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ダンジョンが出来た世界で幼馴染が勇者(自爆魔法特化型)になったので、遊び人の俺は寄生しようと思う  作者: 秋月静流


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第89話 詮索メタファ


 気付けば俺達は簡素な礼拝堂にいた。

 女神像に触れ仮想世界に行っていたのが嘘のようだ。


「戻って……きたのか?」

「うん。

 何だか凄く長い間、あの場所に居た気がする」

「そうだな。

 まるで数日間も過ごしたような気さえするが」

「尺を稼ぐのに必死だったのかも」

「会話パートは行数を稼げるからな」

「こらこら、お前達。

 そういうメタ的なお話をするのはやめなさい。

 世界設定やら何やらをアリシアから聞くのに最適だったろう?

 お陰で俺達人類に猶予がない事が実感できたし――

 より一層、ダンジョン探索に力が入るってもんだ」

「そうだな」

「うん」

「あと随分長い事話したのは確かだが、向こうは時間の進み方は違う。

 実際は数秒も経ってないぞ?」


 頑丈な腕時計で時間を確認すると向こうにいたのは1秒に満たない時間だった。

 以前からそうだがオーバーロード達はある程度時間や空間も操れるらしい。

 仮想空間とはいえやはり高位存在。

 テリトリー内での時間干渉などお手の物だろう。


「さあ、まずは装備の受領だ。

 その後は関城と合流、探索に向かう。

 コノハとミズキは今回クラスチェンジをしたばかりだからな。

 その慣らしも兼ねて今日は少し慎重に進む。

 だが油断はするなよ?

 常在戦場の心構えを忘れるな。

 気合い入れていくぞ……覚悟はいいか?」

「「おう!」」

「うし、行くぞ!」


 俺達は装備調整室こと工房へ赴く。

 工藤さんや魔女との雑談(貞操回避)の後、再び受領した精神感応魔導金属鎧【さざなみ】を顕在化させる。

 着装、の掛け声で金属球が鎧化していくのは不思議な光景だ。

 しかし昨日の探索で体感した性能を知ってしまったら、もうこの鎧無しの探索など考えられなくなる。

 流動型魔導金属故の軽量性。

 衣服の上に纏う故の運動性。

 卓越な耐魔付与故の耐久性。

 恒常的治癒術式故の回復性。

 そのいずれもが探索者にとってなくてはならないものだ。

 さらにふたりの持つ精神魔導金属製の武具。

 その性能を十全に引き出せればどんな敵でも勝機が見える。

 

(あとは俺の持つ『吹雪』と『華霞』の力をいかに引き出すか、だな)


 精進しなくてはなら面はまだまだある。

 退魔刀を手に揃いのマントを羽織ると、俺達は工房を出た。








「あ、師匠~こっちっすよ!」


 俺達の姿を見るなり元気よく手を振る関城。

 裏表のない満面の笑顔。

 こいつの笑みをアホ可愛いと感じてきたあたり、俺も相当毒されてきたようだ。

 苦笑しつつもゲート前の待機室に向かう。


「――待たせたか?」

「いや、オレも今来たとこっす。

 アニキ、じゃなかった師匠との探索なんで凄い楽しみっすよ!」


「(何だかデートの待ち合わせみたい)」

「(ショウも嬉しそうだしな。同性だからか)」

「(大丈夫だよね? 意外な伏兵にならないよね?)」

「(わからんぞ。関城×狭間……ヘタレ受けなショウは押しに弱い)」

「(ボク――その本出たら買うかも。いっそ作っちゃうかも)」

「(私も手伝わせてくれ。正直……凄く読みたい)」


「(何やらふたりがうるさいな?)

 ――あまり期待するな。

 俺達の探索は地味だぞ」

「そこがいいんっすよ、燻し銀で。

 華々しいのはマフユちゃん達に任せるっす」

「マフユ?」

「あれ、師匠は知らないっすか?

 吾桑マフユちゃん……俺とは違うもう一人の勇者っす」

「ああ、いるのは聞いていたが――名前までは知らなかった」

「その内会うと思いますよ。

 真面目な彼女たちは常に最深部あたりにいますから」

「どんな奴なんだ?」

「可愛いっす!」

「いや、そうでなくてな……」

「勿論師匠のお連れであるミズキの姐さんもコノハちゃんも可愛いっすよ?

 こうしてご尊顔を拝見するとますます……って、ん?

 何やらオーラが先程会った時と違うっすね」

「――感覚が鋭いな、お前。

 ふたりとも、今しがたクラスチェンジをしてきたところだ」

「――え!?

 ミズキの姐さんはともかく……コノハちゃんもっすか?

 だって勇者はクラスチェンジ出来ないんじゃ……」

「それがレベル30以上で可能らしい。

 正確にいえばクラスチェンジでなく、発生する特化型への移行だな。

 ○○の勇者、みたいな感じで性能が急上昇するようだ」

「は~さすがは師匠のお仲間っすね。

 敬服するっす」

「別に俺は何もしてない。

 本人の資質がマッチングしただけだ。

 それでその吾桑マフユっていうのはどんな勇者なんだ?」


 話ながら探索者証とリボンを提示。

 小銃を持った自衛隊員が頷き、離れていく。

 俺達は輝きを放つ魔方陣の上に乗る。

 あとは数秒もしない内に事前に自動登録した箇所まで転移する。

 関城がどこまで進んでいるかは知らないが、俺達がベースなので第十階層のボスフロア奥になる予定だ。

 階層主は一度斃せば同じメンバーでは再出現しない。

 なのでそこは疑似的な安全地帯になる。


「――彼女っすか?

 う~ん一言でいうと……」

「言うと?」

「ビリビリ、っすね」


 その言葉を聞いた瞬間、ゲートが作動し――

 俺達は瞬く間にダンジョン内部へと転移するのだった。







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