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変化する日常⑤
「アカンな……」
田舎町には珍しい高層マンションの最上階。中古でありながら、広さと設備の豪華さから築年数を感じさせない4LDKの一室で、ソファーに寝転んだナギは今日のプリを眺めていた。
プリの中にはブロンドの髪をした少女が、むっつりとした表情で写っている。
もともと表情がかたいというよりは、ひどく緊張した様子だった。
その原因が自分にあることを、ナギは何となく察していた。
「なんであの子は、僕を怖がっとるんや? 男が苦手っていう雰囲気やなさそうやし」
「初対面で半裸を見せつけたりするからですよ」
アイランドキッチンの方から声が飛んでくる。
下駄の付喪神が、ワイシャツの袖をまくって、流しに立って洗い物をしていた。
「そういえば、ジャージ持っていかれたままやったな。もしかして捨てられたんやろか?」
「まだ、真田海咲の自室に置かれているようですよ」
カチャリと皿を鳴らしながら、下駄の付喪神が答えた。
「そんなん分かるんか?」
「シイナ様が身に着けていたものですから、神気の匂いが残っている内は、ある程度わかります」
「ああ、そっか。自分の匂いやから、意識してなかったわ」
プリをじっと見つめたまま、ナギが答える。
「さぁて、仲良くなるには、どないしたもんかな……」




