夏締め
締め切りに追われ、
一つ終わればまた一つと
可愛そうなほど、
命を木々に燃やしている。
お盆が過ぎた昼間なら、
ずっと愛していいものか。
尋ねてみようとしたなら、
同じく命を燃やせん。
このまま朱の日になり、
このまま白の日になり、
このまま空の日になり、
二人で命を丸めん。
ああ、ああ下らない、
木々の間から笑われて、
三次元へと戻れよと、
つんざく熱量がせまる。
愛したいと思うのは、
中途半端な熱病だから、
目を覚ませ、目を瞑れ、
色彩までもとどろける。
あと何日、あと何時間、
蝉なら蝉の愛し方、
あと何年、あと何十年、
人なら人の愛し方。
夏の締め切りへと、
肌の締め切りへと、
命の締め切りへと、
堪え性もなくなる。