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銀月探偵事務所  作者: 花色 静
1/1

『花』

「こんにちはー宅配便です」

「きたー」

廊下を走ってくるパタパタという音が聞こえていた。

二階建てのしゃれた家。だが、どこか昭和っぽいところが残っている。

ガラガラと目の前にある扉が横にスライドしていく。と、

出て来たのは中学生くらいの女の子だった。女の子は箱を取り上げると、「はい、ハンコ。自分でおしてね」

と言って戻っていった。

「え⁉︎」

宅配便の人はびっくりして、目の玉を大きくしながら瞬きがとまらないようだった。

天音あまね、ちゃんとハンコ押してきた?」

男の低い声が聞こえる。

「ううん。ハンコ渡してきた」

「えっー。大変」

ドテと音がなったと思うと中年男性がすぐ目の前にたっていた。ちょうど帰ろうとしていたところらしく、なんとか間に合ったそうだ。

「それで、何が届いたの」

「だーめ。くもさんには内緒」

「えーなんで?天音のケチ!」

「ただいまー」

男の少し低い声が玄関からきこえてきた。

「あっ竜也たつやだ」

と、天音が走っていくと、竜也の後ろに人のようなものが隠れている事に気付いた。すると、竜也が、肩を後ろに下げて、「どうぞ」と言った。後ろには、若い女の人がいる。赤いワンピースを着た綺麗な女の人だ。

「行方不明?」

「はい、私の恋人のリラ君が、突然メールを残して消えたんです。」

「へー詳しく聞きたーい」

と言って天音はマイノートに書く準備をしていた。

「そのメールを見せてくれませんか」

竜也の言葉にカナさんはかばんをごそごそあさっている。と、天音は、カナさんの手にアザがあることにきづいた。

「そのアザ、どうしたんですか?」

「ああ、これ?転んだの。あたし、ドジだから」

「ふーん」

天音はノートに手のアザということをこっそりと書いていた。

「あっこれです」

「ほーどれどれ?」

『花』

リラさんのメールはこれだけだった。





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