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斬られ役、異世界を征く!! 弐!!  作者: 通 行人(とおり ゆきひと)
両雄激闘編
214/282

斬られ役(影)、転移する


 214-①


 影光はゆっくりと目を開けた。ロイ=デストから逃走する為にシルエッタが発動した影転移に巻き込まれたのだが……


「う……ここは……?」


 影光は、ゆっくりと周囲を見回した。今自分がいるのは、石造りの壁に囲まれた広い部屋……というか、この場所は──


「し、師匠!?」

「影光っちゃん!?」

「すずめ、かげみつさまだ!!」

「ほんとだ、かげみつさま!!」


 影光が転移してきたのは、魔王城内にあるマナの『姫の間』であった。


 部屋の中にいた四人は慌てて影光に駆け寄った。


「影光っちゃん!? 何でここに!?」

「いや、それが……」


 影光が事情を説明しようとしたその時──


「かげみつさま、それなにー?」

「ピクピクしてる」

「……ん?」


 つばめとすずめに言われて影光は思い出した。シルエッタに複合関節技であるSTF(=ステップオーバー・トゥホールド・ウィズ・フェイスロック)をめっぱなしだったのを。


「あっ、そうだ!! 聞いてくれ!! 暗黒教団のかしらを捕まえたんだ俺!!」


 影光の言葉にマナとオサナは息を呑んだ。


「師匠、この女性がそうなのですか……?」

「そう、コイツ!!」

「それはそうと影光っちゃん」

「ん? どうしたオサナ?」

「大の男が女性相手に全力で関節技極めんのは、ちょっとどうかと思うで……」

「へ?」


 影光の下敷きにされ、失神状態でグッタリとしているシルエッタを見て、つばめとすずめが、ぷぅと頬を膨らます。


「かげみつさま、おんなのこをいじめたらいけなんだよー!!」

「かげみつさま、わるいこ!! めっ!!」

「ち、違うんだつばめ、すずめ。これはだな──」


 影光がタジタジになりながら、つばめとすずめに状況を説明しようとしたその時、マナが『あっ!?』と声を上げた。


「師匠!! この方の顔を……顔をよく見せて下さい!!」

「気を付けろマナ、噛み付いてくるかもしれん!!」

「こ、怖い事言わないでくださいよ師匠……」


 影光は慎重にフェイスロックを外した。


「そんな……まさか……この御方は……!!」

「知ってるのか、マナ!?」


 マナは小さく頷くと、震える声で呟いた。



「…………姫様」




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