26、成長
ドロップ
選択により要解体状態。
アチーブメント
スモールバード討伐
スモールマウス討伐
スモールドッグ討伐
スモールキャット討伐
スモールラビット討伐
スモールクロウ討伐
チーム討伐
10匹以上の集団狩り
20匹以上の集団狩り
討伐適正レベル+5
討伐適正レベル+10
一撃確殺×6
被サポートサモンモンスター×6
サモンモンスター適正(小)×6
反撃させない
討伐時間10分以内
討伐時間5分以内
討伐時間1分以内
討伐時間30秒以内
……
「レベルが一気に上がっちゃったな」
ただサモナーのつらいところ。
他のプレイヤーとパーティーを組んでいるとサモン可能なモンスターが増えない。
このゲームは寄生を弾くための仕組みが本当に多い……。
討伐に貢献していないメンバーには容赦なく、貢献度0だから寄生判定、バッドアーチブメント付与とかやってのける。
戦闘に貢献できないならパーティー組んでも強くなれないからな?というパワーレベリング防止措置。
サモナーに関しても戦闘にどういう風に貢献したかも怪しいからサモンモンスターの種類増やすのはソロ限定な? 的な処置だ。
サモナーは運営公認ルナティックモード。故に始めた人の9割以上がすぐに辞めるジョブなのだ。
サモナー本体がほかのプレイヤーと組んでやることって素材集めか特殊なアチーブメント稼ぐ時かくらいかな……?
いや、サモナーがある程度成長したら、汎用性の代わりに専門性の高いサモンモンスターに偏っているから、普通のプレイヤーよりも特殊なアチーブメントを稼ぐことができやすい。
素材集めもサモンモンスターを組み替えればどんなフィールドにも対応できるし、普通のプレイヤーよりも行動範囲が広くなりやすいから、他のプレイヤーと組んでどこかに行くということはなさそうだ。
サモナー本体だけ見ればステータスの合計が他のプレイヤーの8割しかないし、スキルもサモンモンスター依存でジョブとしての強度はほとんどない。
パーティーにしても特化プレイヤーのパーティーには劣ってしまうし、不遇じゃないか? と言われたら不遇なジョブで間違いはない。
サモナーが倒せないレベルの敵に対しては特化プレイヤーのパーティーが優位。
自力では入手できない素材を集めるために交渉が必要か。
そしてその対価としては、移動手段などのメソッドとしてサモンモンスターのレンタルがあると。
「クリム? このまま一緒にFB倒さない?」
「倒そう?」
「そうだね。このまま倒しに行っちゃおうか」
FB倒すのはサモナーソロではきついかな……。
いや、このフィールドのFBはテン子様はソロで倒していたんだ。それも通常よりも巨大なのを。
FBは確かに強いが倒さないことには先のフィールドに進めない。
言い換えれば適正な強さがあるパーティーであれば倒すことができて当然の強さでしかないのだ。
倒してみせようじゃないか。
「ここのFBって何だっけ?」
すっとぼけた表情のサニー。覚えているだろうに。
だがしかし事実の確認も含めたそれはパーティーの認識の確認につながるのでいい事なのだろう。
「子牛」
サクッとスノーが答えた。若干ノリノリなご様子。
クイズを楽しむ感覚なのかも。
親鳥とひな鳥。うん。間違いない。
「そうだった。肩の高さがだいたいアタシたちのお腹くらいの大きさだよね」
「うん。私だとちょっと攻撃力が心もとなくて倒しきれないの」
何か言いたげな目で2人が見てきた。
うん、わかってる。
「じゃあ、僕が火力になろう」
「やった。ありがと!あ、急所はわかる?」
「あごの下と鼻」
「そうそう!真正面からだけど大丈夫?」
「もちろん」
頭蓋骨は硬いからそこを殴ってもあまり有効打にならない。
上からの力には強いが下からの力には弱い。だからあごを狙うと脳震盪を起こしやすい。
骨がもろく神経が多い鼻。ここを狙うとひるみやすい。
出会い頭にぶちかまし気絶させたうちに、心臓に一突きもしくは首を一裂き。
これが最速パターンにして最もお肉が美味しく入手できる方法。
ここのFBは子牛ということで、柔らかい美味しいお肉をとるために高レベルプレイヤーがタイムアタックを行っている。
早ければ早いほど、戦闘によってお肉が硬くなったり、内出血で血生臭くならずに済むのだ。
ただ解体が手動でないといいお肉がとれない。
解体ギルドもあるがそれでも子牛1頭となれば時間がかかってしまうので、1人のプレイヤーが狩ることができる子牛の数は解体ギルドに依頼する分1週間に1頭と自分で解体する分だけとなっている。
ランダムドロップでは武器や皮などばかり出てくるため、高レベルプレイヤーにとって美味しくない。
だから1回の狩りに真剣になる。
子牛狩りは食肉業者と呼ばれてしまうプレイヤーたちにより研究され尽くしているのだ。
僕であれば鼻面を殴り、手甲の爪で首を裂けばいいのだろう。
……あれ? これって上手くやればソロできるんじゃないかな? 最短ルートで。
すごい相性がよさそうだ。
「そっか! じゃあ、決まったことだしFBのところに向かおう!」
「向かおう!」
すごく心が癒されます。秒速で癒されてます。
こう身長差もあるからかな?
小さな無邪気な子供を見ているみたいな気持ちになる。
裏表がなくて真っ直ぐに色々とモノを考える子供ってすごく興味深くてかわいい。
これを天使と言わずして何を天使というのだろうか?
草原を歩く。
簡単に聞こえるかもしれない。
しかしそれは勘違いだ。
ただ歩くだけであれば奇襲を受けることになる。
奇襲を受ければ防具をしっかりと身に着けた僕やステータスとしてタフなサニーは多少HPを減らすだけで済むかもしれない。
しかしスノーはタフさで言えば低い。奇襲を受ければ死にかねない。
それを許容できるモノはここにはいない。
だから奇襲を行えないようにするしかない。
つまり30m程進む毎に戦闘だ。
サニーが咆哮を使い周囲の敵モンスターを惹きつけ萎縮状態で引きずり出す。
スノーが魔法を使い一網打尽にする。
僕は残党を倒す。
このゲームでは同じ敵から同じアチーブメントは得られない。
だから同じ方法で敵を倒してもほとんど素材集め程度の意味しかない。
ちょっと空しい。
戦闘に次ぐ戦闘でスノーのMPが切れそうになるので、休憩時間をはさみながら進むことになる。
獣人種としてはMPの多い種族のキツネでも魔法の適正は幻術特化で普通の魔法はそこそこの効力しかない。
適正値が高い魔法であればMP消費量も少なくCTも短くなるが、高くなければドカドカMPが削られてしまう。
熟練度を上げていけば多少は改善されるが、適正に熟練度の上昇度も左右されるので効率的ではない。
人間に比べたら高いステータスに少し多めのMP、幻術特化のため多少属性魔法の適正は若干低めだが、キツネの獣人も強い種族だ。
VSモンスターであれば認識操作の幻術スキルで粗方翻弄出来てしまう。
VSプレイヤーとなると認識操作の幻術スキルの仕様上使えなくなってしまうため、PVPには向かないが闘技場でもない限りPVPは出来ない仕様なので問題ないともいえる。
……そういえばそんな幻術特化のキツネさんになんで属性魔法を……あっ、火力がいなかったからか。
「ねぇ、サニー、スノー?ちょっと話があるんだけどさ」




