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ダンジョンが出来た世界で幼馴染が勇者(自爆魔法特化型)になったので、遊び人の俺は寄生しようと思う  作者: 秋月静流


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第16話 豪遊レクリエーション


「ふう~さっぱりした。

 お風呂じゃないけど命の洗濯って大事だね。

 身体だけでなく心もすっきりする感じ。

 ……って、どうしたのショウちゃん?」


 濡れた髪を備品のタオルで拭きながら出てきたコノハが怪訝そうに聞いてくる。

 動揺が顔に出ているのか?

 換金後、装備を返納した俺は待ち合い椅子に座り沈思黙考していた。

 時計を見ればかなりの間、黙々と思考してたらしい。

 これからの事を考えすぎても仕方ない。

 頭を振り雑念も振り払う。

 俺は平静を装うとコノハに現金を渡す。


「いや――何でもない」

「そうなの?」

「ああ」

「ならいいけど……隠し事は駄目だよ?」

「(鋭いな、相変わらず)

 分かってるって。

 ほら、これが今回の換金で得た報酬だ」

「わっわっわ。

 こんなになっちゃうの!?」

「だから言ったろ、金銭感覚が狂うって。

 最低ランクとはいえ12個も魔石を持ち帰ったんだ。当然だ」

「そうは言っても……

 そうだ、ショウちゃんにいくら払えばいい?」

「――今日はいい」

「え?」

「その金額はお前が初めて戦って得たお金だ。

 記念と言う訳じゃないが……

 命の対価として得た報酬として、大事にしておけ。

 だからこそ俺は手出しをしなかった」

「でも……色々助言もらったし」

「心苦しい?」

「そりゃあね……無理に付き合わせちゃったもん」

「なら――飯でもおごれ。

 それでチャラにする」

「うん!」

「あとな、ダンジョン探索はさ――」

「――うん?」

「生き残る事さえ出来れば実入りのいい仕事ともいえる。

 このご時世、戦って生き残る力は必須であるしな。

 国も探索行為を推奨してる。

 お陰で職にあぶれる奴もしないし、探索行為に伴う特需で各業界も景気がいい。

 まさにダンジョン景気、ってやつだ。

 ……本当は目の前の不安から目を逸らしているだけなんだろうが」

「ショウちゃん……」

「まあ向き不向きもあるだろうから、表向き強制はされてない。

 ただ週一での探索を強要されるだけだ。

 特に俺達学兵は。

 名目上は徴兵されたとはいえ、予備役扱いだからな。

 有望【職業】勇者のお前とは違って、一応は拒否権があるのさ。

 探索行為は俺達にとって課外活動扱いになる。

 単位取得の為にも皆頑張るって訳だ」

「じゃあボク、明日の授業出なくてもいいの?」

「ああ、行政サイトにアクセスしてみ。

 探索者証コードを入力すると簡単に出来るぞ。

 ここ(酒場)でも出来るしな」

「うん、やってみるね」

「ちなみに最長で半年間の出席免除が可能だ。

 俺もこれを悪用して、しばらく引き籠ってた。

 さらに高レベルだと進学などに関して優遇措置もある」

「へえ~便利だね。

 でも……今日はさすがに疲れたから帰ろうよ。

 ボクのおごりだからさ、豪遊しよ?」

「いいのか?」

「勿論♪

 ご飯だけじゃなく色々付き合ってよ」

「……仕方ない。

 たまには羽目を外すか」

 

 苦笑した俺はコノハと共に無料の送迎バスに乗り帰路へ着く。

 これだと完全に日雇い派遣っぽいな。

 探索者と言っても所詮はそんなもんか。

 色々考え過ぎてた俺が馬鹿なのかもしれない。

 そう思えば……少し気が楽になる。

 単純な事に改めて気付かせてくれたコノハには感謝しないと。

 帰宅前にファミレスへ寄り、店員がドン引きするほど食いまくり、遊技場ではビリヤードやカラオケを心行くまで楽しんだ。

 コノハの、幼馴染の喜ぶ顔を見た。

 こんな日々も悪くないな、と思った。

 だから……俺は大切な事に気付けなかった。

 いや、自分のこれからで内心一杯いっぱいだったのか。

 パーティの誰かがレベルアップした際、探索から帰還したら必ずステータス確認を行う事。

 これは探索の方針を決める上で一番重要な事なのに。

 そのツケは翌日コノハと共に【酒場】に赴き、ステータス確認を行った事で支払われることになった――


「何じゃ、こりゃあ!!!」


 プリントアウトされた用紙を見た俺のジーパン刑事ばりの絶叫に、周囲は驚いた様に静止した。

 

 


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