表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/64

荒療治

もしも、戦国時代にコロナがあったら!

60歳以上の致死率 数% !でもそもそも、そんな年齢いねえ。

若者 ほぼ死なず。風邪引いたかな?結核か?あれ?治ったわ。

人の行き来は少ないので、局所的に終息。

衛生観念の低さの影響は不明だが・・・


うーん、伝染病とすら認識されないんじゃ。

朽木谷に着いても、やはり父上の消息はわからなかった。失敗した。その結果がこれだ。前世の知識がある程度で凡人の俺が調子に乗った結果が。

何も手につかない。何もしたくない。また、誰かが死んだら。いや、父上はまだ死んだと決まったわけじゃ・・・・



「菊童丸様!」

うん?

「勘助?」

なんだよ。今は一人にしてくれよ。

「用は?出来れば一人にしてほしいんだけど!」


どさっ。

木刀?

「持ちなさい。」

「・・・・今はそんな気分じゃない。」

「もう、ひと月です。いいから、持ちなさい。」

そうか、ひと月も経ったのか。

ひと月経って、音沙汰もないのなら、もう・・・・

「下がれ。」

「・・・・」

「下がれ!」


なんだよ。下がれよ。一人にしてくれよ。


うん、どうして近づいてくるの。グエっ。首根っこ掴んで、無理やり引っ張っていくとか、不敬だぞ!


ズザー。庭に無理やり連れて行かれて、放り投げやがった。いってー。擦りむいただろうが。

「なんじゃ。余に向かってこれは。」

カランカラン。さっきの木刀を放ってきた。

「持って、構えなさい。」

なんでだよ。

「嫌だ。」

「構えなさい!」


ふん、知るか。


・・・立ち上がって、勘助の横をすり抜けて部屋に帰ろうと歩き出した瞬間。

「グホッ。」

息が、息が・・・いてー。唐突に鳩尾に突きを放ってきやがった。(注意 死にかねません、真似しないでね。そして、幼児虐待です。)

そのまま、数分のたうちまわって、ようやく痛みが収まってきた。

「ふざけ・・・んな!このクソヤロー。」


落ちている木刀を手に、思いっきり勘助めがけ振り下ろした。・・・が、当然のように避けられ、次は肩に一撃。


痛い!焼けるような痛みが。くっ、折れてないか?これ。


ふうーふうーふうー。痛みで涙が出てくる。くそっ。


その後、何度も切りかかったが、全部受け切られて終わる。最初みたいに、思い切り打ち据えるみたいなことはなかったけど、それでも返す刀で何度も打たれた。一撃もいれられねえでやんの。相手は隻眼で片足引きずってるのに。無茶苦茶悔しい。絶対一撃入れて泣かしてやる。


結局、体力が尽きて動けなくなるまで、半刻ほどボロボロにされただけで一発も入れられなかった。


「ふうー。今日はこれまでです。明日、同じ時間に来なさい。ああ、負けたままでよろしければ、来なくてもよろしいですよ?」


明日は見てろ。絶対泣かしちゃる。しばらく、転がって空を見てた。夕陽がやけに目に染みた。

「菊童丸様、大丈夫でいらっしゃいますか。」

万吉君?

「なんです、あの狼藉者は、即刻首を跳ねて参ります。」

「・・・いい。やめろ。俺が自分でやるから、絶対に邪魔するな。」

「いえ、あの様な輩はやはり、足利家にはふさ・・」

「いいから、絶対にやめろ!手を出したら、万吉その方に罰を与える。」

「そうですか。」

「とりあえず、肩貸してくれ。部屋に帰るから。」


その日は、痛みで中々寝付けなかった。ただ、ここ最近毎晩の様にうなされていた悪夢は見なかった。



・・・そして、今日で一週間。まだ、一発も入れれていない。くそったれ!三日前からは朝夕に素振りもはじめた。効果はまだ出ていない。身体中あざだらけであざのないところを探すほうが難しい。ただ、鬱屈とした気分は今はもうない。

しかし、腹が立つ。ああ、腹が立つ。


まず、腕の長さが違う。腕の振りの速さも違う。そして、何より体重と腕力が違う。これで勝てるはずがない。

ただ、目は慣れてきた。体も痛みで反応が遅れたりするが、それでも最初よりも思うように動くようになった。


どうせ、リーチの差で先手は向こうだ。でも、体の小さなこちらを狙うなら、切っ先の位置で振り下ろすか、突くか、薙ぐか決まる。上段!振り下ろし!一度刀を合わせて・・・流しながら距離を詰める。よし、防いだ。あとはどんな不格好でもいい。相手に先に当てろ。くそっ、後ろに下がるな!向こうのほうが一歩が大きい、ここで逃したらまた向こうの間合いだ!当たれ当たれ当たれーーー!

当たったー!ドンっ。そのままの勢いでぶつかり勘助と二人もんどり打って転がった。


「いやはや、参りました。ついに入れられてしまいましたな。」

やっぱり、腹が立つ。

「・・・菊童丸様。・・・お世話になり申した。主君に手を上げた某は、責任をとって・・・」

「勘助、そちに罰を命じる。」

「はっ。」

本当に腹が立つ。痛かったんだぞ!くそっ。毎日毎日。

「此度の件、そちには切腹を禁ずる。」

「ははー。・・・はっ?」

「痛かったんだぞ。しんどかったし。だから、絶対に楽させてやらん。こき使ってやるから覚悟しとけ。死ぬまで仕事させてやるから、簡単には死なさないからな。」

「はっはっはっ。それは恐ろしゅうございますな。」

何よりも自分に腹が立つ。勘助に死ぬ覚悟させてまで、何もしようとしなかった自分に。

「勘助、すまなかったな。そして、ありがとう。もう大丈夫だ。」

「ははー。」

「本気で切腹するなよ。フリじゃないからな。許さないぞ。」

「ははー、この不義は働きで持って返させていただきます。」

「いや、切腹もいとわず忠言してくれるような家来を持てて、果報者だね。ホント。でも、痛かったんだぞ。だから、覚悟しとけ。」


よし、見てろよ晴元。父上の仇だ。そして、この戦国を絶対終わらせてやる。


fin



・・・・・・

「痛た、痛っ、あっちょっとやめて。」

「怪しい奴め。ここが菊童丸様の館と知っておるのか。」


うん、なんだ?賊か?

「痛い。離せ。菊童丸に会えばわかるから。痛た痛い。」

「そなたの様なみすぼらしい格好をしたものに、菊童丸様を合わせられるわけがあるまい。」

「しょうがないでしょ。一ヶ月以上、逃げ回ってたんだから。」


うーん、この声聞いたことあるんだよな。

「なんだろ?見に行くから勘助ついてきて。」

「はっ。」

誰だっけ?

「菊童丸ー助けてー」

あっ!これは!


走って駆けつけたそこには・・・

「おおー菊童丸ー。この者を説得してくれ。」

浮浪者のような格好の汚らしい格好の・・・・



おーい父上、なんで生きとんねん。

あれ?なんか書き方変わってない、この話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もしこの時代にコロナが蔓延したら!? アメリカ、武漢レベルを軽く超える死者、感染者が発生していたと思われます。 ただの風邪ですら死亡率の高い時代で、これは武家、公家といった高度医療を受けやす…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ