冬のある日
短めオチなしです。
ソワソワソワ。ウロウロウロ。
「菊童丸様、お座りになられませ。」
「ああっ、うん そうだね。」
・・・・・ウロウロウロ
「・・・・はぁ。」
・・・
「菊童丸様。」
「どうした!?」
「えっ、いえ。鈴木殿佐太夫です。」
「・・なーんだ、佐太夫か。・・・通してくれ。」
「鈴木佐太夫にございます。」
「ふむ、今日は何ようじゃ?」
「はっ、明より鉄砲が手に入りました。」
おおっ、ついに。やったじゃん。
「こちらにございます。」
「でかした。これを研究し、日ノ本でも同じか、それ以上のものをつくれるように、研究してほしい。」
「はっ。しかし、菊童丸様のおっしゃる弾とは異なるようでして。」
「うん?どういうことじゃ。」
「はっ、こちらが玉にございます。」
あー、初期の弾って本当にただの円形なんだな。
「技術的にはこちらの方が再現しやすいか?」
「そうですね、ただの球体ですから。」
「そうか。・・・であればこちらでの製造を勧めてくれ。ただし、余が言った形状のものについても研究は進めてほしい。」
「はっ。こちらの鉄砲ですが命中精度はかなり低いのですが。よろしいのですか。」
「基本的には集中運用して、軍に向けて放つので、ばらけたところで隣の兵の誰かには当たろう。」
「弓の斉射と同じ考え方ですな。」
「精度を上げるのであれば、やはり弾丸の製造と横回転させながら弾を発射する必要がある。」
ジャイロ効果とは知ってるんだけど、銃の中がどうなっていて横回転してるかは、知らないんだよな。あと、ライフルは砲身が長いんだっけ。スコープも必要だな。レンズか?Rのつき方がわからんから、それっぽくガラスで作ってもらうか。まあ、10年20年でできれば御の字だな。
「運用自体はまだまだ先の予定だ。まずは製造出来るように頑張ってくれ。」
「はっ、お任せください。・・・・それはそうと何やら騒がしいご様子ですが、いかがなさいましたか?」
「ああ、それは・・・」
「菊童丸様ー!」
「どうした!?」
「お方様が・・・」
「母上がどうしたー⁉︎」
「はっ、元気な男子を御生みになられました。」
ヒャッホーイ。生まれた。やったー。弟だ。お兄ちゃんだぞ。
「菊童丸様、おめでとうございます。」
「うん、ありがとう。見に行っても大丈夫かな?」
「まだ、産湯など産後の処理中ですので今しばらくお待ちください。」
くっ、早く早く。
・・・・・・・
「母上〜、お疲れ様です。体調に問題はないですか。」
「菊童丸。ええ大丈夫ですよ。」
「そちらが弟ですか。」
「ええ、そうよ。あなたそっくりよ。」
おおっ、可愛い。ツンツン、おおっ赤ちゃんだ。まだお猿さんみたいだな。抱っこは怖いな、この腕じゃ。
「母上、可愛いですね。」
「ええ、ほんと。あなたが生まれた時も思ったけど、ほんと可愛いわね。」
「あの母上、名前は決まっているのですか?」
「ええ、千歳丸よ。」
「おおっ、千歳丸。千歳丸やーい。おおっ笑った?」
「千歳丸。兄上に会えて嬉しいわね。」
「菊童丸様、お方様もお疲れですので。」
「そうですね。母上申し訳ございません。ゆっくりお休みください。それでは失礼します。」
・・・
「菊童丸様、おめでとうございます。」
「うん、ありがとう。本当に可愛かったよ。」
「また、里に帰り次第出産祝いをお送り致しますので。」
「ああ、いいよ。鉄砲の報告貰ったしそんなに気を使わなくても。」
「いえ、やはりお祝いごとですので。」
「そうか、ありがとう。」
「稙綱、弟なんで用意した服とかおもちゃ準備していてくれる。」
「御意にございます。」
よーしお兄ちゃん頑張るぞ。
義昭君、誕生




