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虻蜂虎S'。  作者: 渡良瀬ワタル
56/282

(道中)24

 窓口で売る物を出した。

肩掛けバッグ経由で亜空間収納から取り出した。

収納力を見抜かれたくないので手加減した。

低ランクの魔物の魔卵と部位にした。

それでも十分に驚かれた。

「見習いにしては凄いね。

成人した暁には飛び級だな。

・・・。

合計で86,500ベレルになります」


 ギルドの表に回った。

依頼表が張り出してある掲示板を覗いて見た。

依頼表ではなく、ギルドからの注意事項が気になった。

魔物情報だけでなく、地域の情報も張り出してあるからだ。

盗賊、治安、流行り病、道路、橋等々。

 あった。

僕達が向かうアイリール山方向だけではなかった。

けっこうな数の地方に盗賊が出没し、治安悪化となっていた。

隣接する領地間の紛争も記されていた。

どうなっているのだろう、この王国は。

肩掛けバッグ経由で亜空間収納から魔法杖を取り出した。


 とにかく村に戻るしかない。

アイリール山へ向かった。

治安が悪化しているせいか、行き交う人や馬車は少ない。

そんな中、こちらに向かって来る不審な集団を見つけた。

雑然としていて、何やら気にかかる。

 鑑定した。

四輌の幌馬車と騎馬四十七騎。

四十七騎と馭者四名は盗賊団。

戦士系スキル持ちと魔法使いもいるが、

ただの数任せの無法者集団だった。

幌馬車の中には捕らわれた女子供二十三名と分捕った物。

見逃す訳には行かない。

「エリカ、あれは敵だ」

「分かった」ローブの後ろに隠れた。


 魔物杖に干渉し、魔力を拝借した。 

土魔法を起動した。

馬の膝ほど深さの沼地をイメージした。

それでもって奴等を足止めする。

威力中級、範囲を決めた。

Go。

 空気が揺らめき、風が僕を撫でた。

一瞬で奴等の周辺が沼地化した。

馬も幌馬車も動けない。

理解が追い付かず、呆然とする盗賊団。

 僕は奴等の方へ歩み寄りながら、次の攻撃に転じた。

同じく土魔法。

破裂も貫通もしない硬いだけの土玉・アースボールをイメージした。

まず十一発、待機。

右胸をロックオン、ホーミング。

放った、Go。

馭者四名と騎乗の七名が悲鳴を上げて沼地に落ちた。

あっ、もしかして泥で溺れるのか。

そこまでは計算してなかった。

 残りの連中、ようやく事態に理解が追い付いたらしい。

全員が僕を睨み付けた。

慌てて馬を走らせようとした。

それを馬は拒否、微動だにしない。

まあ、膝までの深さの沼地を、人を乗せたままで動ける訳がない。

 

 アースボールで手前から次々に狙い撃ち。

気の回る奴もいた。

急いで弓を手にした。

馬鹿な奴。

矢を放つまで待つ訳がない。

真っ先にそいつをロックオン。

Go、ゲット。

 怒る奴もいれば、降伏を申し出る奴も。

でも僕は悪党には平等。

手前から落として行く。

 二三名が馬から飛び降りた。

脇の草地に逃げ込もうとした。

あっ、こいつら最優先だな。


 人数は多かったが大した手間はかからなかった。

五十一名全員を沼地に撃ち落した。

馬の膝ほどの深さの沼地なので、そんなに深いとは思わない。

でも落ちた連中の誰一人、顔を出さない。

気絶したまま落ちたからなのか。

まあ、いい。

終わった。

沼地の解除をイメージした。

 凄い。

一瞬で街道が元に戻った。

路上には身動きしない五十一名、所在なげに佇む四十七頭、

そして馭者のいない幌馬車四輌。

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