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冒険者からの成り上がり~迷宮経営も楽じゃない~  作者: 浩志
コンビニ店員、冒険者になる
11/33

十話

「申し訳ないが話を聞かせて貰って良いかな」


 四十代と二十代後半の男性警察官はそう告げて樹に対する聞き取りを始めた。


「はあ。何が聞きたいんですか」


 樹は既に全力で誤魔化すつもりであった。政府に監視されるのもそうだが、目立たない様に生きていければ十分に幸せだと思っていたからだ。しかもコンビニバイトを辞めて生活できるかは未知数だったがその目処も立ち始めている。


「田上さんで良いかな。貴方が迷宮で体験したことを教えて欲しい。無論、口外しないし起訴されることもない。ここに法務大臣の免責署名を用意させて頂いたので嘘はつかないで欲しい」


 樹としては嘘が破綻しない自信はない。一般人でしかない樹と犯罪者を逮捕し取調べをする警察官に嘘が突き通せるとは思えないからだ。樹が聴取に応じる条件として紫藤(しどう)さんの同席を求めた。


 樹が逮捕術を習った知人の父親である。(つむぐ)さんはノンキャリアであるが警部として働いている。紬さんには見抜かれたみたいだが、嘘はついていないが本当のことも言っていないギリギリのラインで納得してもらった。


 友人の父ではあるが樹の父、(まもる)とは子供時代からの付き合いがあり、家族ぐるみでの付き合いがある。衛の仕事は自衛官であり、家を留守にすることが多い。


 田舎であっても物騒な事件は多いし、樹が逮捕術を習うきっかけとなった事件があってからは紬の娘、(かえで)も不必要な外出を避けるようになっていた。現役警察官の娘が狙われた事件は警察の虎の尾を踏み徹底した捜査によって解決したが、楓を男性恐怖症にしていた。


 理解ある職場でなるべく男性と関わらないような事務仕事に就いていたが、関係を完全に断つのは不可能なので適切な距離をとって仕事をしているが限界でもあった。田上家が所有する山は資産価値は殆どないが、固定資産はかかるし有効活用する方法がないか検討されてきた。


 代々、長男が継いできたために名義人が一人で売却する分には手続きが面倒ではあるが不可能ではない。ただ、広い土地の一部でみかんを育てて家族が食べる分だけを収穫している。欲しがる人がいなければ買い手がつかないために土地の一部に実家が建っているだけで有効活用されているとは言い難い状況なのだ。


 樹は思い出せるだけの事象を時系列ごとに話していく。ゴブリンを何とか倒したこと。レベルアップの恩恵を受けたこと。そして、宝箱から短剣と回復薬と思われる薬を手に入れたことを素直に伝えた。


 危険物であることから短剣の所持は許可されないだろうし、薬は研究用に買い取りたい旨を既に書類で貰っている。正しい価値を見極めるために時間はかかるだろうが、既に二十万円を受け取っている。しかも、これは税申告を行わなくて良いとの政府のお墨付きである。


 副業であれば確定申告が必要となるが、政府も現時点では公表できることだとは考えていない証左となる。危険度を見極めた上で法整備をしてからの一般への開放を目指しているのだと思う。警察官は封鎖をしているだけで迷宮に侵入している者はいなかった。


 確かに銃器が殆ど意味をなさないのであれば踏み込むのは悪戯に犠牲を生むだけなので英断であるともいえる。ただ、格闘家とまでは言えないが、警察官は体を鍛えている者が多い。体力勝負である側面も強く犯罪者を逮捕するのには格闘技に精通している必要があるからだ。


 目の前の警察官を分析して分かったのはベテランと現場に疎いキャリア官僚と言ったところだろうか。紬さんが身分を保証していたので目の前の警察官の所属は聞いていない。ほぼ同年代の警察官は警察庁からの出向組だろうか。


 身なりに物凄く気を使う人と言う可能性も否定できないが使い込んでいる割には靴底がそこまで減っている歩き方をしてないように見える。急遽、聴取の為に内勤の警察官が回された可能性もあるが、その様には見えなかった。振る舞いが上位者であるものであったし、言葉を遮る事はなかったが質問者となっている四十代の警察官、田中さんは察してくれといった表情をしていた。


 県警本部から派遣されてきたのだろうか。明石と名乗った推定キャリア警察官は鋭い視線をこちらに向けている。田中さんは所轄署に勤務する刑事さんで紬さんの部下に当たる人だ。稽古をつけて貰うこともあるし楓の時も真摯に対応してくれた心ある警察官である。


 本当のことを言えないのは心苦しいが、それでも言えないことはある。先駆者は危険も多いが、成功すれば利益も大きい。冒険者という職業が本当に出来るのかは分からないが、コンビニバイトをこれ以上だらだら続けるのもどうかと思っていたのだ。


「協力を感謝します。後ほどまたお話を伺いするかもしれませんがその時はまた協力をお願いします」


「はい」


 聴取という名の尋問は終わったが誤魔化しきれていないだろうなと樹は思う。全く知らない人であればごまかせたかもしれないが田中さんは無理だろう。話したくないことは話さなくても良いとのことだったので都合の良いことだけを伝えたのだ。内偵調査も行われるだろうしボロを出さない様に細心の注意を払う必要がある。


「樹くんそろそろ私も仕事に戻るよ。衛にはよろしく伝えておいてくれ」


「はい。今日は忙しい中ありがとうございました」


 ----


「田中刑事、君はどう感じたかを素直に答えてほしい」


「はい。話してくれた内容については嘘はない様に思えましたが、本当のことも言っていないと感じました」


 明石の階級は警視。同期の中でも出世頭である。有名大学を優秀な成績で卒業し、国家公務員試験を経て警察官になった。警察庁から神奈川県警に出向しているのも現場の経験を積むためであり、今回の大規模騒動収束に向けた組織編成が済んだ後には警察庁へと出戻る予定である。


「そうだね。紫藤警部の表情を観察していたが、彼も事実は知らなさそうだ。そして、性被害にあった川上さんの聴取からは二人の接点を知ることは出来なかったが、何かを隠しているようにも思える」


 明石は早急に設立されることが閣議決定された迷宮警察(ダンジョンポリス)の担当官として配属される予定となる。警備局迷宮対策課が新設されその課長補佐となるのだ。不確定要素が強く警察庁の職員は基本的に捜査の監察・指導権しかない。


 適切に組織運用がなされているか確認をする立場であり、明石が現場で指揮を執ることは基本ないはずなのだが、緊急時には隊員達への命令権が認められるという異質の存在となる。


 魔物を倒した人物の身体能力の向上は確認されおり、その殆どが警察官や自衛官だが、一般人でも猟銃の所持・使用許可を得た猟友会所属の猟師や格闘技をしていた人など多岐に渡るために公安課でも情報の洗い出しに全力を傾けている。


 銃や刀剣類を規制していても素の身体能力で人を殺傷できるのであればその実行力が問題なのであって人格は二の次となる。潜在的な犯罪者には公安のマークがされているがそれも万全ではなく、銃を不法所持している可能性の高いヤクザに対して組織犯罪対策部も頭を悩ませているのだ。


「田中巡査部長。今日はここまでで良い。また明日も頼む」


 二人は敬礼して別れた。明石は傲慢な性格をしているわけでもないので本来であれば年下のそれも経験豊富なベテラン警察官にたいして命令することには抵抗があるのだがそれも慣れた。確かに明石は上昇志向が高いが出世できないのであればそれも仕方がないとも考えていた。


 叔父も警察官僚だったが、主流派と呼ばれる存在ではなかった寧ろ異端に近い存在だった。長官派からも総監派からも煙たがられていたのは真実を追及するためには手段を選ばなかったからだろう。


 迷宮対策課は自衛隊との橋渡し役であるために先方の指揮官と話をしてきたが、特殊部隊の隊長として選ばれた藤堂三等陸佐は豪快な人物であった。海外派遣の経験を持ち実戦を経験した者だけが醸し出す雰囲気もあった。隊の先頭に立ち迷宮の中ではコンバットナイフで魔物を倒した猛者である。


 銃も装備していたが、迷宮の中では効果がないと分かると慎重かつ果敢に迷宮内の調査任務を達成した。部下も頭がイカれているのか円匙(えんぴ)で魔物、仮称ゴブリンの頭をカチ割ったそうだ。


 警察の人間でも限られた者しか出来ないだろう。国はレベルアップ効果を確認し、危機感を募らせている。何れは国民全員にレベルアップ教育が行われ迷宮も冒険者に開放されるだろうが、治安を守るものとしては頭の痛い問題だ。


 高レベルになれば通常編成の自衛官や警察官では対処できない問題も出てくるだろう。魔物に対処するなかで人間にも注意を払わなくてはならない。警察官は警邏隊員ですら高レベルかもしれない犯罪者と対峙しなくてはならないし、自衛官ならもし迷宮から魔物が溢れた際には駆除しなくてはならない。


 溢れ出した時点で既に警察の対処能力を超えるだろう。迷宮に関する法律も草案の作成が急がれていると聞いている。実情を把握するのに労力を惜しむべきではなく、成人男性とはいえ少し鍛えられたくらいの若者がカッターで魔物を倒せてしまえることに危機感を持たなくてはならない。


 先程も言った様に能力の問題なのだ。迷宮に飲み込まれて生還したことは喜ばしいことだが、藤堂三佐率いる部隊でも迷宮を攻略できなかった。難易度としてはゴブリンやホブゴブリンしか出てこなかった為にそこまでは高くなかったのだろうと推測できるが迷宮の消滅を日本国内で確認したのは田上氏が生還した迷宮のみであった。


 国が把握している迷宮だけで百を超える。その土地を象徴するランドマークが迷宮化する傾向にあり、都庁や東京スカイツリー、大阪城など有名所が迷宮化したと聞いた時には頭を抱えた。


 それならば国会議事堂が迷宮化してしまえと感じた者もいるだろう。緊急事態宣言が出されたことで警察官もフル稼働している。自衛官も周囲を封鎖して有事に備えている。それなのに呑気に外出した人のせいで警察官や自衛官に殉職者も出ている。


 混乱に歯止めをかけるために田上氏の聴取に参加したが、警戒させてしまったらしい。生還者全員に行っているし、田上氏と同様に魔物を自力で倒した一般市民もいる。出来れば協力を得たかったというのが本音である。


 田上氏の身元は確かであり、実戦経験を得た者の視点でしか分からないこともある。入院中に確認させたが、オーラだけでなく魔力も確認された。この二つの力が及ぼす影響については未知数であり、ステータスカードと呼ばれる未知の技術も確認されている。


 藤堂の意見ではステータスカードは運転免許証に変わる新たな身分証になりえるとのことだったが、信用性には現在ではまだ欠けるとのことだった。スキルという未知の力があるために偽造する手段もある可能性が示唆された。


 看破や鑑定といったスキルも存在しているようだが、取得方法は確立されていない。五レベル毎に得られるBPも自動消費されているようでそういうものだと認識されているらしい。若い隊員ほどまるでゲームの様だと言うだが、現実に起こっていることでありゲームの様に死んだら復活ということはないのだ。


 山積みとなっている仕事は一つずつでも減らしていく必要がある。明石は回された車に乗り書類に目を通すことにした。


 ----


 川上春菜は絶望の淵にいた。世間はクリスマスで浮かれており、春菜も初めてできた彼氏とデートをする予定だった。春菜が病院で覚醒したときには全てを失っていた。部活で一緒に過ごせる時間が少なくなると早朝にも関わらず会いに来てくれた彼氏。


 その彼氏は既にこの世にはいない。待ち合わせをしていた公園で話をしていた時に地震は起きた。確かに大きな地震だとは思ったが、気付いた時にはよく分からない場所に放り込まれていた。


 春菜はアニメなどは全くみないがその緑色の皮膚をした怪物が普通の生物でなく、また人類に敵対する存在であることを本能が感じ取った。逃げる 逃げる 逃げる 戦うことなど頭にも無かっただが運動があまり得意でない春菜は捕まった。


 そこからは地獄だった心を守るために犯されてる最中のことは良く覚えていない。両親や医師は辛いことは無理して思い出す必要はないと言った。ただ以前の生活に戻れないことを知った春菜には絶望しかなかったのだ。


 救出される前に目を覚まし、後は止めを刺すだけの状態にされた怪物がいた。辺りには怪物達の死骸があり、死臭が立ちこめていた。羞恥の後に襲ってきたのは猛烈な怒りだった。身体を穢され心まで穢された。


 武器を手に取り振り下ろすだけで怨敵の命を奪うことが出来る。錆びた短剣は切れ味はお世辞にも良いと言えなかったが、自身が味わった恐怖を味わせるにはちょうど良い。力は込めているが急所になりそうな場所を避けて刺した。そう何度も何度も怒りを込めて刺した。


 そして声を聞いた。


 《規定経験値を超えました。レベルが一となりました》


 《特殊条件を満たしました。強制的に【復讐者】の(ジョブ)へと転職しました》


 《特殊職 復讐者は条件を満たすまで他の(ジョブ)へは転職することはできません》


 そして気付いたら外に居て彼氏の遺体と対面することになった。錯乱していることは自覚していたがどうしようもなかった。そして、緑色の怪物がゴブリンと呼ばれていることを知った。両親や医師は外部情報をあまり知らせたくない節があったが、嫌でも耳に入ってきた。


 あの日、春菜の今までの常識どころか世界の理が変わったことを知った。日本だけでなく、世界中で魔物による被害者が多く出ており、四肢を失った人も大切な人を失った人も多くいた。


 担当となった葛西先生は己に厳しく患者に優しい医師であることは直ぐに分かった。警察への事情聴取にも同席してくれ不躾な質問には答えなくて良いとまで言ってくれた。まだ男性と接するのが怖いと知った葛西先生はパーソナルスペースを広めにとってくれたし自身の海外での医師活動についてもよく話してくれた。この会話も治療の一環なのだろう。


 経過観察は女医を手配してくれたのも葛西先生で危険地域に指定された公園にドクターカーで待機していたのは先生と助手の看護師だけだったと聞く。安全を確保するまではたとえ医師であっても立ち入り禁止となっている公園に葛西先生は助けが必要となる患者がいたために躊躇なく飛び込んだ。


 警察官の制止を振り切ったために怒られることになったそうだが、病院は先生を擁護した。確かに日本という枠組みに囚われない葛西を病院は持て余すこともある。だが、外科医としての腕は確かであり、救急救命医としては全国でも十指に入るそうだ。


 身体の傷は治るにしても心の傷は難しいと葛西先生は言った。私の中にある復讐心を察しているようでもある。復讐者の効果は個人によって異なるらしい。私の場合、異性に対する憎悪大、小鬼族に対する特攻大 異性に対する特攻中そして同性に対する攻撃力減中であった。


 葛西先生は良い人だと分かるだが、男であり潜在的な敵である。武器は警察に回収されてしまったが、害することは可能だろう。レベルアップを経験してから身体は以前とは変質してしまった。自分の中では軽く握ったつもりであったが、握力計は四十Kgを示していた。


 身体能力の向上は一見すると良い事づくしに思えるが、レベルアップした人の中には治療の為の針が通らなくなったり、日常生活での力の使い方が上手くコントロールできずに物を壊してしまうなどが頻発するようになったらしい。それに伴い法律改正の動きもあるらしい。


 テレビでよく見る様になった総理大臣も疲労を隠せなくなってきている。ただでさえ未曾有の感染症に苛まれていたのだ。迷宮の出現はそれに追い討ちをかけるかのように治安を悪化させた。


 法律の事は良くは分からないが、私権を制限するためには補償がセットでなくてはならないらしい。緊急事態宣言もまた強制力のない自粛を促すためだけのものであり、自身のコミュニティで感染者が出たことのなかった春菜にとっては所詮は他人事でしかなかったのだ。


 だが、迷宮に関しては巻き込まれしまった。好奇心旺盛の人にとって迷宮には惹かれるものがあるらしく、侵入して身体の一部を失ったり、命を落とした。自衛隊が迷宮に乗り込むも被害を出しつつ撤退などのニュースは退院してから知った。


 そして、日本政府は迷宮関連法案を議決し与野党の圧倒的賛成によって即時公布・施行された。レベルアップしたものは役所への届出の義務があり、違反すると半年以下の禁錮もしくは十万円以下の罰金となる。レベルアップしたと知った時から一週間以内とし、迷宮へと放り込まれてしまった被害者、迷宮遭難者に関しては警察などの行政機関による代理提出も認められた。


 今のところ迷宮に侵入するのは違法である。だが、春菜には迷宮へと潜らなくてはならない理由があった。(ジョブ)、復讐者は一定期間に憎悪の対象となる魔物を狩らなくては身体能力が低下していく。それがレベルアップ前の一般人程度であれば良いが、身体能力が下がることによって死に至る可能性もあるために油断はできない。


 春菜は葛西医師の立ち会いの下で警察官の事情聴取に答えたが、復讐者についても話している。まだ迷宮が現れてから日が浅く情報収集は急務であったが、当然、ジョブを得ている者は限られ研究者にとって興味の尽きない事象だろう。


 当然、春菜の両親は反対したが、サンプルとして希少性の高い春菜を野放しにすることはないだろう。血液サンプルも取られ身体に異常がないかの確認は春菜にとっても必要な為に退院するまでに一週間もかかってしまったのだ。


 迷宮に関する各種法律、通称【迷宮・冒険者法】は遭難被害者に関する補償の項目もあり、医療費は月二万円を上限とする負担で済むのだ。ただ、情報提供の義務があり、迷宮での出来事を詳細に話さなくてはならない。


 それに故意に侵入した者を対象としないのは未知の資源は欲しいが、冒険者達の補償はしてられないという政府の本音が漏れているかのようだった。迷宮が出現した土地が私有地の場合は路線価を元に国に強制徴用、建物に関しては評価額を専門家によって算出し買い取ることが決まった。


 日本では未発見迷宮を除いて政府の管理下に置かれることとなった。そして、警察官に一番に聞かれたことは春菜を救った存在についてである。春菜は苦痛から逃れようと心を閉ざし意識を失った。


 短剣を置いていった冒険者のことは見てもいないし、ゴブリンを倒して放置して行った人については興味はあるが、探す気はなかった。気付いた時には衣服を身に纏っていなかったし、助けるにしては中途半端だと思う。確かに緊急時において自身の命を優先することは責められたものではないのかもしれない。


 知らない誰かよりも自身や身内を優先するのは寧ろ当然だと思う。だが、春菜は自身の容姿が優れているという自信があった。勉強も運動もそこそこ出来るほうで県内の進学校に通っているのだ。


 命の危機には人の本質が見えるという。春菜も迷宮で人に出会っていても助けの手を差しのべることは出来なかっただろう。既に選択しなくてはならない時間は過ぎ残ったのはゴブリンに対する強い恨みだけであった。学校を休学することにし冒険者になるべく春菜は身体を鍛え始めることにした。

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