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ヴァリアッテの今を楽しむ宣言

 魔王ヴァリアッテ・スノーホワイトは、天涯孤独でした。


 ヴァリアッテは、地球の西欧にありそうな大きな洋風の館に一人で住んでいました。館には、人は大勢いたのですが、全員召使いで、他人でしかありませんでした。


 魔王としてヴァルを治める数年前に独り身になっていたのです。


 封印される前はさみしいと感じる事が多く、友達を作ろうと努めたりしていたのですが、魔王であるために畏怖されたりしてままなりませんでした。それに、気を許せる人は何人もいても、相談できるような人はいませんでした。


 そんな状況であったので、十二使徒の計略にはまり封印されてしまったのです。


 ですが、それは昔の話です。


 久能を手に入れてからは、ヴァリアッテは寂しいとは全く思わなくなりました。


 むしろ充実しすぎて、楽しいくらいです。


 久能を自室に置いていて、何かあると気晴らしとばかりに久能と遊んだり、連れだってどこかに出かけてみたりと時間が過ぎ去るのが早いと感じる日々が訪れるようになりました。


「余はこんなに幸せでいいのだろうか?」


 とある日、ヴァリアッテは久能にそう訊ねました。


「幸せだって感じているのは、今を生きているようでいいじゃないですか。今を楽しむって結構重要な事なんですよ」


 久能はそう答えました。


 ヴァリアッテはそんな久能の言葉に妙に納得しました。


 久能に会うまで、今を楽しんでいた事がなかったように思えたからです。


「ならば、余は今を生きている事を楽しもうと思う。久能よ、余の手助けをせよ! それが余の所有物としての使命だ!」


 そんな会話が交わされたのは、ヴァリアッテと久能が出会ってから一週間後の事でした。

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