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世界の狭間で  作者: 如月 むいか
第1章
2/10

災厄のはじまり

キャラ紹介です!

レナーテ

・主人公

・精霊姫

・人間年齢で12歳くらいの美少女



ルクレツィア

・精霊女王

・人間界を創った本人であり、全ての精霊の母。

・気分次第で世界を滅ぼせるだけの力をもつ。


アトラス

・空を司る大精霊

・精霊女王の伴侶で最初に生み出された精霊

・基本的に真面目な性格だが家族Love


リヒト

・光を司る大精霊

・精霊の王子でレナーテの兄

・人間年齢で16歳くらいの美少年

・重度のシスコン

・いつも温厚だが人間に強い嫌悪感をもっている


アネモス

・風を司る大精霊

・精獣の姿は非常に幻想的な鳥

・見た目に反して押しに弱い


アーグア

・水を司る大精霊

・精獣の姿は水龍

・物静かで威厳がある

・グレイシアとは犬猿の仲


ラント

・土を司る大精霊

・精獣の姿はキツネ

・マイペースで楽観的


フラム

・炎を司る大精霊

・精獣の姿は狼

・大精霊の中で最年少でまさに少年という感じ

・シュニィのことが大好きで会う度にアタックしている


レイン

・雨を司る上位精霊でアトラスの眷属

・精獣の姿は可愛らしいトカゲの様な感じ

・いつもニコニコしている可愛らしい女の子


シュニィ

・雪を司る上位精霊でアトラスの眷属

・精獣の姿は犬のハスキーのような感じ

・人見知りだが怒ると怖い

・フラムからのアタックに驚いてはいるが嫌ではないと思っている


ラード

・雷を司る上位精霊でアトラスの眷属

・精霊 獣の姿は虎

・とても活発でムードメーカー的存在

・うるさすぎてウザがられることもよくある


グレイシア

・氷を司る中位精霊でシュニィの眷属

・精獣の姿は白いきれいな犬のような感じ

・アーグアといつも静かに争っている

・シュニィのことを主様と呼び、「主様は私が守る」と常に思っている

・会う度シュニィを驚かせているフラムを警戒している






少し水色がかった銀髪とライラック色の瞳をもつ可憐で美しい少女。そんな彼女の名はレナーテ。世界を統べる創造神であり精霊女王、ルクレツィアの愛娘。つまりは精霊姫である。


―精霊界上空に佇む精霊城では、毎日多くの精霊が集まっては、語り合い、笑い合い、幸せに暮らしていた。


「母様、父様、おはようございます!」


「「おはよう!」」


「…んん〜。おはよう、レナ。」


「リヒト兄様、おはようございます!なんだかとっても眠そうですね。」


「ああ、ちょっと夜更かしをしてしまってね。父上と母上も、おはようございます。」


リヒト兄様が寝坊なんて、珍しい…


「ええ、おはよう、リーくん。」


ふふふ、母様ったら。その呼び方じゃまた怒られてしまうのに。


「は、母上!その呼び方はしないでくださいと何度も言っているではありませんか!」


ほら、やっぱり!


「まあっ!どうして?素敵な呼び方じゃない。ねえ、アトラス。」


「ああ、とても良いと思うよ。まあ、ツィアが呼ぶのだから当然だな。」


父様ったら、ほんと母様至上主義なんだから。


「父上まで!はあ、僕はもう子供ではないのですよ?」


「あら、わたくしにとってはいつまでも子供よ。」


「はあ、レナはどう思う?」


もう兄様、私に聞かないでよ〜。どう答えようかな…

私が返答に困っていると、アーグアがちょうど来てくれた。


「ルクレツィア様、アトラス殿、リヒト様。あまり姫様を困らせてはいけませんよ。」


さすがアーグア!頼りになる!


すると、ラントとアネモスも一緒に来た。


「そ〜ですよ〜御三方。姫様が困ってます〜。」


「そ、そうですよ。困らせたら、だ、ダメだと、思います…」


「もう、みんな子供たちの味方なのね。」


あ、母様、拗ねちゃった。


「ツィア、私はいつだって君の味方だよ。」


ああ〜。また始まっちゃった。


「アトラス…!」 「ツィア…!」


「ん?女王様とアトラスさん、また朝からイチャイチャしてるの〜?」


ラントも朝から元気だね…


「ほんとだぁ!今日もラブラブだぁ!あ!シュニィ!おっはよ〜う!」


あ、フラム。シュニィも来てたんだ…でも、そんな風に抱きついたら…


「ひゃあっ!」


「フラム様、主様が怖がっていらっしゃいます。いつも言っておりますが、急に抱きつくのはおやめくださいませ。」


グレイシア、すごいフラムを睨んでるなぁ。


「し、シア、大丈夫だよ。ちょっと驚いただけで…ありがとうね。」


「主様…!勿体ないお言葉です!ご安心ください!主様のことはこのグレイシアが全身全霊でお守り致しますので!」


「えっと…うん、ありがとう。」


「あの、シュニィ。グレイシアが言ってたみたいに、怖がらせちゃったよね。ごめんね。」


「い、いいえ!さっきも言いましたけど、ほんとにちょっとだけ驚いただけですから。フラム様が謝る必要はありません。」


「ほんと?よかったぁ。僕、シュニィに嫌われちゃったら生きていけないよぉ。…ところで、呼び捨てはしてくれないの?」


「へ、?」


「前からずっと、様はいらないって言ってるのに…」


「いえ、その、あの、恐れ多いですし…」


「もう!恐れ多いとかそういうの、気にしないでいいんだよ!」


「い、いつか、私が上位精霊としてもっと堂々としていられるようになったら、そう呼びますから。だから、もう少し、待ってほしい、です…」


「…!わかった!僕、楽しみにしてるからね!」


「ふふふ。2人は本当に仲良しだね。」


私がそう言うと、フラムは尻尾を振って嬉しそうに、シュニィは恥ずかしそうに赤くなってた。


「フラム様になにかされたら、必ず私に言ってくださいね、主様。」


グレイシア、ちょっとフラムを警戒しすぎじゃないかな。でも、それだけシュニィのことを想っているってことだよね。


「グレイシア、もう少しフラムに優しくしてもいいんじゃないか。いくらシュニィのことを大切に想っているといえど、フラムを警戒しすぎだ。」


ああ、アーグアが言ったら…


「アーグア様、お言葉ですが、私は主様の1番の眷属です。主様をお守りするのが私の生きる意味、使命なのです。あまり口を出さないでくださいませ。」


「お前はいつも私に対する態度がきついな。フラムもだが、私にももう少し優しくしてくれないか?」


「ご冗談を。貴方様こそ、私と仲良くするつもりなどないでしょうに。」


この2人は、いつもバチバチしてるなぁ。私はできれば、みんなで仲良くしたいけど…


「まあまあ2人とも落ち着いて。ほらほら仲直りしよ〜?ささ、握手握手〜♪」


ラント、空気を和ませようとしたんだろうけど、さらに悪くなったような…


「はあ、今日はもうやめにいたしましょう。朝からこんなことをしていては、主様の穏やかな1日に影響があるかもしれません。」


「先に始めたのはお前だがな。」


「なんですって?」


「もう2人とも、喧嘩はダメよ。仲良くしなさいな。」


「母様のおっしゃる通りだよ。私、2人が仲良くしてくれたらとっても嬉しいな。」


…「姫様に免じて、今日は許してさしあげます。」

「姫様に免じ、今日は許してやろう。」


「ふふふ。2人はなんだかんだ息が合ってるよね。」


「「そんなことは断じてっ!!」」


ハモった!しばらくみんなで大笑いしちゃった。


―コンコンコン。


「ご歓談中失礼致します。レインです。皆様、少しお時間よろしいでしょうか。」


「ええ、よくってよ。どうかしたのかしら?」


「どーも!!!ラードですよぉぉ!」


「ラード!声大きすぎるよ!うるさい!」


「そんなぁ!うぅ、わかった。静かにしてるよ…」


ラード、レインに怒られてしゅんとしてる。レインはいつもニコニコしてて穏やかな子だけど、ラードにはすごいはっきりものを言うんだよね。それが信頼の表れなのかなぁ。2人はお付き合いしてるらしいし。ふふふ、私もいつか、そんな素敵な相手に出会いたいな。


「はあ。…失礼致しました。昨日海を司っているマリンから報告があり、原因は分かりませんが北の海が汚れているそうです。」


「ふむ。北の海か。私も探ってみよう。」


マリンはアーグアの眷属だし、水に関することならアーグアに任せておけば大丈夫だよね。


「その件についてはアーグアたちに任せるわ。さあ、今日も楽しい1日にしましょうね!」


母様のその声で、みんな一斉に解散した。私は何して過ごそうかなぁ。



―その夜、またみんなで集まった。


「アーグア、朝言っていた件、なにかわかったのか?」


「それが、どうやら魔素の汚れが原因のようなのです。」


魔素の汚れ!?


「魔素の汚れだと?そんなもの、とんでもなく膨大な魔力を使わなければ起きないだろう。それこそインティアスに干渉でもしない限り…ハッ!ツィア、なにか体に不調はないかい?」


「え、言われてみれば、なんだか頭痛が…」


まさか!インティアスを!?


―バリバリバリンッ!


「あ、ああああああ!」


「母様!?」


―カツカツカツ。


「やあやあこんにちは。精霊のみなさん。」


誰!?


「貴様、何者だ…」


「はは、ははははははは!…失礼。初めまして、私は当代リーヴェンス王国国王、ステルベン・リーヴェンスと申します。」


「リーヴェンスの国王が、なんのつもりだ…インティアスを破壊するなど…!」


「理由など簡単でしょう?国をより発展させるためですよ。民たちもこうすることを強く望んでいるのです。」


「人間風情に何ができる。貴様も兵士共も、全員まとめて水の中で殺してやろう。」


そ、そうだよね。アーグアたちは強いし、人間が精霊に勝てるわけ…


「おっと。残念ですがそれは無理だと思いますよ。女王が弱っている今、女王の力の影響を強く受ける貴方たちも、じきに力を使えなくなるでしょう。…ああほら、辛くなってきたのではありませんか?」


「う、き、さま…」


「ふっ、お前たち、女王とその伴侶、それから息子と娘を捕らえよ!他の精霊は、まあ痛めつけるなり好きにしろ。」


『はっ!国王陛下の御心のままに!』


『ははは。まさか精霊を好きにできるなんてなぁ。騎士やっててよかったぜ。』


『さてさて、手始めに女王から捕まえるとするか。』


騎士たちがルクレツィアに手を伸ばした。

やめて!母様!


「人間風情が、ツィアに触れるなぁぁぁ!」


アトラスが騎士たちを吹き飛ばした。

父様!今そんなに力を使ったら…


「うっ…」


「あ、とらす。もう、やめて。本当に死んでしまうわ。」


「そんなこと構わない!そうすることでツィアを助けられるのなら。」


「いいえ、だめよ。周りを見て。」


『おお、コイツは風の精霊か。綺麗な見た目してんなぁ。血で汚したらどうなるんだろうなぁ!?』


グサッ!


「ああああああああ!」


『こいつは土か。確か土の精霊はキツネになるんだったっけか。少し痛めつけたらその姿になるか。』


グサッ!


「うあああああああ!」


『こいつは雪か。かわいいなぁ。うちの息子に土産として持って帰ってやるか。』


「主様に触るなぁぁ!」 「シュニィに触るなぁぁ!」


『なんだコイツら。氷と、炎か。やっぱり精霊はどいつもこいつもいい見た目してんなぁ。仕方ねぇ、3人まとめて持ち帰ってやるよ。』


『おっ!こいつ雨の精霊じゃねぇか。持ち帰れば好きなときに雨降らせられるよなぁ。言うこと聞かせるためには、多少の躾はしないとな。』


「レインに触るなぁぁ!」


もう、やめて…


「ねぇアトラス。いつもの冷静な貴方に戻ってちょうだい。抵抗したとしても、みんなを助けられるほどの力は残っていないでしょう?だったら抵抗せず大人しく捕まって、みんなを守りましょう。それが、私たち王族の役目だわ。」


「そ、んな。」


母様、父様…


「ねえ、リヒト?あなたも一緒に、ね?」


え?


「はい、母上。僕も共に参ります。」


「か、母様?私は?私は一緒には行けないのですか?」


「ごめんね、レナーテ。貴方を一緒には連れていけないわ。」


そんな…


「どうして、ですか?」


「貴方は次の精霊女王よ。貴方までこっちに来てしまっては、精霊界は終わってしまうわ。」


「なんの話か分かりませんが、そちらの小さなお姫様も逃がしはしませんよ。」



リーヴェンス国王…


「精霊女王を舐めないでくれるかしら。この子1人を逃がすくらい簡単よ。」


母様?いくら母様でも、インティアスが壊れているのに、そんな力は…


「レナーテ。このペンダントを貴方に。」


そういうと、ルクレツィアは首に着けていたペンダントを外し、レナーテに手渡した。


「母様、これは…」


「私の魔力を込めてあるわ。貴方が持っていて。…さあ、早く行かないと。」


ルクレツィアとレナーテの周りが光り出した。


「これが私の最後の力よ。レナちゃん。ごめんなさい。こんなことになったのはわたくしのせいだわ。でも、必ず貴方は幸せになれる。だからどうか、200年後、貴方が私たちの幸せを取り戻してね。」


「待って!母様!」


「さようなら…」


「みんなぁぁぁぁぁ!」


そうして私は、家族と、友達と、離れ離れになった。



ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!どうだったでしょうか。次話からも読んでくださると嬉しいです!

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