登場人物、地名、各種設定
■地名
・ノルン村。主人公が最初に現れた邸宅がある。
・宿場町ケイラ。領都とサラトガ街の途中にある。
・領都マータック。コーエン領の北部に位置する。東がオルスク大森林、南東が迷宮街サラトガ。北にカラトベ山脈。
・オルスク大森林。コーエン領東部に広がる。未発見の迷宮が幾つもあり、コーエン領は常に魔物の氾濫にさらされている。
・ロディア湖。北部山岳地帯(カラトベ山脈)にある。
・トレンツ川。ロディア湖から帝国に向けて流れる。
・ロスロット峡谷。トレンツ川沿い。
■登場人物
柊修一
本人の認識では28歳だが、この世界では20歳と申告している。オルトゥス世界初登場時レベル47。基本的にはまあまあ善良な小市民だが、準ブラック企業勤めだったにもかかわらず、心身の体調を壊さない程度の図太さも小狡さもある。
アシュレイ(アッシュ)コーエン領冒険者ギルドAランク冒険者。実年齢34だがレベルが高いことによるアンチエイジング効果で見た目は30歳くらい。推定レベル40。
プリシラ・コーエン 18歳。Bランク冒険者。魔法士。東方辺境伯長女。初登場時はレベル28
スヴェン・コーエン 東方辺境伯爵
ゴルバス Aランク冒険者。ドワーフ
マノラ Dランク冒険者。魔法戦士。ドワーフ
ネイサン Bランク冒険者。斥候役
ヴィクター 元筆頭宮廷魔法士。圏域の賢者
アメリア 宮廷魔法士。啓示の賢者。実年齢四十代後半だが見た目は二十代後半くらい。
ネビア サラトガ冒険者ギルド受付け孃
ダモン Cランク冒険者。ならず者
グスタフ Cランク冒険者。ダモンの仲間。
ニール Bランク冒険者。戦士職
シズル Cランク冒険者。戦士職。盾役
リアンナ 第四王女(第七子)。10歳。二つ名は先駆者(自称)
ウベル 地精霊ノーム
■キャラクターレベル
この世界には、客観的なステータス数値や熟練度レベル値はない。ただし、RPGキャラクターの「総合レベル」に相当する仕組みはある。戦闘後に、はっきりと自覚できるほど、魔法の発動効率と身体能力が上がることが「稀によくある」。この体験を「レベルアップ」と称して、これを何回体験したかが自他の強さを測る目安になる。
■マナ覚醒者
体内にマナを取り込み、マナを知覚できる者。マナ覚醒者であることが、レベルアップや、武技や魔法を習得するための必要条件。オルトゥス人の殆どはマナ覚醒者である。
■魔法使い(魔法士)
殆どのマナ覚醒者は、初級魔法の幾つかは使える。ただし発動成功率が低いので、実用性は低い。発動成功率が高くて、戦闘時にも魔法を使える者だけを、この世界では魔法使い(魔法士)と呼んでいる。
■武技
斬撃や受け流し等をする際、同時にマナを身体や武具に一瞬だけ纏うことで、その効果を強化したもの。発動に必要なマナ錬成過程は瞬時に完了する。魔法と同じくマナは消費する。
※武技も魔法も必要マナが十分にあっても間髪入れずの連続発動はできない(ゲーム的に言えばクールタイムあり)。
■武技(一部のみ)
ストレングス(身体全体を一瞬だけ強化する。強化度合いは他の武技より劣る)
スマッシュ(強打)
スラッシュ(斬撃)
パリィ(受け流し)
スタブ(刺突)
ソードストリーク(中級武技。連続斬撃)
ヴォーパルスラッシュ(上級武技。切断技)
■自然属性魔法(一部のみ)
・土魔法 ストーンボール(初級)、ストーンバレット(初)、アースレイズ(初)、アースピット(初)、メタルバレット(中級)、アースシールド(中)
・火魔法 ライト(初級)、ファイアボール(初)、ファイアボルト(中級)
・風魔法 ヘイスト(初級)、スロウ(初)、ガスト(初)、エアシールド(中級)、エアステップ(中)
・水魔法 ヒール(初級)、クリーン(初)、ハイヒール(中級)、リカバリ(中)
■精神魔法(中級魔法)
・フォーカス
極度の精神集中状態になる。
・アンフオーカス
対象の精神を弛緩させて暗示がかかりやすい状態にさせる。ただし、マナ覚醒者は魔法抵抗力があるので、無理矢理に催眠暗示をかけることはできない。
■魔法陣魔法(上級魔法)
他の属性魔法と合わせて、設置型の魔法を発動する。
■転移魔法(上級魔法)
・近距離転移。視界内で、術者によるが、数歩から数十歩の転移が可能。
・長距離転移。術者本人が作成した二つの転移魔法陣をセットとして使う。一方の魔法陣に乗れば対となる魔法陣に転移できる。賢者ヴィクターだけは、転移先魔法陣を必要としない(とはいえ条件に適合した地点にのみ転移可)。
■共鳴魔法
無属性魔法。マナ揺動の増幅、マナの同調等を行う。低レベルの者でも僅かなマナ共鳴は起こせるが、高レベル者でないと使いこなせないので、準上級魔法に分類されている。
■マナ錬成の成功率
主人公はかなりの才能がある。金属製の武具を身に着けていても、激しい戦闘中でも、魔法発動に失敗することがほとんどない。
■錬成されたマナの魔法への変換効率
変換効率が高いと魔法の威力が高くなる。主人公の射撃魔法は威力と精度がかなり高い。その他の魔法の威力は普通。
魔法杖は変換過程を補助することで、魔法の威力を高める。
■魔法の習得
レベル十前後から初級自然属性魔法、レベル三十前後から精神属性魔法、レベル五十前後から、時空属性魔法、魔法陣魔法を習得できる。ただし、レベルが十分に高くても全ての魔法を使えるようにはならない。王国内では、賢者ヴィクター、賢者アメリアは、固有魔法以外は上級魔法まで全て習得している万能型。他の賢者五人や主人公は中級魔法までは全て習得しているが、上級魔法は一部のみ使える「そこそこ万能型」。
■魔法の同時使用
魔法使いのレベルと適性による。中級魔法使いなら、明かりの初級魔法「ライト」を維持しながら、他魔法を発動できる者は珍しくない。
■魔法発動までの過程
魔法名を詠唱してマナ錬成が完了すると魔法が発動する。マナ錬成過程には、初級魔法でも一拍分の時間がかるので、魔法使いは近接戦闘には不利。
■マナ濃度
場所により大気のマナ濃度に偏りがある。発動された魔法の威力は、大気のマナ濃度に左右される。迷宮の深層部はマナが濃く、魔物も人間も魔法の威力が高くなる。
■体内に保留しているマナ量
レベルアップによって増えていくが、才能に左右されず、同レベルなら保有マナ量は殆ど変わらない。
マナ感知能力が高い者は、他者のマナ保有量を大雑把に感じとれるので、そこから相手のレベルを推測できる。
■マナ回復速度
最大量まで長くとも数分程度で回復する。ただし、魔法を何度も発動するとマナ回復量の限界値が下がっていく。例えば上級魔法を何回か発動すると中級魔法が発動できる程度のマナ量しか回復できなくなる。この状態になると、全回復には長時間の休息が必要となる。
■迷宮
魔物は迷宮で「湧く」。魔物がその場で生成されるのか、転移してくるのかは不明。通常、魔物は、湧いた付近に留まる。迷宮は魔物を一定の密度に保とうとする。魔物を間引くと一定の密度になるまで、半日から数日以内に魔物が湧く。
一定の魔物密度に達すると湧きが止まって迷宮は「安定期」に入る。安定期がしばらく続くと上限を超えて再び魔物が湧き始める(迷宮の暴走期)。暴走期では密度が高いほど湧く速度も早くなる。魔物は加速度的に増えて、やがて暴走して迷宮から溢れ出ていく。これが魔物の氾濫と呼ばれる災害となる。
スタンピードが一度起きれば、当面の間、魔物は沸かなくなる(迷宮の休眠期)。
■魔物(magic creatures)
体内に魔石のある生物。迷宮で湧く。迷宮内にいる限り食欲、性欲等は殆どない。人間(正確にはマナ覚醒者)への攻撃衝動がある。スタンピードで迷宮外に出てしばらくすると、野生の魔物となり、生物的欲求が芽生える。野生化した魔物の一部は調教できる。
■言語、国家
・オルトゥス。オルトゥス世界、という表現をしているが、本来は、大陸名。女神の名前でもある。今は他大陸との交流はないので、登場人物達にとってはオルトゥス大陸が事実上の世界そのものとなっている。
・ヘルティア帝国。オルトゥス大陸西部で最も大きな国家。しかし三十年前の属州の独立戦争により、分裂し、今も帝国を名乗るが規模は縮小した。
・ラトレイア王国。元はヘルティア帝国の属州。独立して王国となった。
・テルミナス。オルトゥス大陸にあったとされる古代国家名とその言語名。この国の神話や歴史が断片的に伝わっており、現在の魔法名や人名、地名の由来となっている。
■ギルド間通信
飛行生物に通信文章を持たせる。国内最長距離でも半日で届く。値段は高いが個人でも利用できる。個別に封はしないので、担当職員には内容を知られる。修一達もこれを利用しているが機密事項は書けないので簡単な動向を知らせる程度。
■騎士団
この世界の殆どの騎士団では、戦闘時に魔法か武技を使えることが正騎士の条件となっている。通常の軍事行動では従騎士、従卒と共に行動するが、数人の正騎士だけでも数十日程度の任務を遂行できる(マジックバッグが支給されるので、糧食や装備品の管理運搬役も必要なく、非戦闘時なら生活魔法が使えるので衛生担当も必要ない)。
ヘスティア帝国では、平民がなれるのは従卒長までだが、ラトレイア王国では実力があれば正騎士になれる。