背理法による矛盾
宇宙の果ては観測上138億光年で、それは光速で拡がっているという。
ならば光速で移動したとしよう。するとその反対側は移動時間分の距離+138億光年ということになる。1億年経過すれば、1億光年+138億光年の宇宙の大きさとなっているだろう。
X‐Tという二次元の座標を考える。
原点に現在の我々の宇宙を置く。するとその大きさは[-138億,+138億]の範囲だ。単位は光年。
1億年経過すれば光速で宇宙が膨張しているならその大きさは[-139億,+139億]となる。
光速で+方向へ移動したとすると1億年経過で[-138億,+140億]という観測範囲の銀河へと到着するだろう。
最初をA、移動したのをBとしよう。するとAでの宇宙の果てはBでは観測できない。
何が起こっているのか、分かりやすいように1億年経過ではなく138億年経過としよう。
移動しないものをC、光速で移動したものをDとしよう。
その位置はC(0,+138億)、D(+138億,+138億)。+138億とは宇宙の年齢にすると276億年となる。
その観測範囲はC[-276億,+276億]、D[-138億,+414億]となる。
ここで光速の半分の後退速度で移動している場所――銀河――に注目する。
移動方向と反対向きの位置としよう。最初の位置は-69億光年。光速が有限なため、過去を見ることになるのだから、これは宇宙誕生からすれば69億年経過した銀河なのだろう。
138億年経過すれば、移動速度が光速の半分だから、その位置は-138億光年になる。
Cから見れば、それは宇宙の半ばにあり、年齢も観測上は半分の138億年のはずだ。これは最初のときから年齢や距離は宇宙に対しての半分という相対的なものは変わっていない。
だがこれはDでの宇宙の端である。つまりはDから見ればそれは276億光年先にあるため276億年前の姿だということだ。そしてDの宇宙の年齢は276億年。つまり宇宙の初期の姿だということ。
何が起こったのかというと、観測しながら移動したら、観測対象の時間が69億年から0に遡って見えたということになる。
時間反転?
いえ、観測上そう見えたというだけで実際の物理が時間反転したわけではないので因果律などに反しているわけではありません。
これはどういう時に起こるのでしょうか。それは銀河の後退速度と移動速度の差が光速を境に超光速となると時間反転して観測される。
これの何が問題かというと、一度過ぎ去った光を移動することで追い抜いているということだ。移動速度は当然、特殊相対論に基づき、光速を超えることはない。
しかし、時間を遡ってい観測されるということは、その光速未満で真空中の光速である光を追い抜いているということになる。
つまりは光速不変の原理を破る。
光速より速いのではなく、光速より遅いことによって破るのだ。
現代宇宙論が特殊相対論と矛盾するために現代宇宙論が間違っているという結論だ。
背理法によって現代宇宙論を否定したわけだ。
これは後付けによる物理的解釈として空間的に離れている場所だからというようなものではなく、観測している光という局所的なものであるために以前のような反駁はできない。
思考実験なため、観測でその宇宙の年齢なんて分からないというのもなしで願いたい。




