次の来訪者
みんな聞いてくれ、ようやく離乳食が始まったんだ。まだ、三分がゆくらいだが、初めてのご飯だ。味はほとんどしないんだが、それでも美味かった。本当は、食い初めの時に鯛を口に運ばれたので、食っていいのとばかりにパクッとやったんだけど、口の中に指突っ込まれて吐き出さされた。まだ、消化できないからね。
これで、乳母にバレても餓死しないかな。あれ、何故だろう目から汗が。
それとは別に、今日はまた別の来客が来たんだ。また、合わせてもらう予定だ。
あっ、もう入っていいの。大分ハイハイも早くなったぜ。立つ練習中で歩くのももうすぐだ。あっ、抱えてくれるのね。
おっ、この明らかに厳ついのが、そうかな?
「表をあげい。」
あっ、デジャヴ。やっぱりみんな固まるな。
うん?あれ?放心状態?
「ごほん。鈴木殿?」
「・・・・・あっ、すみませぬ。雑賀衆が代表。鈴木佐太夫と申します。」
あれ?雑賀孫市は?八咫烏は?あれ?もしかして、まだだった?
「ごほん。」
おっとまずい。
「よくぞ参った。鈴木佐太夫よ。今回はそなたたち雑賀衆に用があり、こうして来てもらった次第じゃ。」
さらに驚いた顔してるけど、今度はすぐに立て直したぞ。
「・・・・はっ、誠に光栄に存じあげます。それで、どのような御用向きでしょうか。京についても公方様は、帰京なされ表向き落ち着いており、戦の気配はございませぬが、我ら傭兵に仕事がありましょうか?」
「ふむ、戦については当面は考えておらぬ。用向きは別じゃ。」
「?それでは、我らにどのような用向きで?」
「ふむ、率直に言うとじゃ。そなたらを直臣として迎えたいのじゃ。」
「お誘いはありがたいのですが、我ら先祖伝来の土地があり、簡単には離れられませぬゆえ。」
「当面については、そのまま紀伊で過ごしてもらって構わぬ。年2000貫ほど禄を出そう、それでそちらにやってもらいたいことがあるのじゃ。」
「それはまた、どのようなことでしょうか?」
「ふむ、その前に庭を見てほしい。稙綱。」
「はっ。」
小姓の一人が、鉄の筒を持って出てきた。そして火種を筒の先端から入れ、先端を空に向けたまましばらく待つと・・・・
バーン バサバサ・・・・・
「!!なんですかな。この轟音は?それにあの筒は?」
「ふむ、あれは鉄砲と呼ばれるものの試作品じゃ、鉄の管の中に、火薬と玉を入れ、爆発の勢いで玉を飛ばすものじゃ。まだ、試作品も試作品でな、先端から火を入れる必要があり、あれも危なくて玉は入れておらず空砲じゃ。ただ、完成すれば数町先からでも、甲冑を貫ける代物じゃ。」
本当は筒に火薬入れただけなんだけどね。火薬だけは硝石買って作ってもらった。硝石についても、伊賀で研究してもらってる。といってもまだ、ただの肥溜めでしかないけどね。
「なんと!?数町先から。それにこの轟音では、馬も驚きましょう。」
「ふむ、この鉄砲なのじゃが、ヨーロッパなる場所で作られており、まだ日ノ本には伝わっておらぬのじゃ。そこでそなたたちには、これの製造の研究を行ってほしい。」
「まだ、伝わっていないのにどこでお知りに・・・いえっ・・・・、現物があるのですね。作るにしても一度それを見て見たいのですが。」
「ふむ、日ノ本にはまだなのじゃが、明には伝わっておる可能性があるのじゃ、それを盗むなり買うなりしてどうにか手に入れ、そちらで量産できるようにしてもらいたいのじゃ。」
「これがあれば・・・・。」
「必要なものがあればこちらでも用意しよう、どうじゃ頼まれてくれぬか?」
「・・・・はっ、鈴木佐太夫以下雑賀衆、菊童丸様に仕えさせていただいと存じます。まだ、里に帰り説得する必要はございますが、色よい返事をご期待ください。」
「ふむ、であれば火薬については少し渡そう。火気厳禁で、湿気ると上手く爆破しなくなるので注意いたせ。」
やった、雑賀衆ゲットだぜ。八咫烏だぜ。侍ジャパンだぜ。
「ははー。」
おっあれが八咫烏か?おおっかっこいい・・・?
髭もじゃの割腹いいおっさんが、鳥のマーク掲げてる・・・うーん、やばいファンファ◯大佐に見えてきた。マグ◯大使?
ダメだ、ツボに入った。ここで笑うのはまずい、なんとか堪えなければ。
「ぶっふ、げふんげふん。それではこれから励めよ。」
「ははー。」
あっ、退出させていただきまーす。
おっ、稙綱ありがとう・・・・ってこっちも髭面だった。ちょっと落ち着いたのに、思い出しただろ。ぶっとばーすぞー。
くっ、年がバレるか。すまぬ若者わからないネタで。
ボケやオチを入れるのは、そろそろやめようかな。




