冬の日の帰り道
薄闇と橙に染まる空。
夕暮れは遠くに過ぎて、太陽は彼方へ消えた頃。
心地良い寒さと、人の居ない静寂。
オレンジに照らされた雲たちから
音もなく流れる涙のように
雪たちが降りてくる。
街灯が立って、ひと際明かりを強くする。
周囲の闇を際立たせて。
ここは完成されている。
何一つとして欠けたものがない。
この世界に生きてゆけたらどんなにか良いだろう。
この風景に一つ黒を挿して、
私という人影を閉じ込めて、
一つの絵画となれたなら、
それほどの幸福はないでしょう。