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斬られ役、異世界を征く!! 弐!!  作者: 通 行人(とおり ゆきひと)
本拠地突入編・2
178/282

斬られ役、ぶった斬る


 178-①


 武光に『コアの位置を教えろ!!』と言われたシスターズだったが、影魔獣にとってコアは心臓であり、脳なのである。

 当然ながら、シスターズは武光の申し出を拒否した。


「「「ふざけんな……!! 敵である貴方にコアの位置を教えるとでも? 何を企んでるのよ……」」」


 シスターズの疑念に対し、武光は答えた。


「俺とイットーでお前らをぶった斬って……お前らを強制的に分離させて助ける!!」


 シスターズは こんらんした!!


 この男は……自分達を救おうというのか。さっきまで生命の奪い合いをしていた自分達を。


「「「そんな……一体どうして!?」」」


 武光とイットーは高らかに答えた。


「それはッッッ!!」

〔僕達のッッッ!!〕


「自己満足じゃあああああーーーっ!!」

〔自己満足だああああああ---っ!!〕


 思わずズッコケてしまいそうな馬鹿馬鹿しい答えだが、ここまで堂々と言い切られては、もはや返す言葉など無い。利害得失や敵味方などの一切をはる彼方かなたにぶん投げて、反論や正論や相手の都合も全部ガン無視して、『自分達がやりたいからやる!!』とコイツらは言っているのだ。


「「「それを……信じろってのか……!!」」」

「……信じろとしか俺には言えん!! 言わへんかったら適当にぶった斬る、核に当たっても知らんぞ!!」

「「「ふざけんな……!!」」」

「「「そんな言葉を信じろとでも……?」」」

「「「…………私、信じてみるよ」」」


 03の言葉に、01と02は唖然とした。


「「「03お前……!! 正気なの……!?」」」

「「「勇者様の世話をしてた時に、勇者様が言っていたの……『敵と戦うには勇気がいる。でも、敵に寄り添う事は戦う事よりも何倍も勇気がいる。私にはそんな本当の勇気を持った友がいる』って」」」

「「「それが……この男だと言うの?」」」

「「「………………くっ!!」」」


 ……サンガイハオウは尻尾の先で三人のコアがある位置を差し示した。


「「「……テメェを信じたわけじゃねぇ!! 03を信じただけですからね?」


「それでかまへん!! 行くぞイットー!!」

〔ああ!!〕


 武光はイットー・リョーダンを上段に構えた。


「でやあああああっ!!」

〔でやぁぁぁぁぁっ!!〕


“すすん!!”


 裂帛れっぱくの気合いと共に、武光はイットー・リョーダンを右の袈裟懸けに振り下ろし、返す刀で左から右へとイットー・リョーダンを水平に振り抜いた。


「……ふうっ」


“……キンッ!!”


 武光は小さく息を吐くと、血振りをしてイットー・リョーダンを鞘に納めた。



 ……直後、サンガイハオウの肉体は、三つに分割されて床に落ちた。



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