十四話
「お帰りなさい。ちゃんとご飯を食べてるの?痩せたんじゃない?」
母、裕子はどこにでもいる専業主婦である。樹を身篭ったために仕事を辞めそれからは家事・育児に専念してきた。樹が成人した際に働きに出ようとも思ったが、キャリアアップなど望める訳もなく、また衛は幹部自衛官なので給料は申し分ないためにそのまま家を守っている。
樹も成人するまでは実家に暮らしていたが、働き始めてからは職場への交通の便が悪く一人暮らしをはじめていた。それでも月に一度は帰る様にしていたのだが、激務であったことから帰る頻度も減り心配させていたのだ。
「元気だよ。父さんは帰ってきてる?」
「書斎にいるわ。仕事も大変みたいだけど相変わらず話してくれないわ」
職務内容については話せないことも多い。家にいないことも当たり前であり、官舎に住んでいた。ただ衛の父が亡くなって管理者の居なくなった実家をどうするかを悩んでいた時に妻に説得されて半ば単身赴任中という訳だ。
戦闘職種とはいえ日本の場合、戦争を行うというのはまず考えにくく、防空識別圏への侵入機に対するスクランブルや排他的経済水域(EEZ)や領海での警戒任務に就くのが主任務であり、災害時の派遣などで目にするくらいだろう。
無論、海外派遣もされている。ただ比較的安全地帯での任務となり多国籍軍への輸送任務がメインになるが武装勢力に襲撃される可能性はゼロには出来ないので危険な任務である。衛は幹部自衛官の一人として派遣されており、藤堂は元部下である。
どちらかと言えば幹部自衛官は部下を管理するのが仕事であり衛は文官向きの性質を持っている。なので幹部レンジャー徽章をつけてはいるが、体力錬成の一環として取得し維持に努めているが戦闘が得意と言う訳でもないのだ。それでもやはり一般人とは違うので警察官に職務質問を受けるが大体は短時間で済んでいる。
警察官も強面相手だからと遠慮していては治安維持などできるわけもない。そして職業柄、敬礼に慣れているかどうか位は見れば分かるために早めに解放されるわけだ。なので昔から自衛官・警察官と割と堅めの仕事をしている人達に囲まれて育った樹としては落第者であるという劣等感に苛まれていた。
なのでコンビニで働き始めてからは正月くらいにしか帰っていなかった。衛と顔が合わせ辛かったというのもあるが自分のことで精一杯であったというのも事実である。仕事に慣れ始め転職を考えなくてはならなかった時にコロナが流行した。そんな中で選べるほど樹の経歴は立派ではないのだ。掃いて捨てるほどいるぐらいの平凡な経歴と言い換えても良いだろう。
ここに居ても仕方がないので樹は書斎へと向かう。機密に関する書類は持ち出し出来ないためにここにはないが、それでも関連書籍は置いてあり、読む本も偏っているために樹の趣味とは合わない。ここに置いてあった本を読んだこともあるが小説ならまだしも対カウンターテロの本や九.一一の本など読んでも内容は分からんというのが樹の本音だ。
新撰組など歴史漫画ならまだ敷居も低いが、近代戦術の本に偏っているために基本的には衛しか使っていない。今も樹の部屋は維持されているが最低の寝具しか置いていないし帰る頻度も高くない実家などそんなものだろうと思っている。
「ただいま」
「ああ。お帰り」
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衛は四十八歳だが、もう若いとも言えない。家の中では仕事の話をすることはあまりないし災害派遣された時の事も話すことはない。多くの死を見てきたのだろうとは推測できるだけ疲れきっていたし、衛は自分のことよりも現地に派遣された部下を纏めなくてはならない立場にありまた現地出身の自衛官のことを思えば弱音を吐けないと考えている節があった。
樹に最後に会ったのは入院している最中である。成人しているとはいえ入院の手続きには裕子の助けが必要であったし職務の合間に見舞いにくるくらいはする。ただ迷宮に関しては話せないことも多かった。衛は息子が人に近い何かを殺害したことに気付いていた。
生物を殺すということは心理的負担は大きい。それに海外派遣されて応戦したこともある。その時に武装勢力に対して遠慮などできる訳が無いのでやむおえず殺害することもあった。
決して報道されることはないが自衛官の中にも死傷者は出ている。殺し殺されることに疲れて辞めるならまだ良いが心を病んでしまったものも多い。それは災害派遣ではそれが顕著となる。
人を救いたくて入隊した者は長く続かないことも多い。災害派遣だけが自衛官の仕事ではないからだ。特に世間の目は冷たい。昔よりは良くなったがそれは広報官達が理解を得ようとして働いた結果でもあり、大きな災害があるときに派遣された自衛官が評価されてのことである。
衛は拳銃へと手を伸ばす。外泊届けを出しており、休暇ではあるが自衛官にとっては休暇というよりはただ急な呼び出しがされることが少ない日と言うだけに過ぎない。幹部であれば尚更だ。曹以下の自衛官が急に休むことになったときの代替やいつ出動することになるか分からない為に待機しているという意識が強いのだ。
銃の携帯が許可されているのも魔物に対抗するためである。流石に小銃の携帯許可はおりないが国民の生命と財産を守るために必要と判断された時に使用するためである。曹以下の自衛官にも許可はおりるが使用はあくまでも慎重にならなくてはならない。犯罪に使用されれば責任者の首が飛ぶだけでは済まない。
敵視されることは諦観している。ただそのことによって救えたはずの命が失われることは許容できない。覚醒者となった者は変質してしまう。それは衛も実感している。藤堂の様な前線に出るタイプの指揮官もいるが基本的には戦うのは尉官以下の自衛官の役目だ。
それでも衛が覚醒者となったのは幹部自衛官に一人もいないのは外聞が悪いというのもあるが部下と共に戦うことを忘れないためである。幹部自衛官と曹以下の自衛官は採用のされ方が異なるだけで同じ人間である。
組織としての上下関係は必要だが、プライベートでも上下関係がある必要はないと衛は考えている。そして衛は父としての責任として樹が冒険者になることを止めたいと考えた。自衛官になることを勧めなかったのも危険な職業に就いて欲しくないという気持ちの表れだった。
懐に手を伸ばそうとした時の樹の反応は苛烈だった。魔物を倒す。否、殺した経験がある衛は自衛官をしていて戦闘の本質というものを知った気がした。日本で日常生活を送っていれば流血するほどの喧嘩をすることも殆どない。
樹もまた部下と同じ様に心を病んでしまったのだろうか。本当に撃つつもりは無かったが自身よりもレベルが高いのは確実だろうなと思った。そして、樹の目が一瞬だけだが金色になっていることも見逃さなかった。
「樹。落ち着け」
衛は樹の覚悟を問い質すために呼んだ。覚醒者が攻撃的になることも分かっており、身体能力が上がった事で日常生活に支障が出ている者もいる。警察が覚醒者を警戒せざるおえない理由だ。
息子が仕事を辞め冒険者になると言い出せば親なら誰でも心配するだろう。コンビニの店員を卑下するつもりはないが社会的に信用される地位にあるかと言われれば疑問なのも確かだ。
だが、親としては元気に働いていて自立していれば文句はなかった。そして、もし転職したいというのであれば助力を惜しむことはないだろう。ただ、冒険者というのは許容できなかった。自衛官にも犠牲は出た。国を護ると決め職務に専念していた仲間を陥れるつもりはない。
だが、残された家族はどうなるのだ。善き父(母)であり息子(娘)であり、友であったのかもしれない。だだ息子の意思を完全に否定できないのも事実だ。迷宮と魔物が現れたことによってそれまでの日常は壊れてしまった。
落ち着いてきてはいるが、治安は悪化した。日本では略奪が起こるまでには至らなかったが、犯罪率は上昇した。ホームレスが若者に襲撃されるだけでなく魔物にも警戒しなくてはならず繰り返し行われる緊急事態宣言で国民に不平不満が溜まっておりそれはより、弱者へと向かうのだ。
社会的地位を築き身辺警護に尽力していても武器なしに魔物を倒すことは難しい。戦う事よりも要人の安全を考えて動くべきだが、それを専門とする者たちでさえ不測の事態に最善の行動がとれるとは限らないのだ。衛のステータスは防御型だ。
指揮官が落とされれば部隊は混乱する。部隊だけならまだ良いが護るべき国民に被害が出ては目も当てられない。樹のステータスがどのくらいかを確認するための茶番であったがやり過ぎたらしい。
漏れ出した殺気は訓練だけでは経験できない命のやりとりをした者だけが出せるものだ。それに迷宮が攻略されたのはあの時点では日本では樹のいた迷宮しか確認されていなかった。建前は国民の保護という形をとるだろうが、緊急時においてどこまで個人の人権が守られるかは未知数なのだ。
「とりあえず座れ」
樹も渋々ながら指示に従った。これから話すのは口外禁止となっており、国防に携わるものでも極一部にしか伝えられていない情報である。
「樹が遭難した通称【桜公園迷宮】は国内で初めて攻略された迷宮だ。樹、何か言わなきゃならないことはないか」
「話せることは殆どないよ。迷宮はゴブリンがメインで紬さんに習った武術で何とか生き残れただけだよ」
「樹が望むのであれば迷宮警察の仕事を紹介することは出来る。これは警察官と自衛官からなる特別司法警察職員で迷宮内において捜査権限が与えられる。ただ選抜試験を受けなくてはならない」
状況証拠から樹が迷宮攻略者であることは明白だった。遺体となって回収された人を除いて生存者は二名しかいなかったのだ。そして、被害者となった女性を鑑定したところレベルは三で樹に至っては鑑定を弾かれた。気を失っていた時には五レベルと鑑定できたらしいのだが、樹の意識が回復し、看護師資格を持つ自衛官にさせたところ鑑定できないという報告書が上がってきたのだ。
確かに自衛官として鍛えてはいるが育成に時間がかかるために医官は原則、迷宮の深部に潜ることを禁止している。レンジャー資格を持っていればその制限も緩くはなるが簡単に失って良い人材ではないのだ。
そして後方支援部隊の隊員は後方支援スキルを取得することが多く、その人物にあったスキルが取得しやすいのでないかという報告書も上がってきているのだ。藤堂が率いる特殊部隊も衛の管轄下にある。
衛はあくまでも指揮系統の上にいる文官という立場であり、現場に出ることは少ないが【指揮】や【情報処理】、【銃術】などを取得した現役の幹部自衛官なのだ。銃術を取得しないと迷宮内で有効なダメージを与えられない理由ははっきりとはしていない。
「成人しているとは言え、冒険者になることは反対だ。覚悟はあるみたいだが試して悪かった」
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父に殺意が無かったのは頭では理解できたが身体が動いてしまったのは失敗だった。そして、政府の方針かは分からないが、攻略者を絞っていた事を知れたのは朗報であった。
政府が監視を解いた理由は分からないがそれは単に法を適用できなかっただけに過ぎないのかもしれない。法治国家において遡及して法を適用することは出来ない。お隣の半島は違うみたいだが。
日本の判例主義なところには疑問を抱くが、裁判官も公務員なのだから諦めもつく。樹が手に入れたアイテムは買取を政府は要望した。ただ、法律が公布・施行された現在と違ってあくまでも任意という点だ。
あの時点では徴収する権限を有しておらず武器に関しても買取を拒否することによって所持は合法となる。登録などの手続きは煩雑になるだろうと推測できるが。
一度、売却に合意していたために武器に関しては買取をするという形になったが、法に則って処理したに過ぎない。樹の誤算としては攻略者を特定したことだろうか。
調べれば分かると思うが樹が迷宮の支配権を奪取した時点で侵入者は樹を含めて三人だった。聴取をもとに低級人型迷宮と定義付けたはずだが、それも状況証拠から導き出した結論に過ぎない。
「父さんには悪いけど公務員になるつもりはないよ。それにリスクは承知しているよ」
国内での死者数は少ないが少なければ良いという訳でもない。理解も出来るが受け入れられないというのが現状だ。いざというときの為に回復薬をストックしておく必要もある。市販薬よりも即時性が高いのは実証済みである。まだ、各家庭に常備されるのには時間がかかり価格も普及するまでは高いだろう。
覚醒者になることを拒否しなければならない宗教的な理由は家にはないし、感覚で得た限りでは自身の迷宮は支配下におけ魔物にも命令する権限が迷宮主には与えられている。
流石にH級迷宮では防衛もままならないために強化が必要で樹が常駐することも不可能だが、迷宮主が迷宮の外に出られないということもなければ魔物が出られないということもないのだ。
だからこそ樹は冒険者となり自身を強化することを選んだ。政府は迷宮を管理下に置く法律を作ったが迷宮の管理者をどうするまでかは考えていないだろう。公的機関の施設管理者とは訳が違うのだ。
公職を辞めて引き継ぐことも難しいだろう。攻略された迷宮も低級のものばかりで核も初期化されてH級となっているだろう。迷宮探索庁とその下部組織の冒険者協会。
迷宮から取れる資源が無くなるのは痛いがそれよりも謎を解明する方が先決との判断によって迷宮核の支配権を奪うのを許可したために計画され実行された。野良迷宮でも政府の管理下に置かれることになるために野党による反対もあった。
支配権を誰が得るというのが一番の問題であり、迷宮の仕組みを理解すれば今後の技術開発に役立つとのことで強行採決された経緯もある。結果、九つの迷宮が攻略され三つの省へと分配された。ただ迷宮主の情報に関しては公開せずにそれぞれの省で管理することだけが発表されたのだ。
リードしているのは防衛省である。実働部隊を持ち、職持ちも現れている。戦闘職が多いのは難点であるが武器の所有も合法であり精鋭部隊のレベルは二十を超えるからだ。
事実として判明したのは特殊職を除いて十五レベルを超えると第一職の枠が解放されることである。そして迷宮の入口にある端末で職を選択することが可能となり、その際に覚えているスキルによって選択できる職が決まるということだ。
「樹。政府に監視されることになる。人権が制限されることは無いと思いたいがそれも分からん。一佐では庇いきれないこともあるんだぞ」
「分かってるよ。ただ魔物の脅威がなくなることもない。人類同士の争いが激化する可能もあるのは理解してる。政府にだけ頼るのも危険だから自分で出来ることをやるだけだよ」
そして、樹は紙にここが盗聴されているかどうかを衛に訊ねる文を書く。
「分かっているなら何故だ。裕子や楓ちゃんを心配しているのか?ここは安全だ」
樹は衛に鑑定をかけた。そしてステータスを紙に書き渡す。これは衛にも伝えていないことだが父さんなら上手くやってくれることを願って限定的だが自身の能力を開示することで信用を得るためだ。
「父さんは心配し過ぎだよ。迷宮が解放されても下層には降りないしこれでも覚醒者だ。スキルを把握しないで深く潜ることの危険性は把握してるよ」
「紬や藤堂の意見を聞かなくては判断できない。今日は泊まっていけ明日には二人を呼ぶ」
樹は自分の部屋へと帰る。父を説得できたとは思っていないが紬さんや藤堂さんを呼ぶということは頭ごなしに否定するつもりはないらしい。父にも同僚の事を相談しているし母は冒険者になることに比定的な筈だ。
樹は藤堂やその部下である白井にも会ったことがある。自衛官は父、衛のように時間や規則に厳しいことは職業倫理として当然と思っているが面倒見の良い人達である。
本来の計画であれば目立たず金持ちになり有事に備えるつもりだったが計画を変更しなくてはならないらしい。攻略目標としている【幕山ダンジョン】で時間をかけてレベリングする予定だったが、それが叶うかも分からない状況である。
【迷宮型】である桜公園迷宮と違い幕山ダンジョンは【フィールド型】である。難易度としてはフィールド型の方が難易度が高いらしいのだが、理由としては迷宮型は上層から下層に進むにつれて出現する魔物の強さが強くなるのに対してフィールド型はいきなり強敵と遭遇する危険があるかららしい。
それでも難易度としてはF~E級であるとされ既に覚醒してある程度までレベルが上がっているのであれば探索しやすいという利点もある。迷宮型は階層によって環境が異なる。
火山地帯を想像させる層があったと思えば雪山地帯を想像する過酷な環境も有り得る。層の環境設定にもDPを消費し、過酷な環境や資源が多く出る層であるほどに消費量は大きくなる。1日当たり最大千DPほど貯めることはできるがそれは訓練を全く行わないという前提であり、そんな勿体ないことはできないので五百ほど迷宮核に貯めて後は修行で使うようにしている。
レベル差が開いてしまうのは仕方がない。樹とて経験値アップの称号を得ていても倒した魔物の数が少なければ差は開く一方である。ステータスを見た限りでは父の方がレベルは高い。現場に出ることは少なくなったとはいえ父も藤堂の部隊に帯同してレベルを上げているのだろう。
迷宮で銃が使えないのは文明の力によって攻略させないことにある。魔剣や魔槍があるのかは分からないが迷宮を作ったもの達のルールがあるのだろう。
ただスキルを所持していれば使用可能で迷宮に持ち込める武器の威力は制限されてしまうものの攻略が可能なのは悩ましい所だが。持ち込める弾薬に制限はつくが魔法の袋の様なアイテムがないとは言いきれない。
そして、人型魔物の厄介な所は剣であれ槍であれ人が使える者は魔物でも使用できることだ。銃火器を使ってくるゴブリンなど嫌すぎるだろう。銃を生成し扱い方を教え込む手間をかけてもレベルによっては冒険者に通用しないし魔物もステータスが高ければ通用しなくなっていく。
銃は武器としては手頃であるが、最大火力が武器に依存してしまうので他の武器よりも弱いと言うことになってしまうのだ。試せる術はないが銃術にも武技があるのかによってもその価値は大きく変動するだろう。
慣れてしまえば不要なものになるが威力を瞬間的に上げることは可能なのだ。剣術のスラッシュも僅かながらではあるが斬撃の威力を向上させる効果があり、それはオーラや魔力を武器に纏うことで代用できるとはいえそこまでの操作技術を得るのには時間がかかるという欠点がある。
身体から離れるほどに操作の難易度は上がる。それは手にしている武器でも例外ではなく、操作に集中していて周囲の警戒ができなくては意味がないのだ。おそらくは二十レベル以下の覚醒者は新人も良いところなのだろう。
ただそのレベル帯の者たちですら非覚醒者よりも高い身体能力を持つのだ。兵士としての技量は低いかもしれないが身体能力だけでゴリ押しすることも可能なのだ。
どのレベルから銃弾すらも見切れる様になるかは不明だ。ただオーラや魔力で保護さえしていれば今の樹でも致命傷を負うことはないだろうと推測している。迷宮内と外では違いもあるのだろうが、迷宮の外に関してはその世界の物理法則が強く働くというイメージである。
正確には迷宮主による制限がつけられていない状態が正しいのだが。
人数制限にも大幅な制約が迷宮につけられる。五人以上であればそれほどの制約とはならないが人数が減る事に最大コストが削られていくのだ。
いくらDPを貯めていてもその最大コストを超える迷宮は作り出せず迷宮の等級が上がるほどに難易度が高くなるのは最大コストが上がるからだ。
まだ寝るのには時間がある。そして冒険者たちに迷宮が解放されるのも同様だ。それならば鍛錬するのみである。樹は内なる力を制御するべく集中した。




