三日目 日向さんの正体(前)
「菊池君、なんで分かったの…?」
『は~ん。当たったのね…』
『勘だよ勘。最近、噂にもなってたしなぁ』
ほんとに鋭いな菊池君…。日向さんは、僕との関係はバレたら嫌なのかな…?
後で聞いてみるか。
「一応ではあるけど、他の人にはバラさないようにね」
「僕は大丈夫だけど、日向さんがバラされても平気なのか分からないから」
心配ではあるから、念のために言っておく。
『分かった。』
お、よかった。ほっと一息、胸をなで下ろす。
『ところで、よく付き合おうと決めたな。』
?????
意味ありげな言葉が投げられた。
僕が見てきた日向さんの姿は、別に変なところはないし、むしろ完璧に近い姿だ。
ふと、思い返すと変な表情を浮かべるときがあったけど…問題は無いだろう。
「よくなんて…。少し酷くない?」
『気を悪くしたんだったらすまんな。だがな…』
「?」
『日向は、すごい噂があってだな…』
「うん。」
『あいつは…ドが付くほどのSだっていう…噂がなぁ…』
「え?」
次の瞬間、僕は日向のアイコンをタップし、電話をかけていた。
『電話かけ直して、そん』
「ショックだよ!!」
『なショックだったか』
日向さんが…ドSだって…?いや、そんなわけが…
「その噂はどこから出たの?それ聞かない限りは信じられないよ!」
『分かったから落ち着いてくれ。これは、日向が中学生の時にな…』
そこから、僕は中学時代の日向さんを知ることになった。