出会い
体中が痛い。何かで叩かれたかのように鈍い痛みだ。
私はどうして倒れているんだ?なんで体中がこんなに痛いんだ?さらに体がだるい、何があったんだっけ。
未だ朦朧としている頭で思い出そうとする。
私は確か、車に轢かれそうになっているお婆さんを助けようとして、それで俺はあいつらに金を掠めているのがバレて蹴られて、ってあれ?おかしい、なんか二つか記憶がある。
そもそも車とはなんだったか。俺は食い繋ぐために必死だっただけだ。今回は失敗した。また新しい奴らの縄張りに行かないと。
取り敢えず周りを確かめようとしても、目が薄らとしか開かない。多分目の周りも腫れているのだろう、痛みを感じる。
そんな中、コツ…コツ…と靴の音が聞こえてくる。
少ししかない視界で音の方を見る。
そこには、美しい少女がいた。
ぼやける視界でもわかる美しさ。きっと将来は物凄い美人になるだろう。まじまじ見つめていると、向こうもこちらをじっと見ていた。
「…この子、この子がいいわ」
凛とした声が響いた。
「お嬢様、本当にこんな「この子がいいわ」
「…わかりました」
これが私とお嬢様との出会いでした。