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赤ちゃん将軍?

「さて、話は戻るが稙綱。本日より、わしは隠居し、家督は菊童丸に引き継ぐ。」


「公方様!?」


「と言いたいところじゃが、対外的にそれはまずいであろう。外向けの将軍職については、菊童丸が元服するまで、引き続きわしが着くが、実質的な当主は本日より、菊童丸と致す。皆の者そう心得、今後も支えて欲しい。」


えっ、さっきの話の流れから、どうしてまた。


「余は、将軍などとは名ばかりの凡夫じゃ。今の将軍家を立て直すことも、この世を治めることも余の器ではないと自覚しておる。」


「公方様、そのようなことは・・・

「よい。これは余自身感じておったことじゃ。今の世を治めることなどよほどのものでなければ出来るものではない。それこそ、妖や未来からの転生者でもなければのう。」

「・・・・」


「ただし、まだ教育は必要じゃのう。言葉ひとつ取っても、今の時代にはあっておらぬからの。稙綱、そちに菊童丸の傅役を命ず。菊童丸の知識の実現化の手助けをそちの領地で行なってもらいたい。また、言葉遣いや行儀作法についての教育も・・・・えっ、なに怖い顔して、なんか間違いでもございましたでしょうか。・・・・・・あっすいません、間違いましたね。はいっ。」

「えーごほん。教育については、そちに任す。菊童丸、母に教えを請うように。」


えっなに、母さんそんなに怖い顔してたの。見てみたいような見てはいけないような。あと、尻に敷かれるのはこの時代でも同じなのね。


「稙綱、傅役自体はそちに頼みたいのだが、よいか?」

「はっ、務めさせていただきます。」


「大舘常興・大舘晴光・摂津元造・細川高久・海老名高助・本郷光泰・荒川氏隆。おぬしらは年寄衆に任じる。菊童丸を以後支えてやって欲しい。」


「「「ははぁ。」」」


「さて、菊童丸。そちにはこれをやろう。」


そうして差し出された刀。先ほど突きつけられていただけにちょっと。


「鬼丸国綱じゃ。」


そっと、受け取・・・・れないよね。こっちは赤ん坊ですよ。

と、思っていると、刀身を引き抜いて見せてくれた。

刀って見たことなかったけど。


「高そうだな。」

「ふぁっはっはっ、そうじゃのう城ひとつくらいは余裕で買えるじゃろうの。」


えっ高。うーん、正直将軍が刀抜いて戦う時点で詰んでるんだし、売ってしまった方が・・・・


「売ろうとか考えておらんか。」


ぎくっ。


「正直思いました。これ抜いて戦う時点で負けだし。だったら、軍資金にしてしまうほうが・・・・。結局、家が滅んだら売ってしまったのと一緒だろうし。」


「ふむ、そうじゃのう。たしかに一利あるが、武家の棟梁が刀を金に換えたなどと、そんな風聞は沽券にかかわる。」


あっそうか。確かに評判悪いね。武士の魂って言うくらいだから。


「それに差物でも地位に見合ったものが必要じゃ。」


そうか。箔付けってやつね。


「じゃが、他の家宝についてはよかろう。確かに家が潰れて宝だけ残っても仕方があるまい。それに、おぬしが当主じゃ、おぬしの決定次第じゃ。」


おおっ軍資金増えるね。

それにだ。色々やってみたいことはあるんだ。

「父上、400年500年後まで引き継がれる家宝を作って見ますよ。」


「・・?!はっはっは。それはよいそうじゃのう作ればよいのじゃ、新しく。」


「父上、売るのであればどのように売るおつもりで?」


「近しいところであれば、六角や京の商人などかのう。」


「全国の大名や商人に手紙を出して、一番高い値段をつけたものに売るというのはどうでしょうか。」


「ふむ、確かにそれであれば高く売れるのう。」


「それとですね。売り上げの一部を京の復興や帝への献上に使います。」


「いや、それでは結局高く売った意味がないではないか?」


「いえいえ、父上。私財を投げ売って、京の復興と帝のために尽くす将軍という名声が全国に轟くのですよ。手紙にその旨を書いておけば、目端の利くものであれば、将軍家秘蔵の品を買ったという名誉に加え、京の復興にお金を出したという名誉までついてくることに気付くはずです。そうすれば、ただ売るよりも高い値段を出すものが出ますでしょう?」


チャリティーオークションとか、下らないものでも高値がつくからね。


「ほう、それは確かに。であれば、家宝以外に不要なものでもそれなりの値段で売れるやも知れぬの。しかし、よくそんなことが思い浮かぶのう。」


「何をおっしゃいます。私たちは、お金と名声が手に入り、買うものは我が家の家宝と名声が手に入り、京のものは復興と誰もが得をするでしょう。」


「そうじゃのう。その中でも我らが最も得をすると。おぬしも悪よのう。」

「いえいえ、お父上こそ。」


「「はっはっはー」」


あれ?なんでみんな、そんな冷めた目で見てるの。えっ、やっちゃった?

足利義晴ですが、自分が凡人であることを認識してるタイプの人間としました。そんな節がありますので。


しかし、父親と悪代官ごっこにふける、乳飲み子。 考えてるうちにやりたくなったんだ。後悔はしていない。これで、潤沢な資金が得られましたね。


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