ショートメモ01(「Light。。」)
―――数年前。
「おーい、菜月くーん、生きてますかぁ?それともぉ~また別の世界に飛ばされてパラレルが~とか言っちゃうんですかーー!?楽しみですねぇー先生がせっかく竹取物語の話をしてるのに、君は別の世界で旅行中とか、羨ましい限りのロックですねー。」
「はっ、、!」
「はい、では菜月くん、早速翁が黄金の竹を発見したところから朗読してくださいね、感動的に。」
夏の日だった。蝉がうるさかった。
数十年の時をかんがみても温暖化現象は一向によくならず、どころか徐々に加速しつつあった。なんでもとある教授によると地球はこれまでも温暖化と寒冷化のフェーズを繰り返しているそうで、それが人間の活動によって倍加されてしまっているそうだ。ただ最近は技術が追いついてきているので、微々たる影響ではあるが落ち着いては来ている、らしい。
とにかくうだったるいくらいの夏の日に、俺は夜更かしをしてクマのできたままチャリで登校し、午後の昼下がりの授業でついに首を屈して机に突っ込んだ。
誤解を生むのは避けたいので注釈しておくと、この先生はいつもこんなテンションだ。
ちなみに因縁をつけられた理由は過去に一度この先生の前で居眠りをしたところを起こされて叫んだ言葉が「待ってUFO❢」だったからだ。
・・・
恥ずかしい。
もう夢の内容すら覚えてないのに。あちこちから笑いが漏れ始めた時、急にガタガタと教室が振動した。椅子を動かす音、各々机の下に隠れる。
「はい、よくできました。先生が言わなくても自発的に行動できるのは良いことです。」
地震は最近になって頻繁に起こるようになった。まさか、この日が最期だったなんて思いもしなかった。