閃光、放たれる
256-①
「皆、あと少し……あと少しだけ耐えてくれ!!」
魔王城は勇者リヴァルが死力を尽くして示し、武光が必死こいて守り抜いた光を目指し、全速力で突撃していた。
目標はすぐそこまで迫っている。影光は伝声管で城内全域に声を飛ばした。
「総員、城内に退避して、衝撃に備えろッッッ!!」
守備隊が城内に退避した事で、敵の攻撃が直接魔王城を襲い始めた。凄まじい振動と衝撃が城内を駆け巡る。
暗黒樹周辺から湧いて出た、空を覆い、地を埋めんばかりの圧倒的な数の影魔獣が魔王城に総攻撃をかける。
だが、影光達の気迫が乗り移ったかのように、魔王城は止まらない。
影光が、ガロウが、レムのすけが、キサイが、ヨミが、フォルトゥナが、ドルォータが、シンジャーが、ネッツレッツが、マナが、オサナが、リュウカクが、ゲンヨウが、ナジミが、フリードが、クレナが、ミナハが、キクチナが、アルジェが、ミトが、リョエンが、ロイが、ベンが……そして、城内にいる全ての者達が、腹の底から雄叫びを上げた!!
「「「「「……行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!」」」」」
轟音と共に超弩級穿影槍が暗黒樹に突き刺さり、凄まじい光が放たれた!!




