新たな家臣
暑い〜。
クーラーくれ。扇風機。冷蔵庫〜。氷〜。冷たいビール。アイス〜。ジュース〜。
氷室でも作ればいいのか?
とりあえず、団扇か扇子用意して、水撒いておこう。
こういう日は動く気しないよね。
「菊童丸様〜。」
やばい、訓練させられる。隠れるしかないな。
「菊童・・・・あれ?いない。」
ふっふっふ、まだ体が小さいからね。ちょっと大きな入れ物なら、隠れることが出来る。
「ふむ?どこに行かれたのだろう?お客人が来たのだけどな〜。」
えっ、まじ。くっ、すぐに出れないのに。
「菊童丸様〜。」
あっ、行っちゃった。うーん、誰が来たんだろ。とりあえず、出よう。
「よっこいしょ。」
あつっ。
うーん、客室は向こうか?
おっ、ここ、ここ。隙間から見えるかな?
二人いるな。誰だろ?
片方は線細いなー。若干怖い顔してるけど。中肉中背の中年?
もう一人は特徴あるな。隻眼だし、傷だらけ、色も黒いな、それに指が一部ない。うーん、どこかで見た気がする顔だな〜?
「菊童丸様?」
うわぁ、びっくりしたー。
「ちょうど良かったです。お客人がその部屋でお待ちです。」
「あっ、うん。」
じゃあ入るか。中の人も気づいたみたいだし。
「菊童丸様でございます。」
「はっ、これは菊童丸様、光栄にございます。それがしは、武田信虎にございます。」
きたー。
「よくぞ参った信虎殿。」
「はっ。」
「ふむ、嫡男に追い出されたと、聞いてあるが相違ないか。」
「はっ、その通りでございます。」
「余の家来は正直少ない。戦慣れしたものなど以ての外じゃ。出来ればそちに働いて欲しいと思うてあるのじゃが・・・」
「はっ、世の噂にございますね。」
「そうじゃ、ただ余は追い出した側が大義名分のために流した嘘の可能性を考えておる。そこで、そちと少し話して確認したいのじゃ。」
「はっ。ありがとうございまする。そのように言っていただけて。そうですな。甲斐の守護として、非人道的なこともしてきたとは思いまする、ただ、甲斐では実りが少なく、食うに困るものも多く出まする。皆を食わせることは難しく、少しでも甲斐のものを食わせるために、他国に攻め略奪などもしました。ですが、噂にあるような妊婦の腹を裂くようなことはしておりませぬ。」
「ふむ、では追い出された理由に心当たりは?」
「はっ、ひとつは晴信とな軋轢ですな。諏訪への対応で意見が分かれておりましたし、弟の信繁を跡取りになどの噂もありましたのでな。あとは、家臣団の力を注ぐことを目指していたそれがしが、重臣達にとっては邪魔だったようですな。」
「そうか。余は、戦国の世を終わらせて、誰もが幸せな国を作るつもりじゃ。そのために働くことは出来るか?」
「はっ、微力ではございますが、出来うる限りのことを致しまする。」
「であれば、余に力を貸して欲しい。」
「はっ。」
「しかし、武田という名はまずいな。ふむ、そうじゃの、ここ坂本から、坂本義虎と今後は名乗れ。」
「はっ、今後坂本義虎と。」
「ふむ。では今後頼む。」
「ありがとうございまする。菊童丸様、ひとつお頼みがありまする。こちらのものを推挙したいのですが。」
「ふむ、そちが推挙するのであれば、話は聞こう。」
「はっ、こちら駿河で知己を得たもので此度の話をした際に、紹介して欲しいと頼まれまして。」
「そうか、それでその方の名は?」
「はっ、山本勘助と申します。」
きたー。山勘だー。やべー忘れてたよ。この時期、駿河にいたのね。
「採用。」
「は?」
「採用。」
「それがしが言うのもおかしいのですが、よろしいのですか?拙者のような流れ者を背景も調べずに。」
「いいよ?山本勘助でしょ。採用。むしろこちらからお願いしたいくらいだよ。」
「拙者のような浪人に過剰なお言葉、ありがとうございまする。」
「勘助には当面、軍学について余やとなりにある学校で教えを説いてくれぬか?」
「はっ。」
「すまぬが、まだ禄については決めておらんのじゃ。それなりのものを出すが、基本は金銭になるのでよろしく頼む。」
「はっありがとうございまする。」
いや〜、やったよ。信虎さん以外に、予想外だけどいい人材が手に入ったよ〜。
「菊童丸様!・・・・これは、申し訳ございません。お客人でしたか。」
「ああ、大丈夫だよ。今度から家来になる坂本義虎と山本勘助だから。」
「はっ、それでは。お客人が来ておりまする、ただ今先触れが参ったのですが。」
「義虎、勘助。いい?」
「はっ、それがしどもは構いませぬ。」
「うん、じゃあここに連れてきてくれる?」
「はっ。」
うーん、誰が来たんだろ?




