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35、頼りましょう

 カニを倒せたけれどすごい釈然としない。これはRSOじゃない。

 いや、RSOなんだけど、ルナティックモードにメンタルが慣れた後にイージーモードで介護をされた。

 もうほんとそんな気分。これは僕の知っているRSOじゃない。


 これで川に特攻したらヤゴに食われるのだろう?

 死角から遠距離から不意打ちをかまし、防御力の低い初期サモナーは頭を失う事になる。

 ……。装備があるからヤゴって対応できるのだろうか?


 ヤゴって水中での移動能力は低いはず。確か普段は川底の石とかに張り付いてのたのたと歩く。

 けれど確か1部のヤゴはお尻の穴から水を噴出してミサイルの如く飛んでいくとか。ジェット推進式。

 ウチワヤンマとかだっけ? とりあえずそういう種類もいるから仲間に出来たら面白そうだな。


 そういえばこんな勝ち方だけど、カニは召喚できるようになるのだろうか?

 まるで苦労した感覚がない、とても虚無感が募る勝ち方なんだけど。

 仕方ない。仕方ないのだけれど、こうするしか戦う方法がなかったから。


「サモン」


 カニ。カニでどうやって戦えばいいのだろう。ハサミをフリフリしているなぁ。

 見ての通りカニのハサミは挟んで潰して引き裂く事は出来ても、切り裂く事には向かない。

 テン子様は足止め要員にしていたんだっけ。あれなんか違う気がする。


 ただその使い方は僕には出来ないかな。そもそもテン子様もカニの足止め能力の低さには悩んでいた。

 左右に動くのはいいが、跳ねたり出来ないし、上を簡単に抜かれてしまって役に立たない状況に陥って困っていた。

 トラップ的な使い方で瞬間的に足を抑えるためだけに育てるのにはちょっと厳しい。


 それよりも物理に対する耐久力、特に斬撃への耐性に注目して防具としての使い道を考えた方が無難かもしれない。

 背負ったら背中から斬られるの防げそうだし、近接戦でハサミを使った攻撃や牽制を行ってくれたらすごい助かりそう。

 固定にはおんぶ紐と血赤に頼めばいいだろうか? 特殊な進化をしてくれたら面白い事になりそうだ。


 名前どうしようかな?


 ズワイガニとかタカアシガニとかそこら辺の赤いカニがすごい頭に浮かぶ。

 ちなみに召喚したカニはサワガニ風の見た目をしている。足がしっかりしている。

 このカニが装甲みたいに進化したら面白そう。


 育てるとしたら素早さ(AGI)にはステータスを振らず、硬さ(VIT)特化にさせるべきかな。

 上半身の装備として召喚するなら移動能力はほとんどいらないだろうし、そうあるべきかな。

 魔法攻撃には弱いけれど、それはまた別の仲間を育てればいいだろう。


 赤い鎧。赤鎧。紅鎧とでも名付けようかな? 血赤とかと名前の系統合っているしいいかな?

 この調子でサモンモンスター達を装備していったら最終的にどうなるのだろう?

 なんかゴテゴテとした怪人になりそう。仮面ドライバーの敵になりそうなタイプの。


「紅鎧。君の名前は紅鎧だ」


 甲羅のサイズがだいたい肩幅だ。これはもう背負うの想定しているのに間違いない。

 あ、おい、指を挟まないで! わかった。わかった。これは痛いのか? 関節に無理が来ているのだろうか?

 どの道甲羅が重いから紐がないと背負えないか。紐ってどこで買えるだろうか?


 ギルドに行けば買えそうだな。買うお金がないけれど。

 そこら辺はバイトをすればいいか。そういえばシフトどうなっていたっけ?

 ……。具体的なシフトはまだ決めていなかったや。鍛冶の方に回されちゃったから。


 で、どうしようか。装備をつけると雑魚敵と戦えない。つけないと袋叩きにされる。

 1人じゃないとサモンモンスターの仲間を増やせない。

 紅鎧を仲間にしても移動力が低いし、僕は強化されたけれど人手は増えなかった。


 手詰まり感がすごい。


 鍛冶場に行けば石炭運びのバイトでも出来るだろうか?

 お金を貯めて装備を買う? 装備を買っても敵に逃げられたら何も出来ない。

 戦えるようにならないといけない。それは適正レベル以下の装備で技量を上げる事で倒せるようにならなければいけないという事だよね。


 敗色濃厚になった時点で敵が逃げてしまうから出来るだけ1撃で仕留めないといけない。

 サモナーはステータスが低い。1撃では仕留められない。逃げられる。

 ……。なんかすごいつんでいる気がする。


 罠を張って袋小路に敵を追い詰めて逃げられないように場を整える必要があるのか。

 問題はどうやって敵を見つけて、袋小路に追い込むかだよね。

 フィールドの角って袋小路に近くないかな? 端を木とかで柵を作り越えにくくすればもっと追い込む範囲を狭く出来るだろうか。


 まずは紐が欲しいな。紐ってどうすればいいんだろ?


 木のツタとかを利用できればいいけれど、それを入手できそうなのは森の中だよな。先のフィールドだもんなぁ。

 生き物の毛皮を紐に加工したモノとかだと買わないと入手出来なさそうだ。

 木綿とか植物の繊維を利用したモノは柵とかに使うには弱そう。材料が初期フィールドだし。


 自力入手は困難だな。ギルドで買うしかなさそうだ。

 お金欲しいからさっき分かれたパーティーとパーティーを組むってちょっと恥ずかしい。

 結局鍛冶場でバイトをするのが1番良さそうだ。


 テン子様に頼れば鍛冶場でまたバイト出来るだろうか?

 クレクレ厨にはなりたくないし、出来るだけ労働などを対価にしたいな。

 とりあえずまずはテン子様に話をしてみよう。さっきまでいたんだし、まだログイン……うん、よかった。してた。


『いきなり連絡すみません。鍛冶場で働きたいのですが、また口利きをお願いしてもいいでしょうか?』


『いいですよ。いつ頃がいいですか?』


 秒で返ってきた。え……すごい嬉しい。いつ頃か。これからすぐすぐが出来たらいいな。

 時間はどれくらい取れるだろうか? 今の時間が午後7時か。8時にご飯だから後1時間も居られない。

 ご飯が終わったらと考えると9時以降がいいな。


『現実時間で9時頃でお願いできますでしょうか?』


 こうやって話せるなんて夢の様だ。

 いつも配信画面を見て追いかけていた人と話せる。

 個人個人で話せるんだ。とてもじゃないが現実だとは思えない。


『わかりました。ちょっと交渉してきますね』

『ありがとうございます!』

 

 配信でコメントをして返信してもらうのと違い、個人同士の会話だ。

 その他大勢と一緒ではなく、特別な人になったようなこの感覚の心地よさ。すごい。

 いや、これはただの事務的会話だ。テン子様にとって特別なモノじゃないんだ。


 あー、でもすごい胸が躍る。こういう会話だけでも出来るだけ嬉しいよね。

 一ファンから僕っていう個人になったみたいで。ほんと大分違うよね。

 語彙力が足りなくなる。この嬉しさは言葉にしきれない。


 今すぐ出来る事もないし、一旦ログアウトしようかな。

 夕ご飯の手伝いをしたらログインを早く出来るかもしれないし。

 ゲームばかりで手伝いをしないとか言われたら面倒だし、いい子面もしておこう。






 わ。わ。わ。 ……私に連絡って奇跡か何かの間違えじゃないですか? 私ですよ? ボッチ何年目の私ですよ? こういう風に頼られるのって生まれて初めてじゃないですか? ボッチですからね!

 思い返せば学生時代、何度頼られるかな? 頼られるかな? と地味に期待したシーンがあった事だろうか? 私? 静かに待機して期待してました。何も起きませんでした。口を突っ込むのって難しいですよね! えへっ! おぇ……。おじさんがえへって誰得ですか……。

 昔を思い出して、河原に行ったらたまたま会えましたけど、ホント運がよかったですねぇ。私狙って行動したら絶対イレギュラーになるって思ってました。1人で行くと普通のボスと未だに戦う事が出来ないですし……。人を誘っていくと普通のボスになって別れて戦いを始めた瞬間イレギュラーが出るし、私何かしたのかな?

 あー、とりあえずクリム君が私を! 私を! 頼ってくれているんです! 鍛冶場メンツは誰がいるかなー。21時のシフトは……うん、よかった。話した事がある! 頼めばバイトを受け入れてくれるかな? ムリさせちゃダメだし、話を聞いて頼めそうならって感じでいこう!

 お金はスキルツリーの購入に使うし、私の時はスライム狩りしてたなー。あの時はギルドもここまで大きくなかったし、お金稼ぎも大変だった。筋力トレーニングも兼ねたバイトって面白い。あの子強くなるかな? どうなんだろ? サモナー人口が増えてくれると私としてはとても助かるし、長く続けて欲しいなー。

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