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7.おや? とんでもなく綺麗なエルフの女の子と出会ったのだが!?

「それでシルフこれからどうするんですか?」



 深い森の中ファルが小首を傾げて僕に聞いてくる。



「そうだね。まずはどこか人がいるところを探してみようと思う。

 エジル王子に大罪人と言われた僕の扱いがどうなってるか

 気になるし、今僕らがどこにいるかも知りたいしね」

「すいません。私がもっとわかりやすいところにシルフを

 転移させられればよかったのですが」

「ううん。おかげで僕はこうして生きていられる。

 ファルには感謝しかないよ」

「……シルフ」



 あの後、僕らは今自分達が置かれている状況を整理した。

 すると思っていたよりも事態はよくないことがわかった。


 まずさっきもシルフと話したが自分達がいまどこにいるのかが

 わからない。


 周りの景色もほぼすべて緑生い茂る木々だけで

 おおよその場所の目安になるようなものは見当たらない。


 さらに僕は着の身着のままの姿でこの森に飛ばされたため

 装備もさることながら食料などの生きていくために

 最低限必要なものも持っていない。


 このままじゃせっかくファルに救ってもらった命なのに

 いつ力尽きて死んでしまってもおかしくない。


 そこでとにかくこの場所の特定と食料の確保が必要だと

 いう結論に至ったわけだ。


 そのために一番いいのは人と会えること。

 そうすれば近くの村や町へ案内してもらえるかもしれない。


 一応お金なら少しだけ持ってるからそこで食料や水を分けて

 もらえないか交渉するつもりだ。


 それが無理でも最低限今日中に水源の確保はしたい。


 そんな思いを込めて僕たちは深い森の中を二人して歩く。



「キャーッ!誰か、誰か助けて!」



 そんな時だった。突如として静寂な森に叫び声のようなものが

 響いた。



「シルフ今の声……」

「わかってる。急ぐよファル!!」



 声のした方へ全力で駆ける。


 そこにいたのは金色の髪に白い肌、チョンと少しだけ尖った

 耳を持つ少女だった。



「エルフの女の子!?」



 ファルが驚きの声をあげる。


 それもそうだ。


 エルフ族は人里に現れることは滅多になく、

 普通に生きていたらエルフ族に会わずに生涯を終えるのが

 当たりまえ、天使ほどではないにしろ珍しい種族なのだ。


 エルフが人里に降りてこないのには理由がある。


 エルフ族の持つ知識や技術は人間が知りえないものが多数あり

 エルフの秘術と呼ばれている。


 その知恵を狙って彼らを狙う者がいるからだ。


 だが今目の前のエルフの女の子が襲われている相手は

 人間ではなく魔物だった。



「デビルボア!? なんであんな高ランクの魔物が

 こんな森にいるんだ!?」



 デビルボアは漆黒の毛並みに鋭い牙を持つ猪型の魔物だ。

 固い外皮は並みの魔法なら簡単に弾き飛ばす討伐するには

 中位紋を持つ者が複数人必要な魔物。


 目の前の女の子が何翼かはわからないが下級紋だったり

 属性の相性が悪ければとても一人では太刀打ちできる

 相手ではない。


 すると僕の存在に気が付いた女の子が僕の方に手を伸ばして

 必死に叫ぶ。

 


「お願いします!助けてください!!」



 そうだ呆けてる場合じゃない。

 一刻も早くアイツを追い払わないと。


 女の子の元に駆け寄ろうと一歩踏み出すがそれよりも速く

 デビルボアが鋭い牙をギラつかせ突進を開始する。

 

 ダメだ。間に合わない。とてもじゃないが間に割って入るには

 距離が遠すぎる。

 


「そんな、私はここで死んじゃうの? パパ、ママ」


 

 目の前で全てをあきらめたように女の子が瞳から光を消す。


 なんとか、なんとかしなくちゃ。

 アイツをこの距離から追い払うようなそんな一撃を。


 そこで頭に浮かんだのは自分が知ってる中で一番強力な魔法。



 でも使えるのか? 僕に。



 いくら悪魔紋があるからってまだ初級魔法しか使ったことが

 ないんだぞ。


 だがそうこうしているうちにもデビルボアは迫ってくる。



「できるできないじゃない。やるしかないんだ!!」



 左手の悪魔紋にありったけの魔力を流し発動させる

 魔法のイメージを浮かべる。


 すると前準備だとでもいうように大気が渦巻き、

 空に暗雲が立ち込め始める。


 確かアイツが使った時もこんな感じだった。



 いける!ありったけをぶつけろ!!



「うォォおおおッ!! 神の雷に裁かれろ!! 

 【神の裁きトール・ジャッジメント】!!!」



 天が啼き、蒼い一条の雷がデビルボアに向かって降り注ぐ。

 この僕を処刑した6翼の最上位紋を持つ第三王子エジルの魔法。

 それが今、僕の魔法として顕現しデビルボアに炸裂した。


 その強力な火力によって舞い上がった砂塵が晴れたとき、

 そこには黒焦げになったデビルボアの死体と

 驚いたように大きく口を開けたエルフの女の子がいた。



「え、デビルボアを一撃!?!?」

 


 そして綺麗なエルフの女の子は僕を見て状況が呑み込めない

 といった様子でそう叫んだ。


今日で投稿を始めて一週間。ほんとに時がたつのは早いですね。

そしてストックが消えていくのはもっと早いですね……

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それでは!

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