこわばった。
カチカチと、奥歯が鳴っていた。それでも、海咲はぐっと奥歯を噛み締めて、ナギにたちむかう。
海咲の手が聖剣の柄を掴んだ。奪い取るようにして、ナギの手から聖剣をとりもどす。
そして、ナギを近づけまいと闇雲に刃をふりまわした。
太刀筋がくずれていることに、自分でも気づいているのだろう。聖剣の切っ先がゆれるほどに、海咲の表情が困惑していく。
「立ち上がれんのか?」
ナギは手を差しだそうとするが、海咲は聖剣の切っ先をむけて、ナギを遠ざけた。
海咲がなんとか体勢をたてなおそうと、足に力をこめる。
立ちあがろうとするたびに、海咲の体は地面を転がった。
「あかん――」
すりむいた肌がみるみる傷だらけになっていった。
それでも、海咲はたったひとりで立ちあがろうとしていた。
「わたしは、負けない!」
叫んだ。聖剣を地面につきたてて、強引に体を浮かせる。
しかし、海咲は立つことができず、体が後ろにかたむいた。
「海咲……」
倒れそうになった海咲を、ナギの手が掴んでささえた。
「いやっ。放して!」
海咲が手足をばたつかせて、ナギから逃れようとした。
「分かった。放す。その前に、深呼吸しよ? また、転んでまうで」
優しくいいきかせるように、ナギがいった。
反撃を完全にいなされた海咲が、力なくうなだれる。
その目から一滴の涙がこぼれ、頬をつたった。
「海咲!?」
女の子を泣かせてしまったことに、ナギが困惑する。
「触られるん嫌やな。ほな、ゆっくり下ろすけん、暴れんでな?」
ナギが海咲を地面におろした。地面に座り込んだ海咲は、それ以上動かなかった。
こわばった表情で、ナギを見上げて、動きを止めている。
「負けちゃ、ダメなのに……」
海咲の唇が、小さく言葉をもらした。
「わたしは、強い……。異世界にだって、負けない……。だって、負けたら……」
つぶやきながら、徐々に、海咲の頭はうつむいていった。
「負けたら、家に帰れない……」
消え入りそうな声でつぶやいた。その声に、先刻までの雄々しさは微塵も感じられない。あるのは、年相応の見えない恐怖におびえる少女のおもかげだった。
小さな肩が震える。少女の手には、あまりにも無骨な聖剣が握られていた。少女の震えに合わせて、聖剣の刃が地面に触れて、カチカチと音を立てた。
罪悪感が、ナギの胸をちくりと刺した。
自分の行動が、目の前の少女をおびえさせてしまっている。理解していた。海咲と物理的な距離をおき、離れた位置から海咲を守るという選択肢もあった。
しかし、それではダメなのだ。
仮に、ナギが海咲から距離をおいたとしても、根本的に異世界召喚という恐怖をとりのぞけるわけではない。ならば、ナギが取るべき行動は、海咲から離れることではない。
「……負けたらイカンなんてことはない。痛かったり、怖かったりすることに、自分ひとりで立ちむかわんでもええんや」
「……」
弱々しい目で、海咲がナギを見上げた。
「しんどい時は、助けてって言うてええねん」
「でも、助けてくれる人なんか……」
「ここにおるがな」
そう言って、ナギが自分のことを指差した。
「信用ならんかもしれんけど、嘘は言うてへんよ。海咲のことを守るために、僕はここにおるんや」
「だけど、人は裏切るじゃん……」
「裏切る奴には、裏切らせとったらええねん。そいつがひとりになるだけや」
「……」
ナギの言葉に、海咲が息をつまらせた。
「裏切る奴がおるから、誰も信用せんかったらずっとひとりや。逆に、海咲が信頼した分だけ、力になってくれる人間もおる。いっぱい人を信用して、そういう人間で周りを固めていけばいいねん」
「……」
「世の中、悪い人間もおるけど、悪い奴ばっかりってわけでもない。それでも、周りに助けてくれる人がおらんで、どうしようもないときは、こうするんや」
ナギがぱんぱんと、二回拍手した。
「こうやって手を合わせてな、神様にお願いしたらええねん。『助けてください』って。きっと、めっちゃ強い神様が味方になってくれるで。そしたら、無敵やろ」
「……」
「僕、めっちゃ強いやろ? 僕のこと信用できたら、きっと海咲の怖いのが、少しだけなくなるで?」
「その言い方だと……あなたが神様みたいじゃん……」
「そうや。僕は神様や」
泣きはらした目で、海咲がふっと笑った。
「………………信じていいの……?」
「おう、僕に全部任せとき」
「…………」
静かに海咲が目を閉じる。その肩から力が抜けていた。
「分かった。どっちにしろ、あなたには勝てないんだもん。だったら、悩んでても仕方ないよね……」
そう言って、海咲が恥ずかしそうに微笑んだ。
その時――バンッ! と。勢いよく屋上の戸が開いた。
音と同時に、ナギが足もとに落ちていた聖剣を蹴った。聖剣は放物線を描き、貯水槽の裏に落ちていった。
「あれ? 誰かいる……?」
声がした。海咲とナギが戸の方に目を向ける。ルカとアカッシーが、戸のむこうにいた。
「「海咲!?」」
海咲を見るや、二人して声をあげた。
ナギと海咲が目を丸くすると、二人が海咲にかけよってきた。
「ちょっと、海咲!? 傷だらけじゃん! ていうか、何で泣いて……」
ぐりんと、ルカの顔がナギの方にむく。
「……海咲に何したの?」
「ぅえっ!?」
低い声で、ルカがナギに詰問した。
「違うよ。僕は別に何も、うっ」
「何もしてなくて、海咲が泣くわけないでしょ?」
アカッシーがナギの鼻をつまんだ。ナギは二人の女子ににらまれて、助けを求めるような視線を海咲にむけてきた。
その視線から、海咲をかばうように、ルカが海咲の肩をだいた。
「ナギに何かされたの?」
ルカに質問され、海咲が困った顔をした。
それもそうだろう。何かをしてきたのは海咲の方で、ナギは反撃すらしていない。海咲の体が傷だらけなのは、不可抗力によるものだ。
「別に何も……」
「脅されてるんじゃないでしょうね!?」
海咲の正直な回答もむなしく、ルカは海咲をだいて目の色をかえた。
アカッシーが、ナギの鼻をつまむ指に、力をこめる。
「いたっ、ちょっと、痛い痛い! 鼻血でるって!」
ナギが悲鳴じみた声をあげた。
「大丈夫だよ、海咲。ナギが何をしてきても、私たちが守ってあげるから」
アカッシーが力強い声でいった。
「本当に、何もないんだって……」
「何もなくてそんな傷だらけになるはずがないでしょう!?」
海咲が何を言っても、アカッシーは信用してくれなかった。
ルカもふんふんと頷いている。
「だいたい、最近おかしいと思ったんだよ。だって、妙に海咲の態度がナギに対してとげとげしいんだもん。ただのケンカなら口出しもしないけど、女の子の肌こんなにされたら、黙ってらんないよ」
「違うって。本当に僕は何もしてないんやって」
ルカの言葉に対し、ナギが懸命に訴える。
「じゃあ、何で最近の海咲はとげとげしかったのさ?」
「あれは……」
海咲の態度は、元からとげとげしかった。しかし、ナギに対して、強い警戒心を抱くようになったのは、――ナギが朝に海咲の家におしかけてからだ。
「僕が海咲の住所調べて、家に押しかけたからビックリしとっただけやんな?」
「ストーカーじゃねえか!」
ツッコミとともに、アカッシーがナギの鼻を右にねじった。
鼻が「ぽきっ」となって、「イッテぇぇぇ!」とナギが悲鳴をあげた。
あんなに恐ろしく見えていたナギの姿が、あまりにも間抜けにみえて、思わず海咲は声をあげて笑ってしまった。




