驚天動地
スペースゴジラのコロナビームや、ウルトラマンストロングコロナゼロでも見ながら、コロナビールでも飲んで自粛しましょう。
作者は今日も出社です。
あっ、喘息持ちなので、死んだらごめんやで。
「あうー。」
あうー。可愛い。
「菊童丸様、抱かれますか?」
「いや、ちょっと落としそうだから、遠慮しておくよ。」
満6歳だから、首座ってない赤ちゃんの抱っこは流石に怖いよ。
「ふわー可愛い、きくにー可愛いね。」
そうだね。でも、小梅ちゃんも可愛いよ。
「あにうえ、竹千代は可愛いですね。」
そう、無事生まれました。於大さんのお子さん、竹千代君。なんか、名前聞いたことがあるような気がするんだけど、どこでだっけ?
(ここに読みに来る人にとっては、常識ですが一般教養じゃないので菊ちゃんは知りません。清康、広忠、家康、信康、家光、家綱と松平(徳川)の嫡男の幼名が全部竹千代とか。)
相手方の家に縁の名前らしいんだけど。
「菊童丸にも、こんな可愛い時が・・・・なかったわね?」
なぬ?まあ、前世の記憶持ちだから。それでも可愛かったはず?
まあ、無事に生まれてよかったよかった。将来は立派な武将になって、仕事頑張って楽させてね。
「 ・・まるさまー、菊童丸様ー。」
何やら、大きな足音と慌てた様子で、探してるみたいだな。
「ここじゃ。」
「ここにいらっしゃいましたか。火急の知らせが!」
そういうと周りの子供に目を這わせ、
「ふむ、ここではな。場所を変えるか。」
「はっ、出来ますれば奥方様にもお耳に入れてもらいたく。」
「私?」
なんだろう?母上にまで聞かせるようなこととは。あまり、いい予感はしないな。
「で、稙綱。火急の知らせとは?」
「はっ、詳しくは三太夫よりご報告が。」
「ふむ、三太夫申せ。」
「はっ、細川晴元殿、謀反にございまする。」
・・・・・馬鹿な。そんな。
「旦那様は。」
「はっ、籠城を諦め、京の脱出しこちらに向かっておりましたが、道中襲撃に遭い、現在は行方不明にございまする。」
「ああ〜。」
「奥方様。」
知らせを聞いた母上は、立っていられないのか。後ろに倒れ掛かり、稙綱に抱き抱えられている。
なぜ?うまくいっていたのに。どうして?父上は。
「菊童丸様、大きく息を吸ってくだされ。」
何を?
「まだ、公方様がこちらに向かっておるかも知れませぬ。であればこちらも迎えるにあたり、対応せねばなりませぬ。」
そうか。そうだな。あの父上が死ぬわけないよな。
「ふうー。」
「落ち着かれましたか?」
「あっ、うん。とりあえず、みんな集めてくれる。」
「すでに、隣の部屋に」
よし。
みんな集まってるな。
「三太夫、詳しく状況を説明してくれ。」
「はっ、昨日昼ごろ。細川晴元率いる軍が中尾城に向け出兵。公方様はまだ完成していない中尾城での籠城を断念。城に火を放ち、坂本に撤退を開始。500人ほどの兵を連れ、国境付近にかかったところで、敵軍の伏兵約2000と交戦。その後行方がわかりませぬ。」
「父上・・・・。その後敵軍は。」
「はっ、現在も国境を捜索中。また、京より3000ほどがここ坂本へ向け進軍中、菊童丸様や奥方様の身柄を抑えるためと思われます。明日に夕刻にはこちらに到着するかと。」
思った以上に酷い状況だな。
「・・・どうすべきだと、思う?」
「失礼ながら、即座に朽木谷への撤退をご検討願いまする。」
「・・・そうか。まずは母上や千歳丸。小梅様。於大殿。他女性や子供を中心に撤退を開始せよ。三太夫、即座に朽木谷に使者を出せ。」
「はっ、すでにあちらに知らせを走らせております。」
「稙綱、ここで集まれる兵は如何程だ。」
「・・・?」
「どれくらいの兵がここにおる?」
「200人ほどかと?」
「重秀!鉄砲は何丁ある?」
「ここにあるのは10丁ほどです。」
くっ、全然足りない。
「・・・菊童丸様?どうなされるおつもりですか?」
「父上はここを目指しておる。父上が参るまで、死守する必要がある。勘助。籠城でどれ程時を稼げる。」
「はっ、ここ坂本はあくまでも叡山の門前町でしかございません。籠城に適した作りではございませぬし、そもそも、ここを戦場にすること自体を叡山が許しませぬ。たとえこの館に篭ったとしても、3000が相手では半刻と持ちませぬ。」
・・・くそっ。くそっ。
「何か、策はないのか?勘助・幸隆!」
「ありませぬ。」
「・・・・・くっ!だが、父上が来るまで、余はここを離れんぞ。」
「・・・・なりませぬ。公方様亡き後、菊童丸様が足利家を率いるのです。むざむざ死を選ぶなど。」
「千歳丸とておる。此度のことは余のせいじゃ。もっと上手く動けておれば。」
・・・・・
「で、あれば。」
「おお、何かあるのか。」
「はっ、我ら一同夜陰に紛れて奇襲を仕掛けまする。さすれば、行軍は遅れまする。半日ほどは稼げるか
」
「そうか、では準備を「ですが、菊童丸様には朽木谷に行ってもらいまする。」・・・・なぜじゃ?余も。」
「ここから先は餓鬼のお遊びではすみませぬ。我ら一同、たとえ討死しようとも、時を稼いでご覧にいれましょう。」
「ならぬ。その方らが死ぬなど、その方らが命をかけるのなら「足手まといでしかございませぬ。はっきり申しまして、邪魔でしかございませぬ。」・・・・」
・・・くっ、何もできない。邪魔だと。
無力だ。転生してこちら上手くいっていて、なんでも出来るつもりだったのに、結局自分じゃ何も出来ないんだ!くそっ、くそっ、くそー!
「・・・・撤退する。その方らも含めて全員で。」
「はっ。」
「鉄砲は残すな。その他技術的に重要なものは出来る限り持ち出せ。持ち出さないものは処分しろ。書類なども同様だ。金銭の類は捨ておけ。まずは人が優先だ。」
「ははー。」
父上、無事でいてください。
史実より一年早い、晴元君の反乱でげす。中尾城はやはり燃える運命だったわ。
当初は特に不利な状況にならないで。ここで、跳ね返す予定だったんだけど、一旦やられてもらうことにしました。




