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斬られ役、異世界を征く!! 弐!!  作者: 通 行人(とおり ゆきひと)
本拠地突入編・2
182/282

超スペシャルオールスタードリームチーム、結成される


 182-①


「……武光様、もう良いですよ」


 シスターズ01の最期を看取ったナジミは床を転げ回っている武光に声をかけた。


「……おう」


 ナジミに言われて、転げ回るのを止めた武光はゆっくりと上半身を起こした。


「俺は……自分が情けない……あんだけイキり倒しといて一人も助けてやられへんかった……!!」

〔武光……〕


 イットーは自分のつかを握り締める握力の強さから、武光の無念の深さを感じ取った。


「シルエッタ……あいつは心の底まで腐りきった外道や……あいつだけは絶っっっ対に許さん!!」


 怒りに震える武光と、武光の言葉に賛同する仲間達だったが……


「待って下さい」


 ナジミが武光達に待ったをかけた。


「心の底まで腐りきった外道……本当にそうなんでしょうか?」

「お前……何言うとんねん?」

「最期の言葉……アレは01さんではなく、シルエッタさんの言葉でした。私は彼女の中に深い悲しみと激しい怒り……そして悔恨かいこんの念を感じました。彼女達がシルエッタさんの人格と記憶の一部を複製して生み出されたというのなら……あれが彼女の心の奥底に眠る本心なのではないのでしょうか……」

「本当は自分を止めてもらいたがってるって事か?」

「はい」


 ナジミの訴えを聞いた武光はぐぬぬ……と唸った後、盛大に溜め息を吐いた。


「……しゃーない、問答無用で叩っ斬るのはやめや」

「武光様……!!」


 それを聞いて安心した表情を見せたナジミだったが、武光は『但し!!』と付け加えた。


「例えどんな理由があったとしても……俺はアイツが今までやってきた事を無条件で許せるほど人間が出来てへん。最低でもヒップアタックはブチかます!!」

「……分かりました」

「場合によっては侍パワーボムも喰らわせる!!」

「……あの人を止めてあげる為には仕方ありません」

「あと、お○ぱいも揉みしだいて──」

「それはダメです!!」

「じゃあお前のを揉む!!」


 ナジミは慌てて胸元を手で隠した。


「何が『じゃあ』ですか、何が!? ドサクサに紛れて何言ってるんですか!!」

「チッ……」


 ミトを始めとする女子一同から『サイテー!!』だの『隊長のスケベ!!』だの『ケダモノ!!』だのとブーイングが飛ぶ。

 しかしながら、普段であれば即座に48の退魔技による制裁を発動する所だが、武光が大一番の前にこういう悪ふざけを言うのは、恐怖と緊張をまぎらわそうとしているからだと知っているナジミは武光に言ってやった。


「……仕方ないですね、分かりました」

「へ?」

「この戦いが無事に終わったら、思う存分、揉ませてあげます」

「ままま、マジか……!?」

「それで武光様のやる気が出るのなら」

「うおおおおおーーーーー!!」


 どうやら少しくらいは武光の恐怖と緊張をやわらげる事が出来たようだ。ナジミはあきれながら苦笑した。


 気合いを入れ直した武光は高らかに叫んだ。


「行くぞ……スーパー武刃団!!」


「えーっと、アニキ……何ソレ?」

「何って……元祖武刃団と天照武刃団が一つになった超スペシャルオールスタードリームチームの名前やけど……」

「アニキ……ゴメン!! ダサいよ、凄く!!」

「はぁ!? 嘘やん!? そんな事無いよな、皆!?」


 武光は他のメンバーに同意を求めたが……


 ミトには真っ向から、

 宝剣カヤ・ビラキには丁寧に、

 リョエンには冷静に、

 機槍テンガイには淡々と、

 クレナには元気良く、

 ミナハにはキッパリと、

 キクチナには遠慮気味に、

 魔穿鉄剣には恐縮されながら、

 イットー・リョーダンには忌憚きたん無く、

 そして、ナジミには優しく諭すように、


 満場一致で『ダサい!!』と言われた武光は、めちゃくちゃ凹んだ。


 しかしながら……このまま武光にいじけられても面倒臭いので、仲間達は武光の意見を採用し、ここに元祖武刃団と天照武刃団が一つになった超スペシャルオールスタードリームチーム、《スーパー武刃団》は結成されたのであった!!


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