〜俺の時代〜
ども、瀬戸裕二です。長らく留守にしてすいませんでした。ちょっと戦闘が書けないので、日常に転向しました。よろしくお願いします。
走る。周りが止めるのも無視して。
飛びつく。一人の少女に向かって。
守る。飛びつくと同時に背中に感じたことのない衝撃が走る。足がありえない方向に曲がっていて手の感覚がない。
俺は少女を抱きかかえながら、地面を数回バウンドした。
周りに人が駆け寄ってくるのが見えた。少女が叫んでいるが、もう俺には聞こえない。
ーーーーまあ、俺にしては上出来だなーーーー
俺みたいな奴が最後に誰かを助けられたのならむしろ本望だ。
‥‥ただ、欲張っていいなら助けた少女の「ありがとう」っめ言葉を聞きたかった。そんなことを思いながら俺の意識は落ちた。
‥‥‥はずだった。
目が覚めたら病室のベッドに寝かされていた。
「は?」え?なんで!?俺は死んだんじゃないのか?
ベッドから起き上がり、鏡で自分の体を見る。ありえない方向に曲がっていた足も、ちぎれた腕も割れたはずの頭も全て元通りだった。顔さえ変わってない。
ガチャ。急にドアが開いたのでびっくりした。
1人のナースが入ってきた。
「神崎さん!?目が覚めたんですね!」
「ええ‥まあ」
「俺はどうしたんですか?」
「覚えてないんですか?階段から落ちて気絶したんですよ」
「そうなんですか‥‥」
「念のため、今先生を呼んできますね」
「‥‥お願いします」
その言葉を聞くとナースはもの凄いスピードで走っていった。
『ここは俺の知っている世界なのか?』
ふと、そんな疑問が浮かんできた。確かよく読むラノベに異世界転移なんてものがあったな。
部屋にテレビがあったのでつけてみる。
「今朝、男性に23歳の女性が痴漢行為を行ったとして現行犯逮捕されました。なお、女性は容疑を否認しており‥‥」
は?おかしくね?女性が男性に痴漢?
まさかとは思うけど‥‥。窓から外を覗いてみる。
女性。女性。女性。窓の外には女性しかいなかった。
すぐ様パソコンを部屋にあったパソコンを立ち上げる。
まず、最近あった事件。どれも女性の男性への暴行、痴漢などだった。
次に調べたのは男性と女性の割合。男性が少子化で国が検討中とのことだ。
「まじか‥‥」調べた結果、俺が思うにこの世界の男女比は1対1000だ。
結論。俺は容姿や記憶はそのままで別の世界に転移させられたらしい。ただ、ナースが俺の名前を呼んでいたが、俺には記憶がない。つまり、俺は元の世界で死んで、この世界に転生した。
そして階段から落ちた衝動でこの世界の記憶と引き替えに前世の記憶を思い出した、ということだ。
『marvellous‥‥神よ感謝する』
やってやる‥。俺この世界で幸せを掴んでみせる!
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