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ネズミとダンジョンマスター  作者: ヨコチ=チウム
第二章
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#三十四匹目 混けちゅ


「混血種?ハーフか?」


『ええ!それならば全ての事に辻褄が合います!』


そう言うとオウルは饒舌に説明を始める。

普段も黙ってないでそれくらい喋りなさい。


取り敢えずオウルの考えによると、彼女は亜人とエルフのハーフなんだとか。

森で比較的無事だったのは、エルフならではの森の加護のお陰で自然によって守られ。更に亜人としての五感の鋭さも関係しているだろうとの事。

ネズミ達と会話が成立しているのも自然に愛されているエルフだからだと言う。


そして、そもそも何故森に居たのかと言うと。オウルが生きていたと言う時代の情報な為少々不正確かもしれないが、エルフ族というのは神の系譜と呼ばれており、自分達の血を尊んでおり他種族は穢れた血であるという考え方を持っているらしい。


この時点で俺はある程度察したがオウルは一度話し出すと止まらないので最後まで聞く。


兎に角、血統に拘る彼等にとって他種族の血が混じる事は許されざる禁忌であるらしい。


なのでオウル曰く普通なら彼女は早々にエルフ族から消されている筈だという。


だと言うのにここに居るのは明らかな異常事態だと言う。

恐らくは命の危険を感じて逃げて来たので無いかとの事。

つまり、彼女の傷は魔物ではなく同族の追っ手による物では無いかと言うことらしい。


「良い意見をありがとう」


自信満々に語り終え満足気味なオウルに感謝を述べ、腕を組み唸る。


「うーん…俺はこの世界の知識微塵も無いからな」


しかし、スケルトン達はジャンを除きそうでも無かったらしく。


各々がある程度納得した様子で、それならば辻褄が合う等と頷いている。


まぁ、皆が納得しているんなら俺も納得しておこう。そうしよう。


「じゃあ、全員納得した訳だし。あの子をどうしようか?俺は大体決めてるんだが、皆の意見も聞いておこうと思う」


『私は保護すべきかと。血統如きで罪無き子供を殺して良い訳がありません』


『んー、俺も子供は好きっすよ。子守りは経験ないっすけど』


『僕個人としては幼女万歳なんだけど、彼女を保護するという事はエルフ族と敵対する可能性があるという事を念頭に置いておかないといけないと思うよ』


「そうだな」


ピーターの意見は最もであるが、流石に子供を殺そうとしているのを見過ごす訳には行かない。


あと、ピーター。やはり君はあの子にあまり近寄らせるべきでは無いな。教育上宜しくない気がする。


『ふむ、あの子に銃を向けた私が言うのもあれですが、個人的には助けてあげたいですな』


『ふっ、主の御心のままに』


ネズミ達も、よく分からないけど友達が増えるなら問題ないとの事。


スライム二人もネズミ達と同じ意見だ。



そんな感じで、殆ど賛成的な意見だったし俺としても身寄りの無い子供を危険な森に放り出す様な事はしたくないので、あの子は保護するという事に決めた。


「じゃあ、あの子に関してはそういう事だから皆優しくしてあげてくれ。暫くはあの子も不安かもしれないし主に俺が面倒を見る。あと補佐役を日毎にスケルトン達の中から順番に一人頼む事になると思う。ネズミ達は彼女と遊んであげてくれ。以上。今日はもう遅いし解散!おやすみ!」


そう言って締めくくり、エレノアの天蓋付きベッドに転がり寝ようとするがエレノアによって追い出されてしまう。


『あの子が一人だと不安に思うでしょう。一緒に居てあげて下さい』


多分三割くらいは、これ以上弱みを知られてはならないというエレノアの本心が含まれているのだろうが今回ばかりは七割の意見に従っておく。


仕方なしに、ログハウスまで戻る。


話し合いの前にエレノアが彼女を寝かしてくれていたので、多分既に寝ているだろうと思い音を立てない様にネズミ達と戻ってきた。


「うん…そうなの」


「ちゅちゅ?ちゅ〜」


収納から、ひょっこり頭を出した所そんな会話が聴こえてくる。


知らない声とネズミの鳴き声。

瞬時にあの子の声だと察し、もう少し聞き耳を立てておこうと思い息を殺してみたが、少女には勘付かれてしまったらしく慌てて布団を被る音が聴こえる。


少し出て行きにくかったが、仕方なく収納から這い出でてベッドへと近寄る。

ベッドでは下手くそな寝たフリをしている少女と、真似をして何故か死んだフリをしているネズミ達。


ブリッジをして痙攣しているニアが話し掛けてくる。


『お話してッ……!!いろっいろと!分かったッ!!けどッ……!?聞く……ッ!?』


それより、何故その行動に至ったのか聞きたい。


『いや、良いよ。その子が自分から話してくれるまでは』


『そう…ッ』


それだけ言うと崩れ落ち息を荒らげている。


ネズミ達を下敷きにしてしまわない様に気を付けながらベッド脇に座る。


独身で恋愛経験も数える程しか無い男に子供の世話等出来るのだろうか。

普通の子供ですら怪しいのに、何やら訳ありの子供。


まぁ、ネズミに骨にスライム、そう考えればこの子が一番まともだし今更か。


深くは考える事は止め、俺も布団へと入る。

十代後半の女の子であれば同じベッドで寝る事を少なくとも八時間は悩むが、両手の指で足りる程の歳の子供と寝るのに悩む事は無い。


「ほら、みんなそろそろ寝る時間だぞ」


「ちゅ〜」「ちゅ」


「あぁ、おやすみ」


ベッドの上で倒れているネズミ達に声を掛ければ、各々が挨拶と共に屋根裏へと帰っていく。


「ニアも早く寝ろよ」


『分かってるよーおやすみ!』


ニアが屋根裏へとカーテンを伝って帰って行くのを見送る。


寝る前に少女へと何か声を掛けようと考えるが中々に言葉が出てこない。

数分して漸く、まともな言葉を思い付く。


「いきなりこんな場所に連れてこられて不安で怖いと思う。だけど安心して欲しい。俺達は君に危害を加える気は無いから。ただ森で倒れてたから助けただけだから。とにかく気が済むまでここに居てくれて構わないからな」


「……」


返事は帰って来ないが、伝わっていると信じておく。


「俺はもう寝るよ。おやすみ」


「……」









窓から差し込む朝日が瞼を焼き、早起きな面々の話し声が耳を舐め意識が覚醒する。


ぼんやりとする意識の解像度を上げつつ、布団を剥いでいると自分の横に寝ていたはずの少女が居ないことに気が付く。


焦燥感により意識は鮮明になり辺りを見渡す。

ちょこんと椅子に座っている少女を見つけ、ほっと安堵の息が漏れる。


そして、ふとキッチンに立つエレノアと目が合う。

彼女は何も言って来ないが、目を見れば笑っているのが分かる。


何も口には出さず、寝癖の付いた頭を乱雑に掻きながら風呂場へと向かう。


朝風呂のお陰で意識もさっぱり気分爽快。

いつものタオルオンリースタイルでリビングのドアを開ける。


すると目の前にはエレノアとピーターが立っていた。


「お、おぅ!?いきなりどうした……?」


『服を着てください。教育上宜しくありません』


『天使にそんな汚い姿を見せる訳にはッ!!』


「汚くないわ!」


失礼な、と内心で思いながらもエレノアの言い分が正しいと感じたので仕方無しに服を着る。


久しぶりの事に若干の違和感は残ったが、少女にキモイと拒否られるのは辛いので仕方が無い。


「おはよう。ぐっすり眠れたか?」


「……」


少女の隣の椅子に腰掛け挨拶をする。相変わらず返事は無かったが、小さく頷いたのが分かり嬉しく思う。


「そうか、それは良かった」


朝食が出来るまでの間、暇なのでスマホで調べ事。


昨日の話し合いは夜も遅い事もあり手早く済ました為、情報の不足感が否めないのだ。


『エルフ』


エルフとは自然の加護を受けた種族で非常に長命。

種族特徴として翡翠色の瞳、金色の髪、長細く尖った耳が上げられる。

稀に遺伝情報の欠如等により一部の特徴が異なる個体も存在する。

祖先より濃い血を受け継ぐ存在はハイエルフと呼ばれ神聖視されている。



他にも色々と記述があるが読むのが面倒なので読み飛ばす。


次。


『亜人』


亜人とは動物の特徴を有した人型の生命体の総称。

その為、羊の特徴を持つ正式名称としては"霊長目ヒト科羊因子配合モデル"が正しい。

外見的特徴が無くとも、機能的に動物の特徴を保有する個体に関しても亜人に分類される。


亜人誕生の歴史の項目は『権限不足』の為閲覧不可。(必要深度Ⅲ)



は?正式名称とかどうでも良いんだが?

まぁ、とにかく動物の特徴があれば亜人ね。はいはい。


というか、また権限不足か。


"深度"は初めて聞くな。


(必要深度Ⅲ)の部分の"深度"の部分がリンクになっていたので飛んでみる。


『深度』


魔王種にのみ存在する権能制御回生システム。


閲覧権限不足の為閲覧不可。(必要深度Ⅱ)


一文だけ?たったそんだけかよ。なんもわかんねー。

権能制御回生システム?

閲覧権限とか言うからストーリーとかの進行度的なものを想像していたがこれ如何に。

回生?ってどういう意味だっけ?えーと、まぁいっか。


分からないことを調べた筈が余計に増えた事に内心でクソデカ溜め息を着きつつ、分からない事に関してはさっぱり忘れ、今は目の前の朝食に集中する事にする。


「さてさて、頂こうか」


投稿遅れましばぶぁぁぁぁぁあ

サマーセールが諸悪の根源です


取り敢えずやるゲームが無くなったんで再開します!

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