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ダンジョンが出来た世界で幼馴染が勇者(自爆魔法特化型)になったので、遊び人の俺は寄生しようと思う  作者: 秋月静流


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第52話 財源ディスカバリー


「こ、ここがショウの家。

 この敷地全てが個人宅の所有……だと?」


 駐車場の一角に車を止めたミズキが古風な日本屋敷を見て驚く。

 攻略されたアオバダンジョン前の治療院を出て車で30分。

 コンサート会場があるツツジが有名な公園と隣接する広大な家屋。

 それが俺の家である狭間道場だ。

 無駄に広いのも理由があり、警察の独身官舎なども内包しているからだ。

 今も耳を澄ませば稽古に励む門下生の声が聴こえる。

 車を降りた俺は無言で荷物を取り出すと母屋に向かう。

 砂利の敷かれた日本庭園を抜けた先、そこが目指す場所だ。

 俺に遅れて慌てて付いてくる二人。

 隣に並んだミズキがおそるおそるといった感じで尋ねてくる。


「もしかして……

 お、おぼっちゃまなのか、ショウは」

「別にウチは金持ちじゃないぞ。

 ただ各行政関連へ土地を貸しているから定収入があるのと――

 昔からの繋がりで武道関係各部署に貸しがあるだけだ」

「うあ……

 出た出た、ショウちゃんの謙虚自慢」

「何だよ、それ」

「いい加減認めなよ。

 謙虚も過ぎれば嫌味なんだからね。

 傍から見れば狭間家は地元の名士なんだからさ。

 今時こんな家を持ってるのは政治家かヤクザな人だけだよ?

 ボクも初めてショウちゃん家に来た時――

 凄いよりも、まず最初に怖いと思ったもの。

 慣れたら遊園地みたいで楽しいところだったけど」

「そんな事言われてもな……

 俺は幼少からこれが当たり前で育ったから金持ちって実感がないんだが。

 大体食事だって質素だし、贅沢らしい贅沢なんてしてないぞ?

 俺なんざ高校生になった今でも小遣いのひとつすら無いしな」

「働かざる者食うべからず、だっけ?

 狭間家の家訓その1は」

「そうそう。

 金が欲しけりゃ自分で稼げ、っていう。

 探索者の装備一式揃えるのだってバイトをめっちゃ頑張ったんだからさ」

「あれでしょ、他校の道場荒らし」

「――失礼な。

 出稽古だぞ、アレは。

 有料で乞われて剣道部と柔道部、空手部の面倒を見ただけだ」

「何を言ってるの。

 各校で噂になってたんだからね?

 弱小高校を瞬く間に強豪へ鍛え上げた謎の敏腕指導者。

 その正体を突き止め確保しろ、って。

 女子の噂ネットワークでデマを拡散しておいたからいいものの」

「そうなのか?

 う~ん……あんまり持ち上げられてもいまいちなんだが。

 ――って、どうしたミズキ?

 池の鯉とか珍しくないだろ?」

「ショウ――私は爺様の影響で錦鯉とかにはそこそこ詳しいのだが……」

「ん? そうなのか」

「あの品種……何より体形・色彩・バランスや仕上がりの良さ。

 多分――私の購入した車よりも高いぞ」

「マジかよ!?」

「うん、おそらく。

 錦鯉は別名、泳ぐ宝石とも言われているからな。

 最近は海外の需要もある。

 この大事にされている環境を鑑みて……

 もし賞を取れば数千万単位で取引されることも夢じゃない。

 っていうか、こんなところで放し飼いしているのが怖い」

「くそっ……こんな近くに財源があったとは。

 おし、しばらくパーティ解散して乱獲しよう。

 それで装備を整えればいい。

 販売コネクションはミズキの爺様に任せて何とか――」


 ドン引きしている二人に俺が熱く語ったその時――


「――あらあら。

 それは困りますわ、ショウくん。

 わたくしの勤め先でご無体な真似はお控え下さいな」


 春風の様におっとりとした――

 それでいて涼やかな声が背後から掛けられた。


 



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