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仮設風向計/詩集その3

Passepied/認知

作者: 浅黄悠

passepied


甘いたてごと

淡いくちづけ

熟した黄色い果実を

大理石の階段で一口齧り

歌うセイレーン

鳩を飛ばす金色の船

恋人の誓いを南京錠にリボンを

踊る

古代の栄華に想いを馳せながら

踊る

クチナシの香る中庭で

リンゴと洋ナシの果樹園で

噴水の音に紛れて

バラの花の小路を抜けて

ステップを踏む先は秘密の月宿る城

季節に祝福されながら私は

ワルツを

メヌエットを

高らかに水の粒が手を伸ばして

今は踊っているだけ





認知


俺は貰った愛に背を向けて

汚れたものにも価値はあると言い放った

俺は愛を返さなかった

嘘に塗れた何かを返すぐらいなら返さない方がましだと思った

一緒についていてあげるから前を向こうよと

差し出された手があることにも気づかなかった

高貴な人からこの声を求められても言葉を乞われても

俺は黙っていた


だから不信と孤独という罰がもうすぐやってきて

俺に毒を飲めと急き立てるだろう

それを知っていながら

怯えているだけで逃げようとはしない

もしかしたらとうにこの存在は誰にも認知されていないのかもしれない

矮小な存在だということをきっと皆が証明してくれるはずだ


認知されない存在

それはそれで美しいじゃないか

そう考える救いようのない人間


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